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現地時間28日(日)の第70カンヌ国際映画祭の結果発表直前に公開初日を迎えた河瀨直美監督作『光』の初日舞台挨拶が新宿バルト9にて行われ、この日のためにカンヌから戻ったヒロインの水崎綾女さん、神野三鈴さん、藤竜也さんが登壇。そして音声ガイドのナレーションとして登場する樹木希林さんがサプライズで登場!
カンヌで結果発表を待つ河瀨直美監督と永瀬正敏さんの2人と、リアルタイムでやり取りを行い、日本とカンヌで映画公開をお祝いしました。 映画『光』初日舞台挨拶 |
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本作は視力を失いゆくカメラマン・雅哉(まさや)と、単調な日々を送っていた美佐子(みさこ)が、ある仕事をきっかけに出会い、最初は反発するものの次第に惹かれ合うという、河瀨(かわせ)監督が挑む珠玉のラブストーリー。雅哉がやがて見えなくなる事を知りながらも、互いの心を見つめようとする、切なくも希望を感じさせてくれる物語・・・
本作は視力を失いゆくカメラマン・雅哉(まさや)と、単調な日々を送っていた美佐子(みさこ)が、ある仕事をきっかけに出会い、最初は反発するものの次第に惹かれ合うという、河瀨(かわせ)監督が挑む珠玉のラブストーリー。雅哉がやがて見えなくなる事を知りながらも、互いの心を見つめようとする、切なくも希望を感じさせてくれる物語・・・
劇中映画の主人公であり、その映画の監督でもある北林役の藤竜也さんは
と、劇中劇が映画化されることが明かされました。 |
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カンヌ国際映画祭への参加のため、残念ながら初日舞台挨拶に参加できなかった河瀨直美監督、永瀬正敏さんの代わりに、音声ガイドのナレーションを務めた樹木希林が駆けつける樹木希林さん。![]() 登場するなり、本日の登壇に至る経緯を、河瀨監督の関西弁のモノマネを交えながら再現。 樹木さん:(監督風に)あのね〜河瀨直美なんやけど。カンヌのコンペに選ばれたんやて。でな、最後まで永瀬くんとカンヌにおりたいから、東京の舞台挨拶に行かれへんねん。それで代わりに行ってくれへん? と言われたそう。さらに樹木さんは 樹木さん:なんで私が行くんですか?よっぽどもの好きなおばあさんだと思われるでしょ。 と答えるも 樹木さん:(監督風に)でもな、『光』で(音声ガイドの)声やってるやろ?<樹木>あれはタダじゃないですか。これで最後だからと。もう困った時の樹木希林というのはナシよ。とお伝えしお断りしましたが、強引な宣伝部に言われて来ました! と、会場は爆笑完全に樹木さんペースに。 水崎さん:大丈夫です。喰らいついていきました! と回答する水崎さんに 樹木さん:それだけの値打ちはあったね。 と、頑張りをねぎらう樹木さん。 |
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タイトルの光にかけ、キャストが思う光とは?![]() 水崎さん:底にあるもの 心の底にある光。根底にある光。 ![]() 神野さん:すべての命 そこに光があると思います。 ![]() 樹木さん:闇 光は闇との裏表。 ![]() 藤さん:世界で一番美しい言葉。世界が不安定なので光が欲しいのでないかと。 |
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カンヌにいる河瀨監督と永瀬さんもSKYPEで登場に大拍手が沸き起こり
藤さん:永瀬さん、元気?飲んでる?直美さん、明日(受賞式)ですね。永瀬さんもそうですけど、もういっぺん上映後に見せたときより、さらに大きな涙と笑顔をもう1回みられることを期待しています。 樹木さん:確かにね、コンペに登場するわけだから、カンヌの賞はいただければ、そんな幸せなことはないんでしょうけど。何か作っている時はすごく綺麗な心を持って作るんですけど、脚光を浴びた瞬間に人の心は一変するんですよ。変わることによって潰れる人もいるし、花開く人もいる。その人の器量なのよね。永瀬さんはまあ大丈夫ね。河瀬さんはもともとちょっとね、勘違いしているところがありますから(笑)。どの女優よりも、素敵な洋服着てね(笑)そのへこたれなさがあれば、大丈夫ね。これからもいい映画を作ってもらえれば。