ワールドプレミア安部公房の同名小説を石井岳龍監督の手によって映像化した映画『箱男』が、安部公房生誕100周年にあたる2024年に全国公開となれます。 この度、開催中の第74回ベルリン国際映画祭にて映画『箱男』のワールドプレミアが行われ永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩市、そして石井岳龍監督がレッドカーペットや上映後Q&Aに登場! |
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@ベルリン国際映画祭世界初披露の場に、主演の永瀬正敏をはじめ浅野忠信、佐藤浩市の豪華俳優陣と石井岳龍監督が集結。公式上映前後のレッドカーペット、Q&Aに登場し会場を大いに盛り上げた。 まずは、メイン会場となるBerlinalePalast(ベルリナーレ・パレスト)のレッドカーペットにそれぞれシックなスーツでキめた4人が颯爽と登場。ときおり立ち止まってファンにサインを書いたり写真撮影したりと交流しながら、世界各国から集まった報道陣の呼びかけにも笑顔で応えた。 その後ZooPalast(ツォー・パラスト)に移ると、800人ほどの満席の劇場で公式上映が行われた。上映後に会場は映画を観終えたばかりの観客たちの興奮冷めやらぬ熱気に包まれ、同席していた監督キャストらは大きな拍手で讃えられた。 また、原作も読んでいるという熱心な観客から、メタフィジカルな部分もあり同時に哲学的でもある、とても特異な要素を持つ原作を映画化するにあたって、どういう風に作り上げようと思ったのかという質問に対しては、「大きくふたつあります。ひとつは、この原作は読者の数だけ違う解釈があると思っています。プラス、読んだ読者自身が箱男になるという仕掛けがある小説だと思っています。なのでそれを映画化するには、これを観た観 続けて主演の永瀬正敏が「皆さん、遅くまでありがとうございます」と挨拶。深夜の上映のため観客の帰りを気遣う言葉で会場を和ませると「僕は27年前からこの作品に携わらせていただいていますが、当時撮影が中止になる瞬間にも立ち会っています。クランクイン前日に、ハンブルグの街にいる箱男の写真を撮りましょうと皆がホテルのロビーに集まっていたときに、監督がプロデューサーに呼ばれていなくなったと思ったら少し経って歩 石井監督から直々に27年前の映画との違いを話してほしいと振られた佐藤浩市は、「明確にお答えをしたいと思うんですが、私も60半ばでして27年前の映画のことはあまり覚えていません」と前置きで笑いを誘いつつ、「ただひとつ言えるのは、先ほど監督もおっしゃっていましたが、この映画の中で名前が出るのは看護師の彼女だけなんですよね。あとは“わたし”だったり“軍医”や“ニセ医者”だったり固有名詞がなく記号であるということ、そして箱男たちが自分たちの手帳、メモ帳に捉われて、それが自分たちのアイデンティティのすべてになってしまう、その描写がより強調されているのが前回のものと本作が大きく違う部分かなと思っています」と自身の見解を述べた。 最後に、石井監督が外山葉子役の白本彩奈が舞台の本番があり残念ながらこの場に登壇できなかったことに触れ、彼女が新人女優であることを説明すると観客から賞賛の拍手が巻き起こった。こうして、“宿命の地”であるドイツでのワールドプレミアを大盛況で終えた『箱男』は、いよいよ今年日本でも公開となる。本作のさらなる続報に期待してほしい。 |
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『箱男』2024 年全国公開 公式サイト: 公式X(旧twitter): 『箱男』 果たして“わたし”は本物の『箱男』になれるのか。 |
出演:永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈/佐藤浩市、渋川清彦、中村優子、川瀬陽太
監督:石井岳龍
脚本:いながききよたか、石井岳龍
原作:安部公房「箱男」(新潮社)
プロデューサー:小西啓介、関友彦
製作:映画『箱男』製作委員会
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:コギトワークス
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