映画情報どっとこむ ralph 「活弁シネマ倶楽部」は、映画に関するコアな話題を、さまざまなゲストを迎え、独自の視点ざっくばらんに語りつくすマニアックな番組だ。

8月3日(土)20:30より、“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」が放送された。
映画評論家の森直人(もり・なおと)と映画ジャーナリストの徐昊辰(じょ・こうしん)が2019年上半期に公開された映画作品を総括し、独自の視点で討論を行った。
徐氏&森氏_活弁シネマ倶楽部

異彩を放った話題作『翔んで埼玉』や、興行収入でアベンジャーズを上回った『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』など、豊作ともいえる上半期の映画産業の話は、最後まで語り尽くせない程の内容となった。

今回は、2019年の上半期に公開された映画作品を、日本映画事情に詳しい二人が過去作や海外作品との対比などをもとに語った。

今年は、東宝が配給する映画作品の興行収入が過去最高の数字を叩き出したことについて、『コンフィデンスマンJP』や『マスカレード・ホテル』など、去年に比べて実写化映画のヒット作が多かったことに起因すると分析し「旧来型の日本映画の巻き返しという感じがする」と2人とも声を揃えた。

また、森氏は、『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』が爆発的なヒットとなった2018年を、人気ドラマ実写映画化の大きな流れをつくった『踊る大捜査線 THE MOVIE』が大ヒットした1998年との類似を指摘し、“1998年モデル”と称した。一方、『翔んで埼玉』や前述の実写映画など、様々な作品がヒットした2019年上半期を“2006年モデル”と称し、『LIMIT OF LOVE 海猿』や『嫌われ松子の一生』など、王道作品から実験的な作品まで幅がありつつ、興行収入的にも“邦高洋低”の流れが始まった豊作の年である2006年と重なるという分析をした。

そして、2人が考える上半期の「大賞」を与えるとしたら、『翔んで埼玉』を挙げ、徐氏は「中国だったら、ネットで戦争が起きる(笑)」と笑い交じりにコメントし、森氏も「普段、煮え切らないとも言われる、忖度する感覚とかが活きている」と日本文化との見事なマッチ評価した。

“邦高洋低”とは、国内において、邦画作品が洋画作品よりも高い興行収入・評価を得ている状態のことを指す。2019年上半期に“邦高洋低”を顕著に示す例として、『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』についてトークが及んだ。徐氏は「公開後2週間の興行収入の統計を出すサイトで、全世界で『アベンジャーズ』だが、なぜか日本だけが『名探偵コナン』だった。すごいことです。中国でもとんでもなく報道されました。小学生がアイアンマンに勝ったって。(笑)」と興奮気味に海外での反応をもとにコメントした。

他にも、『愛がなんだ』の今泉力哉監督について、今年『アイネクライネナハトムジーク』の公開も控えるなど、今泉力哉の年になるかもしれないといった話題であったり、『岬の兄妹』の片山慎三監督は、カンヌに行くのではないか?などここでしか聞くことのできないトークが収録されている。

活弁シネマ倶楽部

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@katsuben_cinema

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