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向井秀徳「ほどばしってんだよ!」、新井英樹「体温上がりっぱなし」
真利子哲也監督、満を持しての商業映画デビュー作『ディストラクション・ベイビーズ』。 若者の狂気と欲望を圧倒的な強度と密度で描き、昨今の日本映画の枠には収まりきらないパワーを持つ本作。5月21日の公開を前に、真利子哲也監督、ZAZENBOYSの向井秀徳、漫画家の新井英樹が登壇して、スペシャル・トークショーが開催されました。 ディストラクション・ベイビーズ公開記念 |
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真利子哲也監督は10代の頃から好きで尊敬している向井秀徳と新井英樹に挟まれ
監督:感謝と恐怖を感じている。 という挨拶でスタート。 向井さんに音楽を依頼した経緯について 監督:向井さんの音楽は自分が通ってきた道。絶対に間違いはないとわかっていました。 そのオファーを受けた際 向井さん:もともと真利子監督の前作は観ていて共感していた。次作るときは呼んでと“約束”(主題歌のタイトル)していて、即答しました。 という。監督に「暴れん坊の映画」だと言われた向井はシナリオを読んでその日に 向井さん:バタバタバタ、シャキーン、パラーン、チリーンって衝動的に突発的に作ったら、そのまま使われた。 と驚きのエピソードを披露。 監督:冒頭の2曲がそれです。 |
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本作の感想を聞かれ・・
新井さん:何よりもここまで説明しないで暴力やるんだっていうので、観ているあいだ中ずっと笑うのと体温上がりっぱなしっていうのを経験させてくれた!冒頭で泰良が街でケンカをして、のされて路上をのたうち回るシーンでやけに体温が上がる。なんだろうって感覚があって。あとは映画化不可能って言われている自分が書いた漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の登場人物トシ、モン、マリアがまんまここにいるって感じが個人的に凄いあって、それがかなり嬉しいです。 監督:何も言えないです。観ていただいただけで恐縮です。 と監督もタジタジ。向井自身も新井の漫画には多大な影響を受けたようで 向井さん:漫画も映画も音楽もそれぞれ全然違うものだけど、表現するものとしてほどばしるものを感じるか感じないかだけなんですね。この2人にはあるし、私もそうありたいと思っている。そういう意味ですごく共感しているんですね。ほどばしってんだよ!飛び散ってるんだよ! と、語り |
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新井さん:主人公・泰良の喜びみたいなもの、暴力、ケンカするっていうのは、普通なら何か理由があっての暴力になるから、例えば悔しいとかいろんな感情が湧くはずなのに、純粋にその暴力っていうのが嬉しい楽しいっていうのでしか生きてる喜びを感じられないような主人公だから、こんな表現を(漫画とちがって)音も使って動く絵面でできるっていうのが凄くうらやましくって。だから一番最初に(監督に会って)言ったのが、やり残してることをやってますこの映画。
と漫画ではできない映画だからこそ表現できた泰良の魅力に言及。さらに 新井さん:暴力っていうのが唯一、どんなに言葉で飾ってもほんとはどういうことっていう確認できる行為だと思う。だからこの映画に関しては、理屈とかっていうところではないんだよな。 監督:人間に必要とは言わないけれど暴力とは無くならないもの。というところで向き合いたいなと思いました。 と本作に込めた思いを語った。泰良について 向井さん:全然共感するところがない。というかこの映画のすべての登場人物に感情移入できない。ここまで感情移入できない映画ってないです。でもその先におぼろげに見えてくるものがあるのかもしれないなというムードをヒリヒリと感じる。 と向井節。 |
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トークも盛り上がってきたところで、向井による劇中歌「ハートブレイク」と主題歌「約束」の生演奏が始まると、会場はピリっとした雰囲気に。「約束」の演奏が終わった瞬間に割れんばかりの拍手が会場を包んだ。
向井さん:この映画に音楽として参加できてとても幸せです。 新井さん:ほんとこの映画大好きなんで口コミで広めてください。 真利子監督:ほんとにやりたいことを、やりたい人と作れて、こんな幸せなことはない。5月21日の公開が楽しみです。宜しくお願いします。 と話し、トークイベントは幕を終了しました。 新鋭監督×実力派若手俳優による今年1番の衝撃作 『ディストラクション・ベイビーズ』 2016年5月21日 テアトル新宿ほか全国公開! |
映画『ディストラクション・ベイビーズ』
監督・脚本:真利子哲也
脚本:喜安浩平
柳楽優弥 菅田将暉 小松菜奈 村上虹郎 池松壮亮 北村匠海 三浦誠己 でんでん
©2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会