第40回トロント国際映画祭 最優秀アジア映画賞受賞/第16回東京フィルメックス オープニング作品
構想25年を経て結実したモノクロームのSF作品である監督最新作『ひそひそ星』が、5月14日より新宿シネマカリテほかにてロードショーとなります。 本作は、鬼才自ら2013年に設立したシオンプロダクションの第一回制作作品。園子温が20代の時に書き留めていたオリジナルの物語が、“いま”を映す映画として、満を持して産声を上げました。 |
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主人公はアンドロイド・鈴木洋子“マシンナンバー722”は、昭和風のレトロな内装の宇宙船レンタルナンバーZに乗りこみ、滅びゆく絶滅種と認定されている人間たちに日用品などの荷物を届けるために、宇宙を何年も旅をしている。演じるのは園監督の伴侶である女優・神楽坂恵。そのアンドロイド・鈴木洋子が劇中何度もするのが“くしゃみ”だが、それに着目するのは鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)と谷川俊太郎(詩人)。本来ならこうした“人間的”な所作をしないアンドロイドがあえてそれをする理由とは――? 構想25年を経て結実したモノクロームのSF作品として、美しく描きだしています。 公式HP:hisohisoboshi.jp |
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『ひそひそ星』に寄せられた絶賛コメント一覧(五十音順)
美しい、というのは普通には憚られる、福島の無人になった被災地を、馬鹿っぽいくらい大袈裟なSF的設定によるロケ地にした、この捩れを、重く受け止めました。 アンドロイドも宇宙船もサイエンスフィクションだが、そこに映っている福島の風景だけはノンフィクションである。五感に染み渡る美しく残酷な映画だ。 初めて観たとき鳥肌が立った。何気ない時間がゆっくりと進むのに、ひと時も目が離せなかった。もしかして全ての日本映画を代表するような作品を目の当たりにしてしまっているのではと興奮したが、今になってその推測は自分の中では確信になっている。本当に凄い。園さんの底なしの表現への誠意と欲望に感動したし、何よりも「SF」であるにも関わらず、些細な生活音から荒れた福島の風景、登場する人々の仕草にいたるまで、そのあまりの「リアル」に驚いたのだ。人間が生活を営むささやかさと、現実が孕んでしまったスペクタクルの恐るべき共存。それはこの世界ではごく当たり前のことだけど、人類はいつもそれを切り離して政治的な物語を歩もうとする。 語るものではない。観て、感じるものだ! 今作の最大のテーマ”福島”についての園さんの思いが伝わりました。物語は宇宙船に乗って様々な星に郵便物を届けると言う設定で全編モノクロと言うかなりSFっぽい部分があるのですが、福島で撮影したシーンになったら急にカラーに変わり、その瞬間に”これは映画ではなく現実だ”と感じさせられます。 ひそひそ声は 「おはよう」と声をかけて「さよなら」と別れる。そのあいだで煌めくものは何もおこらない、劇的な日常だった。ぼくらには記憶がある。 「忘れないで。」「覚えているよ。」福島を撮り続ける監督の思いは時空をこえて、 クシャミをするのは男ではなくて女。 二十億光年の孤独にアンドロイドもくしゃみをする 『ひそひそ星』は科学ですらも永遠ではないという究極のSF映画だ。園子温は詩的創造力でこの映画の原型をイメージした。それから30年近い時間が経ち、文明が寂しく終わるビジョンがリアルになった。大声で世の終わりを叫ぶのではなく、ささやくようにアンドロイドがノーフューチャーの宇宙を旅する。とても静かなパンク。 人類の終焉に思い出の品を届けるアンドロイド。 10年前、「紀子の食卓」「気球クラブ、その後」を観た時の衝撃が蘇った。あの頃よりもっと自由に作られているというエネルギー感と、そして洗練された技巧。タルコフスキーっぽさは表層的なもので、本作は近年公開された中で最も進化し洗練された園子温作品だ。 正反対の要素が混在する映像 |
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最新作『ひそひそ星』
5月14日(土) 新宿シネマカリテにてロードショー 大島新監督ドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』と同時ロードショーです。 /td> |
監督・脚本・プロデュース:園子温
プロデューサー:鈴木剛、園いづみ
企画・制作:シオンプロダクション
出演:神楽坂恵、遠藤賢司、池田優斗、森康子、福島県双葉郡浪江町の皆様、福島県双葉郡富岡町の皆様、福島県南相馬市の皆様
撮影:山本英夫 照明:小野晃
美術:清水剛 整音:小宮元
編集:伊藤潤一 衣装:澤田石和寛
制作:山内遊 助監督:綾部真弥
キャスティング:杉山麻衣
ラインプロデューサー:船木光
配給:日活 宣伝:ミラクルヴォイス
© SION PRODUCTION 2016/日本/モノクロ(パートカラー)/ビスタ/100分