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『イノセンツ』公開直前試写会
この度、アカデミー賞ノミネート(脚本賞)監督、北欧の新たなる鬼才エスキル・フォクトの最新作にして、世界の映画賞を総なめにしたサイキック・スリラー『イノセンツ』を7月28日(金)新宿ピカデリーほかにて全国公開となります。
この度、清水崇(映画監督)、大島育宙(芸人/映画評論YouTuber)をゲストにトークショーが行われました。
『イノセンツ』公開直前試写会
日時:7月20日(木)
会場:アキバシアター
登壇:清水崇(映画監督)、大島育宙(芸人/映画評論YouTuber)
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清水崇監督、大島育宙登壇
いよいよ公開が来週7/28(金)に迫り、映画への期待が高まるなか開催された今回のイベント。
マスコミ試写会で鑑賞し“超傑作!”と大絶賛の清水崇だが、実は日本での公開が決定する前から本作の公開を楽しみにしていたそう。「まず直球な『イノセンツ』というタイトルに惹かれたんですよね。僕も子供視点の物語を撮りたいと思っていたので、すぐに検索して本国の予告を見て。日本でも公開されてほしいと思っていました。予告だけで“ああ、これは自分の好きな映画だ!”とビンビンきていてハードルが上がり切っていたのですが、大きく期待を上回る出来で、大好きな映画になりました。」と太鼓判を押す。
清水と同じく試写会で先に鑑賞した大島育宙も本作へラブコールを送る。
「怖さの純度が高くて、怖がらせよう、嫌な気持ちにさせよう、新しいものを見せてあげようというサービス精神に溢れていている作品ですよね。怖い映像なんて無料でいくらでも見れる時代に、映画館でゾワっとする体験が久しぶりにできて、ありがとうございます!という気持ちでした。」子供が登場する映画が好きだという清水。本作には男女4人の子供たちが登場するが、彼らの演技にはとても感心した様子だ。「4人ともが凄いですよね。各々の視点だったり想いだったりを、誰一人欠かさずに描いている。監督が影響を受けたと話している大友克洋さんの漫画「童夢」がベースにありつつ、『千と千尋の神隠し』だったり、『E.T.』みたいなところもありました。」そこに大島も「子供たちが退屈と孤独を持て余している様子がかなり繊細に描かれていますよね」と続く。
続けて話題は映画の演出について。清水は監督の視点から「すごく細かな描写が丹念に描かれていて、こんなおしゃれでかっこいい演出ができたら。憧れです。」と羨望の眼差しを向ける。大島も「子供たちの邪悪さ、怖さが印象に残ると思うのですが、なかには純粋子供あるあるも詰め込まれていてかわいい映画でもあるな、と思いました。万国共通の子供あるあるというか。」と演出の巧みさを絶賛。「そういうところも凄く、くすぐるんですよね」と清水も共感した。
次にJホラーの巨匠として長年ホラー作品を手がけてきた清水だが、『イノセンツ』から影響を受けた点はあるかと尋ねられると「どこをどうと言えないくらいたくさんあります!10年以上前から温めていた子供目線の企画を今構成していたところで“ああ、やられた!”と思いました。もし似てる部分があっても真似じゃないですからね!」と話し、会場からは笑いが起こった。
最後に、これから映画を鑑賞する会場の観客に向けて、二人がコメントを送る。大島さんは「いろんな感想が出てくると思うんですけど、ぜひ見た後にお友達と一緒に喋ってほしいです。子供の時の思い出がブワッと出てくるタイプの作品ですよね。自分も子供の頃、ちょっと能力が使えたかも…と朧げな記憶が出てきたり出てこなかったり。そんな感じになる映画はそんなにないと思うのでぜひ、肌で浴びて体感していただきたいとおもいます。楽しんでください!」とし、清水さんも「子供ならではの、どういう衝動なのか分からないけど抑えられないという部分が如実に描かれていて、それが行動にどう出てくるのかがうまく反映されているので見ていただけたら、読み取っていただけたら。」と話し、会場が大きな拍手に包まれる中イベントは終了した。
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『イノセンツ』
7月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト:
https://longride.jp/innocents
2021年第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品、2022年ノルウェーのアカデミー賞アマンダ賞で、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞。世界の映画祭で16映画賞を受賞し、アメリカの批評家サイトRottenTomatoesでは満足度96%を獲得。ジャンル映画ながらそのクオリティの高さを、世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラー『イノセンツ』。舞台はノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。近年、『ミッドサマー』『ハッチングー孵化ー』『LAMB/ラム』など北欧スリラーは映画界の最先端に君臨し、映画ファンの心を掴んで離さないが、本作もまたその唯一無二の美しくも不気味な世界の虜になる観客続出必至である。監督を務めたのは、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』『テルマ』『わたしは最悪。』の共同脚本を共に手がけてきた。本作はフォクト監督の長編二作目で、日本劇場初公開の監督作品となる。団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げると言えば、大友克洋の「童夢」を想起する人も多いはずだが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げた。
©Mer Film
物語・・・
ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった 4 人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい”力”を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。
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監督・脚本:エスキル・フォクト
撮影監督:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン
音楽:ペッシ・レヴァント
出演:ラーケル・レノーラ・フレットゥム、アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、サム・アシュラフ、エレン・ドリト・ピーターセン、モーテン・シュバラ
2021年/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン/ノルウェー語/117分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/原題:De uskyldige/英題:THE INNOCENTS/日本語字幕:中沢志乃
提供:松竹、ロングライド
配給:ロングライド
photo:©Mer Film
© 2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES
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