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第5回「大島渚賞」受賞者

この度、一般社団法人PFFが2019年に創設した、国際的活躍が期待される若手映画監督を顕彰する「大島渚賞」の第5回受賞者が、工藤将亮(くどう・まさあき)監督に決定しました。

第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した長編デビュー作『アイム・クレイジー』(19年)、第2作目『未曾有』(21年/本年公開予定)と、テーマへの着実なアプローチで世界中の映画祭から注目される、いま最も目が離せない映画作家の一人です。

対象作品となった、2023年公開作の『遠いところ』は、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品を果たし、第23回東京フィルメックスでは観客賞を受賞。「貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇」(Variety)と絶賛されたほか、先日発表された、第37回高崎映画祭で新進監督グランプリ&最優秀新人俳優賞(花瀬琴音)をダブル受賞するなど、国内外で高い評価を得ている注目作です。

3月18日(月)に東京・丸ビルホールで実施する授賞式で、審査員長の黒沢清監督から審査講評が発表されますので、ご注目ください。

授賞式前日の17日(日)には、同ホールにて記念上映会を実施いたします。当日は『遠いところ』、大島渚監督作『少年』の上映に加え、工藤監督と黒沢清監督によるトークショーを行います。
また、今回初の試みとして、「初めての大島渚体験」をしてもらうべく、18歳以下の方を無料でご招待いたします(事前申込制/先着50名)。常に怒りをもって社会の問題と対峙し、既成概念と闘い、自由を追求し続けた”大島渚”という強烈な個性とスピリッツを、作品を通して高校生・中学生など若い世代に体感してもらい、自らの生きる原動力にしてほしいと願い、無料招待に至りました。

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第5回大島渚賞 受賞者 Profile

工藤将亮(くどう・まさあき)
工藤将亮監督
1983年10月31日生まれ。京都府出身。
ビジュアルアーツ専門学校大阪を卒業後、大島渚監督に憧れ、松竹撮影所に入社。森田芳光監督、石井岳龍監督、山崎貴監督らに師事する。初長編監督作『アイム・クレイジー』(19年)が第22回富川国際ファンタスティック映画祭にてNETPAC賞を受賞。長編2作目の『未曾有』(21年)がタリンブラックナイト国際映画祭Rebels with A Cause部門で正式上映。3作目となる『遠いところ』が2022年7月、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに選出されたほか、同年の第23回東京フィルメックスで観客賞を受賞。また2024年1月、第37回高崎映画祭で新進監督グランプリ&最優秀新人俳優賞(花瀬琴音)をダブル受賞したことが発表された。

<審査員>
第5回 審査員長:黒沢清監督 審査員:荒木啓子
※第1回からの審査員長・坂本龍一氏のご逝去に伴い、これまで審査員だった黒沢清監督が審査員長を務め、荒木啓子PFFディレクターと2名で審査を行いました。

【第5回大島渚賞 記念上映会】
2024年3月17日(日)14時開演
会場:丸ビルホール(丸ビル7階)

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プログラム

第1部:受賞監督作品上映

『遠いところ』
『遠いところ』
2022年/カラー/128分 
配給:ラビットハウス
監督・脚本:工藤将亮
出演:花瀬琴音、石田夢実、佐久間祥朗、長谷川月起、松岡依都美

幼い息子を抱え、貧しさの中で必死に生きる17歳の母。青い海に囲まれた美しい島、伝統的な家族のつながり、といった沖縄イメージを覆す、過酷な日常がリアルに映し出される。絶望しかない主人公の観客に問いかけるようなラストシーンが胸を打つ!

第2部:いまこそ観たい大島渚作品

『少年』
『少年』
1969年/カラー/97分
監督:大島 渚
出演:渡辺文雄、小山明子、阿部哲夫、木下剛志
車に身を投げ運転手から金をせしめる“あたり屋”一家。壮絶な大人の世界を空想に逃避して生き延びる10歳の少年の孤独を描く。実際にあった事件を元に、低予算ながら全国縦断ロケを敢行した美しくも衝撃的な傑作。

第3部:トークショー

工藤将亮(第5回受賞者)×黒沢清(審査員長) MC:荒木啓子(PFFディレクター)

<チケット>
2月17日(土)朝10時より、チケットぴあにて販売!
[1日通し券] 一般:2,500円
※会場受付でも、イベント当日にチケット販売を行います。(販売枚数には限りがあります)

★「初めての大島渚体験」18 歳以下の方をご招待!(事前申込制/先着50名)
【対象】18歳以下(2005年4月1日以降生まれの方)※当日、年齢を証明できるものをお持ちください
【申込方法】PFF公式サイトにて、先着順に受付。https://pff.jp/jp/news/2024/02/oshima-prize2024.html
【申込締切】3月15日(金)正午 ※定員になり次第、受付終了となります。ご了承ください。

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大島渚賞とは?

「大島渚賞」公式サイト
https://pff.jp/jp/oshima-prize/

大島渚賞は、2019年に一般社団法人PFFが創設した、映画の未来を拓き、世界へと羽ばたこうとする、若くて新しい才能に対して贈られる賞です。原則、前年に発表作品があり、劇場公開作3本程度までの若手監督を対象に、各国の映画祭プログラマーやディレクター、映画人の推薦をもらい、審査員が受賞者を決定します。
デビュー以来、日本社会に波紋を投じる作品をつくり続けた大島渚監督が、高い志を持って世界に挑戦していったように、それに続く次世代の監督を、期待と称賛を込めて顕彰します。
また、毎年開催する記念上映会では、受賞作品と共に、大島渚監督作品も上映し、大島渚監督の魅力を次世代の観客に繋いでいきます。

<過去の受賞者>

第1回:小田香監督 『セノーテ』
第2回:該当者なし
第3回:藤元明緒監督 『海辺の彼女たち』
第4回:山﨑樹一郎監督『やまぶき』

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