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完成披露上映会

 
『悪人』『怒り』で知られる吉田修一の傑作小説『愛に乱暴』が江口のりこ主演、森ガキ侑大監督でヒューマンサスペンスとして映画化、8月30日(金)より全国公開となります。
 
7月22日(月)に都内で完成披露上映会が開催され、主演・桃子役の江口のりこ、桃子の夫・真守役の小泉孝太郎、桃子の姑役の風吹ジュン、真守の浮気相手役の馬場ふみからキャストと、監督の森ガキ侑大が舞台挨拶に登壇。初お披露目となる観客に向けて役作りや撮影時のエピソードを交えながら本作に掛ける想いを語り、映画のヒットを祈願して劇中の重要アイテムであるチェーンソーでド派手に鏡開きを行いました。
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
 
完成披露上映会
日付:7月22日
登壇:江口のりこ、小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみか、森ガキ侑大監督

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江口のりこ、監督ら登壇

 
この日、膨らんだ袖の赤の差し色が効いた白いドレスに身を包んだ江口は「今日はお暑い中大勢お集まりいただき、ありがとうございます!」とあいさつ。
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
原作を一読し「今こそ映画化しなければならない」と強く感じたという森ガキ監督は「生産性ばかりを求める余白のない世の中で“居場所がなくなっている”という裏テーマが現代に刺さると思った」と映画化への狙いを明かした。
江口は演じた役柄の魅力について「桃子はピンチな状況になっても、そこに可笑しみがあることが面白く感じました」と述べ「昨年8月の暑さ真っ只中での撮影は風吹さんと小泉さんとの家族のさりげないシーンから始まりました。中盤になってかき乱す馬場さんが入って来て、そこから物語が加速します。何かを失いながらもより自由になっていく桃子。そんな主人公像を現場の皆で作っていきました」と振り返った。
そんな江口にとって本作は今年3作品目の主演作。その感慨について問われると「うーん、何でしょうね。
月日は流れているな、と。去年沢山働いたんだなという感じ。でもみんなで作ったものが無事に公開されるというのは当たり前の事ではないので、それはとても嬉しいです」と微笑んだ。そんなクールな江口のリアクションに小泉が「いつも平常心で変わらないのが凄い」と口を挟むと、返す刀で江口も「それは孝太郎さんもですよ」とさらに微笑みで返した。
 
冷徹な桃子の夫・真守役の小泉はこの日、役柄にちなんで久しぶりに前髪を作って登壇。
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
「この後映画を見終えたら、観客の皆さんの優しい眼差しは一切なくなると思うと・・・」とため息をつきながらも「真守を演じるにあたり、事前に監督が持たれているイメージとすり合わせることが出来たのが大きかった。前髪もミリ単位で調整しました」と熱の入った役作りを報告。
森ガキ監督が「観客に“あれってまさか小泉孝太郎さん…?”と思わせたら我々映画チームの勝ちだと思う」と言うと、小泉は「外撮影で現場に入った時、誰一人小泉孝太郎に気づかなかったんですよ。そんな経験今までありません。その時に森ガキ監督って凄いと思いました」と驚嘆していた。
 
真守の母親・照子役の風吹も、小泉の存在に気付かなかった一人。
「撮影現場に入ってしばらく、どなたか全く気づきませんでした(笑)。外見もそうですが、役に入られていて、とても無口で。…とっつきにくい息子でした」と笑わせつつも、小泉の新境地に目を丸くしていた。
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
一方、江口は風吹の佇まいに救われたそうで「映画の『愛に乱暴』をどう作ればいいのか悩んでいた時、日々の撮影でご一緒していた風吹さんの自然な姿を見て、あ、ここに(役柄の)義理のお母さんがいる、と思えました。そこから原作小説にはこだわらず、映画『愛の乱暴』を作ればいいんだと思えました」と感謝していた。
そんな江口は小泉との共演について「実は10年前も孝太郎さんを追いかけまわすストーカーの役をやってるんです。10年経ってまた孝太郎さんを追いかけまわす役がきて…この巡り合わせはなんだろう」と苦笑いすると、小泉も「10年前も江口さんに精神的にかなり追い詰められたんですが、今回もまた相当追い詰められています。でも江口さんが撮影現場で『孝太郎さんとは縁がある。10年に1度のサイクルで孝太郎さんを追い詰めている』と言ってくれたんです。僕はそれがとても嬉しくて。奇跡というか、これは何かの巡り合わせ。僕自身10年後が楽しみです」と3度目の奇跡に期待を込めた。
 
真守の浮気相手・奈央役の馬場は「撮影時に感じた緊張が、そのまま役と相まって張り詰めたシーンに繋がりました。撮影は真夏でしたが、暑さを感じないくらい指がかじかんで、緊張してずっと手が震えていました」と緊迫した撮影を振り返った。
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
 
本作について森ガキ監督は「普段作られないような表現で作りたかったのですが、大変な作業ではあったけれど、すべてが良い形に作用しました。シンプルな物語ではないけれど、感じてもらえるものは沢山あって、新しいエンタメになったと思います」と胸を張り、
『愛に乱暴』完成披露舞台挨拶
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のコンペティション部門出品の手応えについて「ヨーロッパの観客の方々の反応も素晴らしく、鑑賞後に答え合わせをしたがる方も多くて自信につながりました」と報告した。
ラストは前面にチェーンソーを持った桃子のイラストがあしらわれた酒樽が登場、ヒットを祈願して全員で鏡開きを執り行った。しかも木槌の代わりに撮影で使用された本物の赤いチェーンソーが舞台に上げられ、かつては使い方の特訓を受け、難易度の高い撮影に挑んだ赤いチェーンソーとの再会に、江口は「……懐かしいです」と感慨深い様子。そんな江口を中心に全員で赤いチェーンソーを握りしめると、司会の「大ヒットを祈願してー!チェーンソー入刀!」の高らかな誘導で「よいしょ、よいしょ、よいしょー!」と息の合った掛け声で“鏡開き”となった。
最後に主演の江口は「ゆったりとした気持ちでのんびりと見てほしいです。森ガキ侑大監督の愛が詰まった映画です」とPR。森ガキ監督も「ようやくみなさんにお披露目できることを嬉しく思っています。スタッフ・キャストと暑い中で力を合わせて丁寧に紡いだ大事な作品です。気に入っていただけたら口コミなど宜しくお願いいたします」と締めくくった。

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『愛に乱暴』

 
映画公式サイト:
https://www.ainiranbou.com
 
公式X:
@ainiranbou
 
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める・・・。
人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた吉田修一の同名小説を、『おじいちゃん、死んじゃったって。』の森ガキ侑大監督が映画化。主演は唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口のりこ。共演には小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみから個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。江口のりこの振り切った怪演により、息もつかせぬ緊迫感に包まれたヒューマンサスペンスが誕生した。
 
 
物語・・・
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。
そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。
愛に乱暴

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出演:江口のりこ、小泉孝太郎、馬場ふみか、水間ロン、青木柚、斉藤陽一郎、梅沢昌代、西本竜樹、堀井新太、岩瀬亮/風吹ジュン
原作:吉田修一『愛に乱暴』(新潮文庫刊) 監督・脚本:森ガキ侑大
脚本:山﨑佐保子/鈴木史子 音楽:岩代太郎
製作幹事:東京テアトル/読売テレビ 配給・制作:東京テアトル 制作プロダクション:ドラゴンロケット
Ⓒ2013 吉田修一/新潮社 Ⓒ2024 「愛に乱暴」製作委員会
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