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『叫び』舞台挨拶レポ

 
監督ペドロ・マーティン=カレロ登壇「大学時代の夢が叶いました!」
スペイン発の注目ホラー映画『叫び』舞台挨拶レポート
 
第37回東京国際映画祭が開幕。
10月29日(火)には、同映画祭のワールド・フォーカス部門内で開催されている「第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF」にて注目のホラー映画『叫び』が上映され、終演後には監督のペドロ・マーティン=カレロと主演女優のマレーナ・ビージャが登壇した舞台挨拶が行われました。
『叫び』舞台挨拶
 

ホラー映画『叫び』舞台挨拶

第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF
日付:10月29日(火)
登壇:ペドロ・マーティン=カレロ監督、マレーナ・ビージャ

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ペドロ・マーティン=カレロ監督、マレーナ・ビージャ

本作は、何者かに追われる気配を感じ、何者かの恐ろしい叫び声を耳にした3人の女性が体験するおぞましい出来事を描くホラー。第35回東京国際映画祭で東京グランプリを含む3冠を受賞した『ザ・ビースト』(’22 ※劇場公開時のタイトルは『理想郷』)の脚本家イザベル・ペーニャが執筆し、第72回サン・セバスティアン国際映画祭では最優秀監督賞を受賞した。
 
マーティン=カレロは、映画を観終えたばかりの観客に「コンバンハ!」と日本語で挨拶。
『叫び』舞台挨拶
続けて「以前から日本の映画に感銘を受けてきたので、こうして日本に来ることができて嬉しいです」と喜んだ。ビージャも「日本に来るのは初めてですが、みなさん、とても親切で、温かく歓迎してくださり、感謝しています」と笑顔を見せた。
『叫び』舞台挨拶
イザベル・ペーニャとの共同脚本について、マーティン=カレロは「イザベルはスペインが誇る最高の脚本家ですが、実は彼女はマドリッドの大学で一緒に映画を学んだ友人です。当時から『いつかは一緒に撮りたいね』と話していたので今回、その夢が叶いました!」と感慨深げに語る。
 
ビージャが演じるのは、イザベルとマーティン=カレロ監督が、彼女の姿を見てキャラクターを大きく変更した“カミラ”という役柄。ビージャは「2年ほど前にオーディションを受けたのですが、私自身、ホラーはあまり好きじゃないので、あまり乗り気じゃなかったんです…」と苦笑交じりで語る。続けて「オーディションでは、俳優は物語の全体像は知らずに短いシーンだけを演じることが多いのですが、その短いシーンを読む限り、彼女はあまり良い行動はしてないなと感じたので、そういう部分を広げて、あまり好かれないキャラクターを意識して演じてみました。それを監督とイザベルが気に入り、わざわざ私のパーソナリティに合わせて役を書き換えてくれたんです。それが本当に素晴らしい出来で、すごく嬉しかった」と明かした。
『叫び』舞台挨拶
観客との質疑応答では、映画内の描写や監督の意図を問う質問が次々と飛び出すなど、深夜の時間帯の舞台挨拶にもかかわらず大きな盛り上がりを見せていました。
 
11月2日(土)には、アレックス・デ・ラ・イグレシア製作のゴシック・ホラー『ANATEMA』の上映後に、製作陣が登壇する舞台挨拶ティーチインを開催します(ご取材受付中)。「第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF」は、「第37回東京国際映画祭」のワールド・フォーカス部門内にて、11月6日(金)まで開催。
 

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「第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF」

 

上映6作品のご紹介

 
『孤独の午後』
(原題:Tardes de soledad/英題:Afternoons of Solitude)
125分/カラー/スペイン語/2024年/スペイン、フランス、ポルトガル
監督:アルベルト・セラ 出演:
アンドレス・ロカ・レイ、アントニオ・グティエレス、フランシスコ・デュラン
孤独の午後
「動物を虐待する時代遅れの野蛮な行為」と世間からの批判を受けながらも、力強い獣に対峙し続けるカリスマ闘牛士の光と影を映し出す。第19回ラテンビート映画祭にて上映された『パシフィクション』(’22)の監督アルベルト・セラの最新作。第72回サン・セバスティアン国際映画祭では、最優秀作品賞を受賞した。
◆上映スケジュール:11/2(土)10:20~、11/5(火)18:00~
 
