イタリア映画祭 2017 公開ラインナップ
<日本未公開最新作>
・『告解』(監督:ロベルト・アンドー)
Le confessioni(Roberto Andò) 2016,100min
『ローマに消えた男』に続いてアンドー監督が名優トニ・セルウィッロを再び主演に迎えたミステリアスなドラマ。ダニエル・オートゥイユ、コニー・ニールセン、マリ=ジョゼ・ク ローズ、モーリッツ・ブライフトロイら国際色に富んだ豪華な面々が脇を固める。G8の財務相会合が行われているホテルである朝、国際通貨基金の重要人物が亡くなっ ているのが発見される。その前夜に、修道士と密会していたことが明らかになるが、修道士はその内容について沈黙を守り続ける。
・『花咲く恋』(監督:クラウディオ・ジョヴァンネージ)
Fiore(Claudio Giovannesi) 2016,109min
1978年生まれのジョバンネージ監督の3作目は、刑務所を舞台にした若者のラブストーリー。17歳の少女ダフネは、スマートフォンを強盗しては小銭を稼いでいたが、 とうとう警察に捕まり、刑務所に収容される。男女別々に収容された刑務所で、ダフネは偶然知り合ったジョシュに初めて恋心を抱き、鉄格子越しの恋が始まる。ヴァレリ オ・マスタンドレアなど数人を除いては、多くの素人俳優を起用してリアリティーを追求した本作は、カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されて好評を博した。
・『幸せな時はもうすぐやって来る』(監督:アレッサンドロ・コモディン)
I tempi felici verranno presto(Alessandro Comodin) 2016,100min
1982年生まれの新鋭コモディン監督の劇映画デビュー作は、カンヌ国際映画祭の批評家週間で特別上映された衝撃作。何かから逃げるかのように森の奥深くに分け 入るトンマーゾとアルトゥーロは、飢えをしのぐために食べ物を探し求める。時代は変わって数十年後、白い雌鹿に求愛するが、逃げられて怒りに狂う狼の伝説が流布し ているにもかかわらず、若い女性が森に入っていく。謎めいたストーリーを軸に光と闇が交錯する自然の中、研ぎ澄まされた映像と音響で人間の営みがとらえられる。
・『かけがえのない数日』(監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ)
Questi Giorni(Giuseppe Piccioni) 2016,120min
『ローマの教室で~我らの佳き日々~』『もうひとつの世界』などで心の機微を絶妙にすくい取る腕前を披露したピッチョーニ監督の新作は、仲良し女子4人組の数日のロ ードムービー。カテリーナがセルビア・ヘオグラートのホテルで働くことになり、リリアーナ、アンナ、アンジェラも車で同行する。その旅路での新たな出会いやそれぞれが 抱える問題が、4 人の友情を時には壊し、時には強固にする。ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。
・『切り離せないふたり』(監督:エドアルド・デ・アンジェリス)
Indivisibili(Edoardo De Angelis) 2016,104min 1978年生まれのデ・アンジェリス監督の3作目。18歳になろうとしている結合性双生児の姉妹デジーとヴィオラは、美しい歌声で息の合った歌を結婚式などで披露して、 家族のために生計を立てていた。けれども、ショーを見た医師から手術によって二人は別々になれると言われ、安定していた関係が揺らぎ始める。主人公の設定は大胆 だが、ストーリーの根底にあるテーマは普遍的な本作は、ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に出品され、Pasinetti Prize 最優秀作品賞を受賞した。
・『ピューマ』(監督:ロアン・ジョンソン)
Piuma(Roan Johnson) 2016,98min
ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選ばれたロアン・ジョンソン監督の第3作は、予期せぬ事態に右往左往しながらも奮闘するティーンエージャーが主人公の 喜劇。フェッロとカテは、他の同世代とたいした違いはない普通の18歳のカップルだった。だが高校卒業を間近に控えた矢先に、妊娠が発覚。産むことを決意する二人 だが、それぞれの両親の生活環境や考えの違いをはじめ、問題は山積。はたして嵐のような9ヶ月間を二人は無事、乗り越えられるだろうか?
・『ジュリアの世界』(監督:マルコ・ダニエリ)
La ragazza del mondo(Marco Danieli) 2016,104min
ダニエリ監督のデビュー作は、全く異なる世界に生きる男女のラブストーリー。厳しい戒律を持つ宗教を信仰する家庭で育った高校生のジュリアは、布教活動中に刑務 所から出所したばかりのリベロに出会う。立ち直らせるために仕事を提供したことをきっかけに、確固としたジュリアの世界が揺らぎ始める。本作はヴェネチア国際映画 祭ヴェニス・デイズ部門に出品され、主演のサラ・セッラヨッコとミケーレ・リオンディーノに Pasinetti Prize 最優秀女優賞、男優賞がそれぞれ授与された。
・『愛のために戦地へ』(監督:ピエルフランチェスコ・ディリベルト)
In guerra per amore(Pierancesco Diliberto) 2016,99min
デビュー作『マフィアは夏にしか殺らない』が興行、批評の両面で成功を収めたディリベルト監督の2作目は、史実とアイロニーが絶妙に盛り込まれたロマンチック・コメデ ィー。戦時中の1943年ニューヨーク。レストランで働くシチリア移民のアルトゥーロは、オーナーの姪フローラと相思相愛だが、フローラにが許婚がいた。アルトゥーロは、 シチリアに住むフローラの父から結婚の賛成を得るために米軍に入隊。シチリアに赴任するが、のさばっているマフィアから命を狙われることになる。
・『どうってことないさ』(監督:エドアルド・レオ)
Che vuoi che sia(Edoardo Leo) 2016,105min ヒット作の出演が相次ぐスター俳優の一方で、『俺たちとジュリア』など監督としても活躍するエドアルド・レオが主演も兼ねる喜劇。旬な仕組みを題材にしたエンターテイ ンメントで、ネット世界や社会問題への考察も巧みに盛り込まれている。フリーランスのクラウディオは、新ビジネスのためにクラウドファンディングで資金を調達しようとす るが集まらない。ある夜、酔っ払ったクラウディオと妻アンナは、資金が集まったら二人のセックス動画をネット上で公開すると約束してしまう。
・『いつだってやめられる―マスタークラス』(監督:シドニー・シビリア)
Smetto quando voglio- Masterclass(Sydney Sibilia) 2017,118min
イタリア版「ブレイキング・バッド」とも称された前作『いつだってやめられる』がスマッシュヒット。それを受けて、物語もアクションシーンもスケールアップした続編が作られ、 またもやヒット。前作に続いて素人ギャングだった7人が登場。前作では警察から追われる立場だったが、今度は警部から新しいドラッグの蔓延を防ぐよう秘密裏に要請 される。困難なミッションを遂行するために、教会法、解剖学、メカロトロニクスの専門家も加えた10人の集団で、新たな敵に立ち向かう。
・『君が望むものはすべて』(監督:フランチェスコ・ブルーニ)
Tutto quello che vuoi(Francesco Bruni) 2017,101min
パオロ・ウィルズィ監督作品などで脚本家として活躍しつつ、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を受賞した『ブルーノのしあわせガイド』で監督デビューを飾ったブルーニの3作 目。オフビートなノリを基調にユーモアで包みながら、青年と老人の心の交流を温かく描く。アレッサンドロはローマ・トラステヴェレ生まれの22歳。仲間とつるんで無為な 日々を過ごしていた。ひょんなことから85歳になる詩人ジョルジョを散歩に連れ出す仕事をすることになり、それが青年の人生を変えていく。
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