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『インドシナ』(1992)で大女優カトリーヌ・ドヌーヴ、『王妃マルゴ』(1994)ではイザベル・アジャーニの相手役を務め、カルラ・ブルーニ(サルコジ前フランス大統領の妻)らと浮名を流した90年代のフランス映画界きってのフェロモン俳優だったヴァンサン・ペレーズの長編監督作3作目になる『ヒトラーへの285枚の葉書』。![]() フランスの美男俳優だと思われていたペレーズ監督ですが、本作と重なるルーツも製作過程で明らかになり、またドイツの美男俳優ダニエル・ブリュールがゲシュタポ役で出演しているのも話題です。 この度、ヒトラー政権に挑んだ平凡な夫婦を演じたイギリスの名優エマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンの緊迫感あふれるポスターが完成しました。 |
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『ヒトラーへの285枚の葉書』映画化まで
600ページを越す大著を、わずか4週間足らずで書き上げたハンス・ファラダの集大成とも言うべき原作「ベルリンに一人死す」がドイツで出版されたのは戦後すぐの1947年だが、ヴァンサン・ペレーズ監督は2007年にフランス語版が出版された際に初めて読み、その内容に感動し映画化へと動き出すが資金繰りに難航する。その後2010年にアメリカ、イギリスで英語版が発売されるやベストセラーとなり、状況が好転し、英語での映画製作が進みはじめる。 |
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本作と監督の類似性 ロシア戦線で亡くなった叔父とガス室送りになった叔父![]() 本作の製作過程で、母親がドイツ人であるペレーズ監督は『ヒトラーへの285枚の葉書』でのクヴァンゲル夫妻との共通点を知りました。それは、ロシア戦線で亡くなった17歳の叔父の存在。本作の主人公クヴァンゲル夫妻は、まだ若い一人息子をロシア戦線で失ったことで、戦争とヒトラーの政策に疑問を持ち、葉書にメッセージを書き、世間の人々へ訴えます。そして、ペレーズ監督のもう一人の叔父は戦時中精神病院に収容されており、後にガス室に送られ亡くなった。また監督の父親はスペイン人であり、祖父は25歳の時に、右翼政党ファランヘ党員に射殺されている。それらのことが重なり、本作の映画製作に使命を感じ長い年月をかけ完成させた。 ハリウッドでも活躍するドイツの美男俳優ダニエル・ブリュール、ゲシュタポ役で出演 |
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物語・・・
イギリスの名優が演じるナチス政権下での平凡な夫婦の抵抗と愛。 『ヒトラーへの285枚の葉書』 英題:Alone in Berlin 7月8日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次公開です。 |
監督:ヴァンサン・ペレーズ『インドシナ』『王妃マルゴ』出演/『天使の肌』監督
出演:エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・パーシュブラント、モニーク・ショメット
2016年/独・仏・英/英語/103分/シネスコ/5.1ch
日本語字幕:吉川美奈子
原作:『ベルリンに一人死す』(みすず書房)
後援:ドイツ連邦共和国大使館
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
© X Filme Creative Pool GmbH / Master Movies / Alone in Berlin Ltd / Pathé Production / Buffalo Films 2016