アカデミー賞®3部門ノミネートの傑作サスペンスアクション『ボーダーライン』の続編、『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』の公開を直前に控え一般試写会上映後にトークイベントが行われました。
一般試写会が行われ会場の興奮冷めやらぬ中、メキシコ麻薬カルテルや世界中のスラムなど 独自の視点で取材を続け、TV 番組「クレイジージャーニー」(TBS)に出演し、人気を博すジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんと掟破りの映画雑誌「映画秘宝」に欠かせないフリーライターギンティ小林氏が登壇し、メキシコでの現地取材 の実体験を交えながら熱く濃厚なトークが繰り広げられた。 日程:11月7日(水) |
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前作にあたる『ボーダーライン』のキャラクター、設定はそのままに新たな国境麻薬戦争の闇に切り込んだ『ボーダーライ ン:ソルジャーズ・デイ』。 ギンティさん:上映後だからもうネタバレ関係ないですもんね!まさかの予想を裏 切る展開多かったですね。3部作ということでこれは本当に早くその続きが観たいっていう。前作ではミステリアスだったアレハンドロ(デルトロ)のキャラクターにさらに深みがでていてそういうところが好きでしたね。 丸山さん:脚本や映画として見所は沢山ある中で、僕はこの映画に対して"現 実の写し鏡”というコメントをしました。リアリティがありすぎて逆に嘘っぽく思わ れるかもしれないですけど、不法移民が国境を越えようとするシーンの描写な んかは実際にとてもリアルです。カルテルにとって、ビジネスで今儲かるのは麻 薬ではなくて「人」なんだという現状についてもそうです。 劇中で描かれる不法移民問題から話題は、トランプ政権とアメリカ中間選挙、12 月に控える新メキシコ大統領の就任が麻薬カルテルに与える影響へ。
と語る。 日本とメキシコでは警察の採用方法が違い、訓練を受けたエリート警官がいる一方、地元採用の制服警官になると比較的基準が緩く、特に血縁などの繋がりが強いエリアでは汚職やカルテルとの癒着もそれに伴い増加している印象とのこ と。 丸山さん:映画でも従兄弟に誘われてカルテルの世界に足を踏み入れる少年が登場しますが、実際に中南米のマフィアの人 たちにその道に入ったきっかけを聞くと『従兄弟に誘われて』と、悪いことに誘うのはだいだい従兄弟なんです。そのあたり もリアルですね(笑)。 と分かりやすい解説に会場に笑いが起きる一幕も。 アレハンドロ役のベニチオ・デル・トロに『ボーダーライン』『~ソルジャーズ・デイ』と2作続けて 電話インタビューをしたギンティはその時のエピソードを披露。予告編でも使われている印象的な射撃シーンについて、デルトロ自らのアイデアでずっと温めていた案だったとのこと。 ギンティさん:デルトロ曰く『エレキギターを弾くようなかんじ。近距離の奴を撃つ時に使うんだ』って。iphone で 撮影して監督に見せたそうです。あのシーンでみんなハートを掴まれましたよね!あのストイッ クさと侍感、日本映画と共通するところがあるから聞いてみたら『頭の中では三船敏郎をイメ ージしている』そうです。でも『宮本武蔵』を知らなかったのでにわかファンかも。(笑)
ギンティさん:この映画でもう少し余韻に浸りたいと思ったら、テイラー・シェ リダン作品以外にもこの作品を撮ったステファノ・ソッリマ監督にも注 目です。イタリアの暗部、政治とマフィアの癒着など実話ベースの犯罪ドラマを得意とする監督です。この監督にもぜひ 注目してもらえればと思います。 それぞれの視点で見所を熱く語り、興奮冷めやらぬ中トークイベントを終えました。 |
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『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』 原題:Sicario: Day of the Soldado 公式サイト: 物語・・・ |
監督:ステファノ・ソッリマ(『暗黒街』)
脚本:テイラー・シェリダン(『ボーダーライン』『ウインド・リバー』)
出演:ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、イザベラ・モナー、ジェフリー・ドノヴァン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、キャサリン・キーナー
2018 年/アメリカ映画/上映時間 122 分
字幕翻訳:松浦美奈/PG12
配給:KADOKAWA 提供:ハピネット、KADOKAWA
公式サイト:border-line.jp
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