 
『チェイン・リアクションズ』
(原題:Chain Reactions)
102分/カラー/英語、日本語/2024年/アメリカ
監督:アレクサンドル・O・フィリップ 
出演:スティーヴン・キング、三池崇史、アレクサンドラ・ヘラー=ニコラス
チェイン・リアクションズ
ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』(’74)が後世に与えた影響に、作家スティーヴン・キング、映画監督の三池崇史ら5人のリエイターのインタビューや回想を通じて迫るドキュメンタリー。多くの巨匠監督の名作を紐解いてきたアレクサンドル・O・フィリップが監督&脚本を務めた本作は、第81回ヴェネチア映画祭クラシック部門ドキュメンタリー賞を受賞した。
◆上映スケジュール:11/1(金)21:25~、11/5(火)19:10~、11/6(水)13:30~
 
 
『キル・ザ・ジョッキー』
(原題El Jockey/英題:Kill the Jockey)
97分/カラー/スペイン語/2024 年/アルゼンチン、スペイン、アメリカ、メキシコ、デンマーク
監督:ルイス・オルテガ 
出演:ナフエル・ペレス・ビスカヤルト、ウルスラ・コルベロ、ダニエル・ヒメネス・カチョ
キル・ザ・ジョッキー
圧倒的な才能で輝かしい戦績を上げながらも破綻した生活を送るジョッキーが、自由になろうともがくさまを描くブラックユーモアに満ちたコメディ。第81回ヴェネチア映画祭コンペティションで上映。第97回アカデミー賞の国際長編映画賞アルゼンチン代表にも選出された。監督は、ペドロ・アルモドバル製作『永遠に僕のもの』(’18)のルイス・オルテガ。
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=SEZjsd2lxWA
◆上映スケジュール:11/2(土)21:00~
 
 
『ペペ』
(原題:Pepe)
123 分/カラー&モノクロ/スペイン語、アフリカーンス語、ドイツ語、ムブクシュ語/2024 年/ドミニカ共和国/ナミビア/ドイツ/フランス
監督:ネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアス 出演:ジョン・ナルバエス、ソル・マリア・リオス、ファリード・マティラ
ペペ
コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルが、私設動物園に収容するためにアフリカのカバの捕獲を命じたという事実の顛末を、“カバの視点”から描き出す。『COCOTE』(’17)の監督&脚本、ネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアスが手掛け、第74回ベルリン国際映画祭では銀熊賞(監督賞)に輝いた。
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=TrxL3ihyU30
◆上映スケジュール:11/1(金)13:50~、11/5(火)20:45~
(c)MonteyCulebra 
 
   
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題)』
(原題:The Room Next Door)
107 分/英語/2024 年/スペイン/ワーナー・ブラザース映画
監督:ペドロ・アルモドバル 
出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
1980年代に米国NYの雑誌社で共に働くも、その後、音信不通だった親友2人の人生が病を機に再び交錯する。シーグリッド・ヌーネス著「What Are You Going Through」を原作に、ペドロ・アルモドバルが監督と脚色を務め、第81回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアが親友役で共演を果たした。
◆上映スケジュール:10/31(木)10:15~、11/3(日)15:15~、11/5(火)14:20~      
(c)El Deseo. Photo by Iglesias Más.
 
 
『叫び』
(原題:El llanto/英題:The Wailing)
107分/カラー/スペイン語/2024年/スペイン/フランス/アルゼンチン
監督:ペドロ・マーティン=カレロ 
出演:エステル・エスポジート、マチルダ・オリヴィエ、マレーナ・ビージャ
叫び
何者かに追われる気配を感じ、何者かの恐ろしい叫び声を耳にした3人の女性が体験するおぞましい出来事を描く。第35回東京国際映画祭で東京グランプリを含む3冠を受賞した『ザ・ビースト』(’22)の脚本家が監督と脚本を務めたホラー。第37回サン・セバスティアン国際映画祭コンペティションで上映された。

◆上映スケジュール:11/6(水)16:10~
 
   

