 |
公開記念舞台挨拶
多くの受賞歴を持つアイスランドの映画監督・バルタザール・コルマウクル(『ザ・ディープ』(2012)、『エベレスト』(2015)、『ビースト』(2022)の最新作『TOUCH/タッチ』。
2024年5月にアイスランド、7月に北米などで公開され、世界中で高い評価を得ている本作が、物語の舞台の一つである日本でも満を持して、2025年1月24日(金)に公開しました。
2020年のクリストファーを演じたのはアイスランドの俳優でシンガーであるエギル・オラフソン、対して若き日のクリストファーはオーディションを経てコルマウクル監督の息子であるパルミ・コルマウクルが演じた。そして、クリストファーが学生時代を過ごす1969年のロンドンで出会う最愛の人・ミコ役にKōki,、ミコの父でありクリストファーが働く日本料理店を営む高橋には本木雅弘。さらに、2020年の日本でクリストファーが出会い酒を酌み交わすクタラギ役を中村雅俊、ミコを探す中でクリストファーが出会うハシモト役を柴田理恵が演じ、中村は劇中で歌も披露している。
この度、1月25日(土)に<ミコ役・Kōki,、高橋役・本木雅弘、クタラギ役・中村雅俊>の3人が映画の公開を記念した舞台挨拶に登壇しました。

公開記念舞台挨拶
日時:1月25日(土)
会場:TOHOシネマズ シャンテ
登壇:Kōki,、本木雅弘、中村雅俊
|
 |
Kōki,、本木雅弘、中村雅俊登壇
昨日、公開初日を迎えた本作。映画上映後、満員の観客の前に立ったKōki,、本木雅弘、中村雅俊は感激の表情。
昨年より全世界で公開されてきた本作だが、いよいよ日本での公開がスタート。そんな日本公開を迎えた喜びをかみ締めている様子のKōki,は「この映画はわたしにとって宝物のような存在。多くのことを学ばせていただいた作品なので、ようやく皆さんに観ていただくことができて、うれしく思います」と晴れやかな表情。

また海外に仕事に行った際にも現地のスタッフ陣から、映画を観たと伝えられることもあったといい、「物語のメッセージに感動したと、情熱的に伝えてくださったのが嬉しかったです」と述懐する。
本作の撮影は2022年から2023年にかけてアイスランド、イギリス、日本で行われた。その撮影で特に印象に残ったことについてKōki,は「スタッフの皆さんが愛情深く支えてくれて。家族のようなチームワークで撮影をしたんですが、そのチームの中心にいる監督がすごくやさしくて。みんなの意見を聞いてくださる方だったんで、監督の情熱に感動することが多かったですね」と述懐。そしてKōki,と一緒に海外での撮影に参加した本木も「今Kōki,さんがおっしゃった通り、本当に家庭的な雰囲気。アイスランドの方たちって本当に穏やかで、家庭的なんです。そしてすごく穏やかで働き者。そういう意味で日本人に近いところがあるのかもしれない」と感じたという。

一方、主人公・クリストファーが現代パートとなる2020年での日本に降り立った際に出会う久多良木を演じた中村。
劇中では「また逢う日まで」をカラオケで披露するシーンがあったが、「どの曲をやろうかと迷って。あの曲になったんですけど、そこにいくまでのプロセスがいろいろとありました。とにかく突然出てきて、クリストファーさんと意気投合して、お酒を飲んでカラオケをやって、というおじさんの役なので。楽しくやろうと臨みました」と明かすと、

本木も「あの曲もいいんですけど、僕ら世代としては(中村の代表作である)『ふれあい』を歌ってほしかった」と笑いながら付け加えた。
さらに本作のメガホンをとったバルタザール・コルマウクル監督の撮影スタイルで驚いたこととして、新宿のゴールデン街での撮影を挙げた中村。「酔っぱらいが多い中で撮影をしたんですけど、日本だとすみませんと言いながら、カメラに映らないようにお願いするんですけど、監督の場合、彼らがいたままで撮影するんですよ。怒られないかなと思いながらやっていました」と振り返るも、本木は「東京パートはこの映画の中でも臨場感が伝わってくる。とてもいいシーンでした」と感心した様子で付け加えた。
また本作のキャスティングディレクターであり、劇中でも俳優として出演している奈良橋陽子だが、実は中村とは学生時代の頃からの付き合いがあるのだとか。「大学3年生の時に、彼女が演出したオリジナルのミュージカルをやっていたので、僕もミュージカルナンバーをつくろうと思って彼女に披露したんですけど、すぐにノーと言われて。雅俊の曲は当時作っていたミュージカルには合わないと言われた。とにかく大学生の時で、彼女は演出家という出会いです」と笑いながら明かすと、「その時はまさかこういう職業に就くとは思ってなかったんですけど、彼女が俺には何かがあると言ってくれて。そう言ってくれたので、なんとなく役者になろうかなという気持ちになって。背中を押してくれた」とコメント。さらに「ことあるごとに『映画のオーディションを受けなさい』と言ってくれるんです。そして今回も『雅俊、チャレンジ!』と言われたんです。いい関係だと思います」と明かした。
主人公のミコたちがイギリスに移住した理由として、1945年に広島に投下された原爆をめぐる悲劇の背景がある。そんな中でも、クリストファーとミコの一生に一度の恋は、どんな状況にあっても人を思う気持ちは時と海を越えることができるということを明示しているが、そんな本作について「この映画には本当に大きなメッセージが組み込まれています。愛の力、人を想うこと、平和への希望。監督がおっしゃる通り、戦争は本当に多くの悲しみと苦しみを飲み込んでしまうものであり、それが遠い未来にまで及ぼしてしまうもの。それはけっして繰り返してはいけないという強いメッセージがあると思います」と語る。

続いて本木も「この作品にはそうした日本の歴史が抱えた傷が織り交ぜられています。そうした作品を異国の方が書いて、発信したということが大きいことだと思う」と語ると、「個人的に思うのは、傷つかない人生というのはないということ。人は多かれ少なかれ傷を抱えて生きていくものだし、その負った悲しみ、苦しみが糧となって生まれる希望というものもある。簡単に言えば人生はいつでもリセットできるんだ、という温かいメッセージ込められている映画だと思います」と呼びかけ。さらに中村が「世の中はまだどこかで戦争が起きていますし、核の問題もあります。そういう現実をこの映画をきっかけに考え直して、見つめ直していただけたら」と会場にメッセージを送った。
そして最後にKōki,が「この映画を観てくださった皆さまの心に何かが残るものがあればうれしいです」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
|
 |
『TOUCH/タッチ』
映画公式サイト:
https://touch-movie.com
x:
@touch_movie0124
かつて異国の地で出会い情熱的な恋に落ちた2人。
人生の終わりが見えた今だからこそ、あなたにもう一度会いたい。
50年の時と海を超え、壮大なスケールで一生に一度の恋を描くラブストーリー。


|
***********************************
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:エギル・オラフソン、Kōki,、パルミ・コルマウクル、本木雅弘、奈良橋陽子、ルース・シーン、中村雅俊 他
製作年:2024年
製作国:アイスランド、イギリス
言語:英語、日本語、アイスランド語 字幕翻訳:稲田嵯裕里 映倫区分:G
配給:パルコ ユニバーサル映画
Ⓒ 2024 RVK Studios
関連記事: