映画情報どっとこむ TJ 60代を迎えてもなお、「まだ途中だ。なにひとつ終わっていない」とあがく二人の男(伊藤洋三郎、佐野和宏)の友情を軸に、その妻(寺島しのぶ)と、二人の前に突然現れてその三角関係に波紋を投げかける若い女(趣里)を描いた、詩人や映画評論家としても活躍する福間健二監督の最新作『秋の理由』。

10月29日に公開初日を迎え、伊藤洋三郎さん、佐野和宏さん、趣里さん、安藤朋子さん、木村文洋さん、吉野晶さん、小原早織さん、正木佐和さん、安部智凛さん、福間健二監督が登壇する初日舞台あいさつが行われました。なお、残念ながら撮影中のため寺島しのぶさんは欠席でした。
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『秋の理由』初日舞台挨拶
日付:10月29日(土)
場所:新宿・K’s cinema
登壇:伊藤洋三郎、佐野和宏、趣里、安藤朋子、木村文洋、小原早織、正木佐和、安部智凛、福間健二監督

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福間監督:『秋の理由』スタッフキャストに恵まれて思い通りの映画ができたなと思っています。

と第一声。

伊藤さん:一期一会。来ていただいた皆様が幸せになりますように。この映画は観る人によって、観る角度によって全然違うのが一つの魅力だと思う
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と挨拶、咽頭癌で声を失った佐野さんは筆談を伊藤さんが代読!
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佐野さん:代読:役になりきって声が出なくなってしまいました(笑)

と、笑いをとります。

趣里さん:去年、素敵な皆さんと一日素敵に過ごした日々がこうして初日を迎えられて嬉しく思っています。
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安藤さん:演劇を主でやっていますが、映画初デビューです。緊張して演じましたが楽しませていただきました。
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木村さん:学生からベテランカメラマンまで、自立した緊張感があって不思議な現場でした。
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小原さん:2作前から福間監督の作品に出させていただいていて、沢山の方がかかわってこのような作品が出来上がってとてもうれしく感じています。
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正木さん:見どころは・・・こちらにいらっしゃる佐野和宏さん、木村文洋監督を始め、色んな映画監督たち(瀬々敬久監督、佐藤寿保監督、サトウトシキ監督、いまおかしんじ監督)が出演しているので、ぜひ発見してください。
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安部さん:マスコミさん向けのネタを・・準備していません(笑)・・でも、どうぞよろしくお願いします!
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と一言挨拶。

映画情報どっとこむ TJ 伊藤洋三郎、佐野和宏、寺島しのぶと本作で初めてご一緒して監督は

福間監督:伊藤さんは、“今一番撮りたい男の顔”という感じでキャスティングしたので、顔を撮りに行ったのだけれど、手がきれいなんで、手に注目してください。伊藤さんだけじゃなく、みんな手がいい。佐野和宏さんとは長い付き合いだけれど、監督もされていて、芝居もうまいので、毎日驚かされ、助けられました。“佐野アイデア”でやればいけるな、というの多かったです。作家は書けない時や悩んでいる時、何かを拭いているなと思って、脚本には『雑巾がけ』と書いたのだけれど、佐野さんが『裸でやりたい』と言ってきた。そうなると、監督の仕事は、佐野さんが衣装合わせに持ってきた自前のパンツ3枚の内、どれにしようかと決めること。(会場笑い)どんなパンツを選んだか、見てください。

と答え、会場は笑いに包まれました。また、寺島さん、趣里さんに関して、

福間監督:集中力がすごい。寺島さんに思いっきりやってもらっているところを見てください。趣里ちゃんは何の心配もなくて。駄目だししたら台本に書いてありますって!さすがだなと・・

と、監督が言うとすかさず佐野さん筆談で

佐野さん:その若さで口答え!?