<チケット販売について>

「第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF」のチケットは、現在販売中です。
詳細は、「第36回 東京国際映画祭」公式サイト(https://2024.tiff-jp.net/ja/)をご確認ください。
※各上映劇場窓口での「東京国際映画祭」上映チケットの販売はございません。
 
 

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「第21回ラテンビート映画祭」 特別企画上映

会場:ヒューマントラストシネマ渋谷
 
 
『ANATEMA』 (原題)
91分/カラー/スペイン語/2024年/スペイン
監督・脚本:ヒミナ・サバドゥ 製作:アレックス・デ・ラ・イグレシア、カロリーナ・バング 出演:レオノール・ワトリング、パブロ・デルキ、ハイメ・オルドニェス
旧マドリードの地下迷路の上に建つ古教会を訪れた修道女が、伝説の“何か”を発見。悪を解き放とうとする超自然の力と対峙する。脚本家、小説家のヒミナ・サバドゥが初めてメガホンを取ったゴシック・ホラー。
◆上映スケジュール:11月2日(土)12:00~
◎上映後、舞台挨拶ティーチインあり
 
 
『ペドロ・パラモ』 (原題:Pedro Páramo)
131分/カラー/スペイン語/2024年/メキシコ
監督:ロドリゴ・ブリエト 出演:マヌエル・ガルシア=フルフォ、テノッチ・ウエルタ
顔も知らぬ父を探す男が、暴力と叶わぬ恋が引き起こした怒りによって破滅に追い込まれた町に辿り着く。1995年初版のフアン・ルルフォの長編小説を原作に、メキシコ出身のロドリゴ・プリエトが初監督を務めたドラマ。
※11月6日にNetflixより世界配信。
◆上映スケジュール:11月3日(日)12:00~
 
 
<特別上映作品 チケット販売について>
料金:一般1,800円/学生1,400円(税込)
販売場所:ヒューマントラストシネマ渋谷HP(https://ttcg.jp/human_shibuya/)および、劇場窓口にて販売。

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「ラテンビート映画祭」とは

 
「ラテンビート映画祭」は、今年で21回目を迎えます。2003年6月に「バスク映画祭」としてスタートした本映画祭は、スペイン・ラテンアメリカ映画の最新注目作をどこよりも早く日本に紹介。日本とラテン諸国(ラテンアメリカ諸国、スペイン、ポルトガル)の架け橋となり、文化やイベントは、国や国の生産品などのイメージ促進、日本とラテンアメリカ諸国“双方向の文化交流を目指してきました。
2020年からは、「東京国際映画祭」ワールドフォーカス部門内にて「ラテンビート映画祭 IN TIFF」としてスタート。2022年1月には新たな試みとして、日本未配給のスペイン語・ポルトガル語圏の名作を中心に紹介する常設の配信チャンネル「ラテンビート・クラシック『CANOA(カノア)』を開設(現在休止中)。同年と翌23年には、東京・大阪・神戸にて新旧フラメンコ映画を特別上映。
2023年は、特別企画として世界的に評価を得るスペイン出身の監督2人の最新作(アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたJ・A・バヨナ監督による、Netflixオリジナル映画『雪山の絆(原題:Society Of Snow)』、ペドロ・アルモドバル監督の『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(原題:Strang Way Of Life)』と、ラテン諸国を舞台に日本のスター俳優が躍動する名作『キューバの恋人』(主演:津川雅彦)、『闘牛に賭ける男』(主演:石原裕次郎を東京と大阪の映画館で上映し、好評を博しました。
 
 
ラテンビート映画祭公式サイト:
https://lbff.jp/
 
X(Twitter):
@LATINBEAT_FF
 
主催:LBFF実行委員会  
プロデューサー・プログラミングディレクター:アルベルト・カレロ・ルゴ
制作コーディネート:杉田洋子  
字幕:東映ラボ・テック  
ライター・編集:村上健一
アートディレクション&デザイン:金澤竜也、奥津裕郁  
プレス:ライトフィルム
 

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<第37回東京国際映画祭 開催概要>

開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:
https://www.tiff-jp.net
 
 

<TIFFCOM2024開催概要>

開催期間:2024年 10 月30日(水)~11月1日(金)
公式サイト:
https://www.tiffcom.jp
 

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©TIFF
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