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福岡先行公開記念日本で最も愛されたロックンロール・ギタリストの素顔と功績を、貴重な証言で綴る珠玉のドキュメンタリー この度、鮎川誠さんの故郷・福岡での先行上映を記念して、本作の寺井到監督と、鮎川さんと親交の深かった元・ルースターズの大江慎也が、鮎川誠やシーナ&ロケッツの魅力について話しました。 映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 〜ロックと家族の絆〜』 |
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大江慎也、寺井到監督登壇上映終了後、大江慎也(元ルースターズ)、寺井到監督が登壇。 寺井監督が「皆さん、鮎川さんに(スクリーンで)会えたでしょうか?」と客席に問いかけると、温かい拍手が沸き起こり、“ホームグラウンド感”溢れるアットホームな雰囲気でイベントが始まった。 制作の経緯を尋ねられた寺井監督は、「鮎川さんが亡くなってもちろん悲しいんだけれど、鮎川さんは周りに明るさをくれる人だったので、そういう人が亡くなったのにこっちがメソメソしている感じというか、“悲しい”“悲しい”と言っていてもしょうがないな、追悼映画のようにならないようにしたいな、鮎川さんの人生はこんな感じだったんだよという話にしたいなと思って関係者の方にインタビューでお話を伺いました。そうしたら、甲本ヒロトさんがインタビューで「(鮎川さんが)“いた”ってことがすごいんだよ」と言ってくれて、やっぱりそうだよな、と(思いました)。鮎川さんと出会ったエピソードとか、こんなことをしてもらった、こんなことがあったんだよという話を集めれば鮎川さんの人となりを表現できるのではないかと思い、今回このような形になりました」と語り、続いて「鮎川さんへの思いが僕より遥かにあるヒロトさんが、悲しみに溺れずにああいう話をされたことに勇気をもらいました」と制作中に抱いた思いを明かした。 大江が鮎川と出会ったのは、鮎川が北九州市若松に住んでいた1970年代。以来、鮎川が上京するまでの約2年、自宅に遊びに行っては、ギターを触らせてもらったり、鮎川が持っている輸入盤レコードを借りたり、当時まだ赤ちゃんだった鮎川とシーナの愛娘たちに会ったりしていたという思い出を大江が披露すると、寺井監督からは「いいな〜」と思わず心の声が漏れた。「(借りたレコードは)ちゃんと返しましたよ」とオチがつくと、会場からは笑いが起こった。大江よりも年上の鮎川だったが、「鮎川さんは『ギターに先輩も後輩もない』と言っていた」と、決して先輩ぶらない鮎川の人柄を偲んだ。 その後、鮎川が上京してから交流は途絶えたものの、大江が上京するとまた鮎川の自宅に遊びに行くことがあったそうで、「下北沢の鮎川さんの家に遊びに行くと、シーナさんがブルーベリーがたっぷりのったケーキを焼いてくれて、それがすごく美味しかった。ただ甘さも半端なかった(笑)」と、親戚づきあいのような関係を笑顔で話した。 大江が最後に鮎川と会ったのは、2022年10月に若松で開催された「高塔山ロックフェス2022」。今思えば病身でステージに立っていたという事実について司会が触れると、大江は「そんな状態でステージをやれているっていうのがすごいですよね。気合というかスタンスが素晴らしいですね。僕は自分がちょっと病気になったらすぐ休んじゃうし、雨が降ったらライブやらないぞって(いうタイプだから)」とユーモア交じりに語った。 最後に「大江さんにとって鮎川誠さんはどういう人でしたか?」と尋ねられると、「ロックの根幹となるブルースミュージックから発生したご自身のスタイルを築き上げられ、それを広められたという、日本では類まれな素晴らしいアーティスト。そういう方です」ときっぱり。50年近くにわたってもなお変わらない鮎川へのリスペクトが伝わる姿勢に、会場からは大きな拍手が起こった。 |
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『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』8月11日(金・祝)より福岡先行上映、8月25日(金)より全国公開 映画公式サイト: 映画公式Twitter: 優しいことは、こんなにもカッコいい。 |
出演:鮎川誠 シーナ 鮎川陽子 鮎川純子 LUCY MIRROR 唯子
ナレーション:松重豊
監督・編集:寺井到
撮影:中牟田靖 宮成健一 丸本知也 編集:高尾将 音効・MA:寺岡章人
協力:ジュークレコード ロケットダクション ビクター・エンタテインメント プロデューサー:緒方寛治 坂井博行
製作:RKB毎日放送 製作幹事:TBSテレビ
配給:KADOKAWA
宣伝:KICCORIT
©RKB毎日放送/TBSテレビ
2023年/日本/カラー/16:9/5.1ch/98分