北極に位置する世界一大きな島グリーンランドを舞台にしたフランス映画『北の果ての小さな村で』を、7月27日(土)よりシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開となります。
その公開に先立ちまして、7月22日(月)にシネスイッチ銀座にてトークイベント付特別試写会を行い、コラムニスト・イラストレーターとして雑誌・書籍をはじめ、近年ではその知識量と絶妙な着眼点での語り口からラジオやテレビでもご活躍の能町みね子さんと、雑誌ソトコトの現編集長・指出一正さんが登壇しました。 |
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上映後の満席の会場には、梅雨のじめじめを吹き飛ばすような、お客さんのさわやかな感動が満ち溢れていた。 9年前にグリーンランドを訪れた経験のある能町さんは、 能町さん:私が行ったのは首都のヌークだったのですが、映画を観て“こういうところだったな”と思い出しました。ヌークは、映画の舞台のチニツキラーク村に比べ ると“都会”というか、人口も多いのですが、似ているところもあるし、田舎に行くともっとこうなるのか、とも思いました。 と自身の思い出と照らし合わせて感想を語った。特に印象に残ったところとして「狩猟のシーン」を挙げ 能町さん:半分ドキュメンタリー的な映画ですけど、どうやって撮ったんだろう、昔ながらのグリー ンランドの生活ってこういうことなんだな。 と感じたと言い、アウトドア雑誌の編集部にいたことがあるというソトコトの指出編集長は 指出編集長:この映画の狩猟と漁のシーンは本物。扱っている道具もすべて北欧のブランドなんですよ。地元の人が普段から使っているんでしょうね。 と専門的な観点から見どころを紹介する場面も。 著作「逃北~つかれたときは北へ逃げます」で、北海道や青森からグリーンランドまで、北を旅した思い出を綴っている能町さん。 なぜ「北」の地へ惹かれてし まうのか聞かれると、 能町さん:南の島が好きっていうのは、何で?と言われないのに、北が好きというと、北の人にすら何で?って言われるんですよ(笑)私は自分を全面的に肯定する気持ちがなくて、そんなに自信がなくて少し卑屈なんです。で、北のほうに行くと地元の方に“こんな町、なにもないのに…”と言われるんですね。 そして私が、“いや、そんなことないですよ”と返す、その一連のコミュニケーションが好きなんです。実は地元のことが好きなんだろうな、と気持ちがくすぐられて、そこ から少しずつ入り込んでいくのが好きなんですよね。 と、独特の理由を明かした。 グリーンランドには、昔から地図をみて気になっていたと言い、 能町さん:どういう人が住 んでいるのか、どんな景色が広がっているのか想像ができなかった。9 年前は、グーグルストリートビューもなくて、地図やガイドブックもなかったから何も分 からなかった。グリーンランドは世界で一番行きたいところでした。実は海外に行っていった地としては、タイ、アイスランド、グリーンランドと、グリーンラ ンドが 3 か国目だったんですよ(笑)。 と果てしないグリーンランドへの想いを語った。 また、イベント内では本作の主人公、デンマークからグリーンランドにやってきた新人教師アンダースから届いた、サプライズ動画メッセージも披露された。 最後に・・・本作の見どころについて、 指出編集長:小さいけど、何もないかもしれないけれど、でも、いい場所というのは、日本だけじゃなく、世界中にもたくさんあると思います。この映画を 通して、グリーンランドのチニツキラーク村というかけがえのない土地を皆さんは発見したと思います。こんな世界があるんだな、いろんな暮らしがあるんだ なということを知ることで、複眼的に社会を見れるようになると思います。 能町さんは、徐々に村の生活や人々に打ち解けていくアンダースの心境の変化につ いて 能町さん:どこにいっても世界中でああいう村社会みたいなものがあるんだろうなと思いました。どこでも大歓迎とはならない、そのリアリティを感じました。 と語り、 グリーンランドへの愛が溢れたトークイベントとなった。 |
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2018年 サンダンス映画祭 ワールドシネマ部門正式出品
『北の果ての小さな村で』 原題:Une année polaire 7月27日(土)より、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー www.zaziefilms.com/kitanomura/ <STORY> |
監督・撮影・脚本:サミュエル・コラルデ
出演:アンダース・ヴィーデゴー、アサー・ボアセン、チニツキラーク村の人々
2017年/フランス/グリーンランド語、デンマーク語/94分/カラー/5.1ch/1:2.39/字幕翻訳:伊勢田京子
配給:ザジフィルムズ
© 2018 Geko Films and France 3 Cinema