イランの名匠アスガー・ファルハディ監督最新作『セールスマン』が6月10日(土)より全国順次ロードショーとなり、公開を記念してイランから来日中の主演女優タラネ・アリドゥスティさんが登壇する初日舞台挨拶が行われました。 タラネ・アリドゥスティさんはトランプ米国大統領が発令したイスラム国家7ヵ国の入国制限に抗議し、アカデミー賞授賞式へのボイコットを表明したあの女優さんです。 『セールスマン』初日舞台挨拶 |
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タラネさん:今日からの公開を楽しみにしています! との挨拶からスタートしたイベント。トランプ大統領のイスラム国家7ヵ国の入国制限に抗議したことについて タラネさん:抗議した後は、沢山コメントいただいて、反対の意見もありますが喜んでくれた人も多く成功したと思います、入国制限令が出たときは、アメリカ人自身が声を上げているのだから、私たち当事者と世界とで運動を起こす必要がありました。結果、制限は解除されたので 成功したと思います。今の時代は、国籍とかカラーとか宗教とかで差別することには驚きと怒りを感じたと思うんです。 今回でアスガー・ファルハディ監督とタッグを組まれて4本目。どんな監督か聞かれて。 タラネさん:現場では厳しい監督です。私は、監督の期待が高いからで、それが私を成長させるのでその方が好きですね。 夫婦役のシャハブさんも前作で共演し、今イランでオンエア中のドラマでも夫婦役。 タラさん:彼との共演が多いのは、イランの中で彼はベスト男優なのです。シャハブは素晴らしいんですよね。それから自分とシャハブは気と演技が合うのか、組むと評価が高いのです。 |
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役作りに関して聞かれると タラさん:キャラクター自体と似ている部分が多いんですね。年もそうですし、舞台役者です。でも起こったことは経験している人はいないので、ネットで調べて、精神科の視点から勉強しました。暴行を受けた人たちの気持ちや周りの人たちの気持ちを読んで。プラス、監督とも話をして演技をしました。 監督は事前に多く話して、準備をするそうですが? タラさん:この映画の中で劇中劇があります。撮影に入る前にその舞台稽古をして、全部やったんですね。なぜそうしたかというと、役者たちの内面を近づけるため。準備時間を長くとるアプローチが監督のやり方で、使わないところも練習してるんです。 と、舞台版も日本でみられると面白いのにと思うコメント。 一本の映画の中で、2二人演じているようだとも思いますが。 タラさん:そうですね。演じることは大変ですので訓練しないとですよね。とくに今回は複雑だったので頑張りました。舞台中の自分は年を取っているし、そこは演技を頑張りました。 とかなり努力したことがうかがえます。次回作を聞くと、前述の朝ドラが忙しいそうで タラさん:今、ドラマの撮影中で、秋までは忙しいので、その先はまだわからないですね。 と話しイベントを締めました。 |
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タラネ・アリドゥスティ
1984年1月12日、イラン・テヘラン生まれ。ラスール・サドレアメリ監督作「私は15歳(I am Taraneh, 15 Years)」(02・未)で女優のキャリアをスタートし、ロカルノ国際映画祭にて主演女優賞を受賞。 他にベルリン国際映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したマニ・ハギギ監督作「Modest Reception」(12・未)などに出演する。 アスガー・ファルハディ監督とは「美しい都市」(04・未)、「火祭り」(06・未)、「彼女が消えた浜辺」(09)でも組んでおり、本作が4本目の出演作となる。またニコール・クラウス著書「ハウス・オブ・ラブ」とアリス・マンロー著書 「My Mother’s Dream」を英語からペルシャ語に翻訳するなど幅広く活躍している。 |
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『セールスマン』
6月10日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー ・第89回アカデミー賞外国語映画賞受賞 |
監督・脚本:アスガー・ファルハディ 『彼女が消えた浜辺』『別離』『ある過去の行方』
出演:シャハブ・ホセイニ/タラネ・アリドゥスティ
配給:スターサンズ/ドマ
2016/イラン・フランス/124分/ペルシャ語/ビスタ/原題:FORUSHANDE/字幕:齋藤敦子
公式サイト:www.thesalesman.jp
(C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016