ドイツを舞台に行方の分からなくなった母親を探して街を昼夜奔走する3日間の物語。
シリアスな現実を目の当たりにし、傷つきながらも少しずつ逞しくなってゆく少年の心の機微を繊細に描きます。子供はこうして大人の知らない間に大人から色々なことを学び、知恵をつけて大人になってゆく。 母親を探す冒険と成長の果てにジャックが下した意外な決断は、毅然としていて見るものすべての胸を打つ。 そんな『ぼくらの家路』エドワード・ベルガ―監督 オフィシャルインタビューが到着しました! |
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Q:この映画はどんなきっかけで作られたんですか?
エドワード・ベルガ―:5年前、私は牧草地で息子とサッカーをして遊んでいました。すると、一人の少年がたまたま通りを横切って歩いていたんです。彼は手を振り、息子も「やあ、ジャック!」と手を振って返しました。それからその少年は楽しそうに歩き続けたんです。彼のスクールバッグが背中で跳ねていて・・・。それは夏の日曜日の午後のことでした。 Q:脚本について教えてください。 ベルガ―:ネル・ ミュラー=ストフェンと私で、この脚本を一緒に書いています。最初は物語の大まかな輪郭を、それから個々のシーンや会話を書いていきました。日々の仕事の合間をぬって、私達は一緒にシーンを組み立て、どちらかが別の部屋に行って、それらを入念に作り込んでいきました。そしてもう一人はそれをバラバラにし、改めて書き直していく。それは私達の物語の原点である“母親を探す少年の無条件の愛についてのシンプルで、明確な物語”を忘れないためのとても重要な作業だったんです。 Q:キャスティングについて教えてください。 ベルガ―:この映画の主演俳優はどのショットにも出演することになると私達は確信していました。この映画は、その少年の顔が舞台となるだろうと。従って、一人で自分の肩にこの映画を背負って立てる、素晴らしい10歳の少年が必要だったんです。そして、私達は未経験の少年を望みました。映画撮影のプロセスをまだ習得していない少年。そして純粋さをもって自分の仕事に向かっていける少年が必要だったんです。 Q:撮影時のエピソードを教えてください。 ベルガ―:子供たちを使った撮影は、法律で一日5時間に限られていたため、我々の撮影期間は全部で48日半かかりました。セットでの作業は、5時間があっという間に過ぎるため、非常に集中したものとなりました。ごまかしのない、計画されたシークエンスという我々のアイデアのために、一日に1~2テイクしか撮れないことがしばしば起こりました。しかも、たった2~3分の長さです。 Q:ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された感想は? ベルガ―:2014年1月7日、私達のプロデューサーの、ヤン・クルーガーと会合してからちょうど1年後のことでした。自分たちの思いと気合だけでこの映画を撮影した私達小さなチームにとって、それは大きなご褒美でした。 Q:日本で公開されるにあたりメッセージをお願いします。 ベルガ―:子供たちは、絶対に壊れることのない、人生と将来の信念を持っています。私は、その信念が彼らに凄い力を与えてくれているのだと思います。それは、生きていく過程で、我々大人が時として失って来たものです。私たちは、彼らから学ぶことができるのです。このような年月を経て、この映画が世界中を回り、日本で公開されるなんて本当に興奮しています。映画を楽しんで下さい! エドワード・ベルガー(監督/脚本)プロフィール 1970年、ヴォルフスブルクに生まれる。94年、ニューヨークにあるニューヨーク大学で映画監督法を学び、卒業。そののち、アメリカのインディペンデント映画製作会社グッド・マシンで初めて仕事に携わり、アン・リー監督やトッド・ヘインズ監督の映画などで経験を積んだ。97年よりベルリンに在住。監督としての初めての映画は、脚本を書いたのちに製作された『Gomez』(98)。ほかにも、TVシリーズ「KDD – Kriminaldauerdienst」の数エピソード(08)の脚本と監督を担当。12年の監督作「A GOOD SUMMER」はグリメ賞を受賞した。過去数年間は、ネル・ ミュラー=ストフェンとともに仕事をしている。本作は二人が書いた脚本に基づいて製作された。 |
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10歳と6歳の兄弟が母を捜す3日間の冒険と成長の物語。 兄のジャックが最後に下した、意外な決断とは──? 10歳のジャックは、6歳になる弟のマヌエルの世話で毎日大忙し。優しいけれど、まだ若いシングルマザーの母は、恋人との時間や夜遊びを優先していた。ところが、ある事件からジャックは施設に預けられることになる。 友達もできず、施設になじめないジャック。待ち続けた夏休みようやくが来るが、母から迎えが3日後になると電話が入る。がっかりしたジャックは、施設を飛び出す。夜通し歩き続けて家に着くが、母は不在でカギもない。携帯電話は留守番メッセージばかり。ジャックは母に伝言を残すと、預け先までマヌエルを迎えに行く。 仕事場、ナイトクラブ、昔の恋人の事務所まで、母を捜してベルリン中を駆け回る兄弟。小さな肩を寄せ合う二人は、再び母の腕の中に帰ることが出来るのか──?そしてラストにジャックの下した意外な決断とは――? 『ぼくらの家路』 9月19日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー 公式サイト:bokuranoieji.com |
監督 エドワード・ベルガー
脚本 エドワード・ベルガー& ネル・ ミュラー=ストフェン
製作 ヤン・クルーガー、レネ・ローマート
出演 イヴォ・ピッツカー、ゲオルグ・アームズ、ルイーズ・ヘイヤー、ネル・ ミュラー=ストフェン、ヴィンセント・レデツキ、ヤコブ・マッチェンツ
2013年/ドイツ/ビスタ/5.1ch/1時間43分/原題:JACK/PG12/日本語字幕:吉川美奈子
配給 ショウゲート
© PORT-AU-PRINCE Film & Kultur Produktion GmbH