趣里さん:いやいやいや。そんな・・そんな感じじゃないです。

と一番若い趣里さんをいじって会場を温めます。

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趣里さん:みなさん素敵な方々で、最後には家族のようでした。監督の力だと思います。切ない秋でしたが心は温かかったですね。

伊藤さんについて聞かれると・・・

趣里さん:紳士でお若い。(撮影当時)60歳というのが信じられないですよね。楽しかったです。素敵です。

と言われた伊藤さんは

伊藤さん:ちゃんといい家庭で育っているから、ちゃんと褒めてくれてありがとうございます。

とかなり恥ずかしそう。
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続けて

伊藤さん:趣里ちゃんに、『趣里ちゃんのお父さん(水谷豊)は僕のことを知っている』という話をして、『何か言ってた?』と聞いたら、『あいつ、いい奴だよ』って言ってたとのことだったので、良かったと思った

というエピソードを語りました。

映画情報どっとこむ TJ 佐野さんは寺島とのエピソードとして、

佐野さん:ほとんど現場でしか会っていなかったのに、仲の悪い夫婦がよくできたなと思う。

と回答し、会場の笑いを誘った。

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監督は、映画『海炭市叙景』、『そこのみにて光輝く』、『オーバー・フェンス』などの原作者で、41歳で自ら命を絶った作家の佐藤泰志さんと親友で、本作には佐藤さんへの想いが詰まっている。

監督:作家の話をやるかどうか、佐藤泰志についての想いがあるので、どうしようかと思った時期もあった。『男同士の友情の話はやりたい、やれるな』と思い、『それなら“編集者と作家”』という風になっていったんですけれど、佐野和宏にその作家をやってもらうことで、彼もここまで色々なことがあったでしょうし、僕は僕で詩や映画をやっていますけれど、いつもどうしていいかわからないという状態なので、それをやるとどうしても佐藤泰志に引きずられていく。けれど佐藤泰志は亡くなった。でもこの映画では、佐野和宏を通して“生きている”という意味を確かめたかった。

と話しました。

最後に

監督:88分、250カットあるんですけれど、1カットずつ本当に心を込めて作りました。K’s cinemaは画も音もすごくいいので、画と音をぜひ味わってください。映画は闇と光だということを体験してもらえたらと思います。

と観客にメッセージを送りイベントは終了!

映画情報どっとこむ TJ 新宿K’sシネマにて上映中(~11/18)他、順次公開です。

秋の理由_チラシ土浦セントラスシネマズ(11/5~11/18)
岡山メルパ(11/12~11/25)
萩ツインシネマ(11/12~)
中州大洋劇場(11/12~11/18~)
ニュー八王子シネマ(11/19~12/2)
シネマルナティック(11/19~11/25)
桜井薬局セントラルホール(11/28~12/9)
横浜シネマジャック&ベティ(12/3~)
ガーデンズシネマ(12/10、12/11)
第七藝術劇場(12/17~)
京都みなみ会館(12/17~12/23)
元町映画館(12/17~12/23)など

物語・・・
宮本守(伊藤洋三郎)は、本の編集者で、小さな出版社「黙示書房」を経営しているが、経営は苦しく、事務所をたたむことになる。宮本の友人・村岡正夫(佐野和宏)は作家だが、代表作『秋の理由』以降、もう何年も小説を発表していない。精神的な不調から声が出なくなり、筆談器を使っている。宮本は村岡の才能を信じ、彼の新作を出したいと思っている。
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そして実は、村岡の妻・美咲(寺島しのぶ)が好きなのである。ある日、宮本と村岡の前に『秋の理由』を何回も読んだというミク(趣里)が現れる。ミクは『秋の理由』のヒロインに似ていて、まるで村岡の言葉から生まれたかのような存在である。ミクと過ごす時間の中で、宮本は美咲への思いをはっきりと自覚するが、美咲はそれを受け入れてくれない。けれど、美咲と村岡の関係は険悪になる。
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村岡は、正気と狂気の間を揺れ動き、難民的な男女の群れの中に自分がいる夢をよく見る。村岡は自分のそばに宮本がいることを苦痛に感じ、宮本にそれを言ってしまう。すると、宮本は怒りを爆発させる。村岡に、自分に、そしてこの世界のあり方に。
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公式サイト:akinoriyuu.com/ 
公式Twitter:@toughmama

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出演:伊藤洋三郎・佐野和宏・趣里・寺島しのぶほか
監督:福間健二 
脚本:福間健二・高田亮 
プロデューサー:福間恵子・小林良二 
撮影:鈴木一博 
録音・音響:小川武 
編集:秦岳志 
音楽:清岡秀哉

宣伝・配給:渋谷プロダクション 
製作:「秋の理由」製作委員会(tough mama 渋谷プロダクション)
2016年/DCP/5.1ch/日本/16:9/88分
(c)「秋の理由」製作委員会
   

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