私は賞はどっちでもいいと思っています。 と、希林さん節で会場を沸かせると、監督はカンヌでの体験を披露 河瀬監督:街を歩いていても、「すごくよかったです」「すごくあたたかい気持ちになりました」「私のパルムよ」と言って頂けることがあって。映画を観終わった人たちと一体感になれる瞬間、それがすごく嬉しくて。映画っていうのは一体感なんですよ。人と人が繋がっていく瞬間の出会いを作ってくれるものであって、エンタテインメントの要素もあるけど、生きる上での力になる要素もあって。カンヌであの瞬間を迎えた時にそう感じました。樹木さんに「賞が問題じゃないんだよ」と言って頂けることによって、すごくぐっとくるものがあります。私たち映画人はその思いを繋ぎながら、日本人としても自分としても真摯に映画を作り続けていく先に、『光』があるんだなって実感できました。 樹木さん:河瀨さんはなんでこんなにカンヌに可愛わいがられるのかしら? と質問すると 監督:映画を好きな人がいます、カンヌの中には。その人たちが、私がまっすぐに映画を作っていることを大事にしてくれる。自分たちがみたことのない日本の風景とか心模様を抱きしめようとしてくれる。デコボコしている作品でも、その先を見つけようとしてくれている。 樹木さん:永瀬さん、今回の手応えはどうですか? 永瀬さん:樹木さん、今日もノーギャラでありがとうございます(笑)。できれば毎回共演させて頂きたいと思っています。上映の後、インターナショナルの取材がいきなりものすごい増えて。「すべての人々に対してのラブレターだ」とスペインの記者に言って頂いたり。人種は違うんだけど、皆さん理解されていて。希林さんにも、皆さんにも直接言葉を聞いて頂きたかったくらいあたたかい言葉を沢山頂いています。 樹木さん:希林さんはいいのよ。音声ガイドの声しかやっていないので。 永瀬さん:希林さんの声で「雅哉」は救われて、『光』に連れて行ってもらったので、感謝です。 樹木:うまいこと言うわね〜。この手でぜひ、再婚をよろしく! |
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![]() 最後にカンヌから 監督:インターナショナルの取材も60媒体以上受けたんですけど。皆さん映画を愛していると思うんですね。映画ってなんだろうって、光ってなんだろうって思います。カンヌの一番メインの会場が、ルミエールっていう「光」という名前がついているですけど、長い歴史のあるこの映画祭が人類を救うのかなって、大きなことを言っているようなんですけど、実は身近なところで、映画を愛して、それを見た人たちも心を豊かにしていることがとても素晴らしいことなんだなって思います。カンヌは人を他の世界に連れて行ってしまうようなところだけど、常に色んな変化がある。カンヌは留まっているわけではなく、いつも進化している。その映画祭のコンペティションの19本に選ばれて、今この瞬間にここにいることがすごく嬉しいですし、映画をまた好きになったな、と思いました。『光』を届けようとしてくれるすべての人たちに感謝しています。 永瀬さん:監督は本当に今回ご苦労なさいました。撮影に入る前、撮影の寸前も。でも、そういうところを人にあまり見せないで映画を作って、しかも僕をカンヌに連れてきてくれました。本当に感謝です。僕も、「役者ってなんだ。人ってなんだ」を学ばせて頂いた現場でした。みなさんに『光』が届きますように! カンヌ現地での冷めやらぬ熱気が伝わって来た初日舞台挨拶となりました。 現地時間28日(日)第70カンヌ国際映画祭の結果発表に・・・果たして、
5月27日(土)、新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開です。 物語・・・ 公式サイト: |
監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏 水崎綾女 神野三鈴 小市慢太郎 早織 大塚千弘/大西信満 堀内正美 白川和子/藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
宣伝協力:フリーストーン
2017年/ 日本・フランス・ドイツ合作/102分/ カラー
©2017 “RADIANCE”FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
©Kazuko Wakayama