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上海国際映画祭 本年度最多3冠達成!

映画『658km、陽子の旅』

国際的に活躍する女優・菊地凛子と、国内外で注目を浴びる監督・熊切和嘉が、『空の穴』(01)以来、22年振りに組んだ、記念すべき菊地凛子初邦画単独主演作品『658km、陽子の旅』が、7月28日(金)より、ユーロスペース、テアトル新宿他の劇場で全国順次公開となります。
『658km、陽子の旅』上海国際映画祭
この度、6月9日(金)から中国・上海で開催されていた第25回上海国際映画祭の授賞式が、現地時間19:00/日本時間20:00より開催され、コンペティション部門に正式出品していた映画『658km、陽子の旅』が、最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀女優賞を受賞。本年度のコンペティション部門に於いて最多となる3冠を達成しました!
『658km、陽子の旅』上海国際映画祭

授賞式では、MCから、上海国際映画祭初参加にして受賞の感想を問われると、最優秀脚本賞を受賞した室井孝介は、「私は映画祭の経験というのがないものですから、このような華やかな場は夢のような場所です。この場にお呼びいただき、大変光栄ですし、賞をいただけると思っていなかったので、本当に嬉しいです。ありがとうございました。」と率直な感想をコメント。
妻と共同のペンネーム「浪子想」で共同脚本を担当した熊切和嘉監督は、「このような素晴らしい賞をいただきまして、大変光栄に思います。浪子想と言いますのは、私、熊切和嘉と妻の熊切智子の共同のペンネームでして、今回もちろん室井さんの脚本が素晴らしかったのですが、そこからさらに妻の力で、主人公の女性を深く掘り下げて描けたのかなと思っています。妻にこの場を借りて、感謝をしたいと思います。ありがとうございます。」と感謝を伝えた。
そして、最優秀女優賞を受賞した菊地凛子は、「まさか、初めて上海国際映画祭というこの素敵な映画祭によんでいただき、このような素敵な賞をいただいて本当に嬉しいです。20年前に自分を拾ってくれた熊切監督の作品で、こうして賞をいただけて大変うれしく思います。」と上海国際映画祭、監督への感謝を伝えた。

また、菊地へ、MCから「中国でも、知名度のある菊地凛子さん。中国の映画監督と一緒に映画を作りたいと思ったことはありますか?旦那さん(染谷将太)は、中国のチェン・カイコー監督の映画で、主演として出演したことがありますが、ご自身は、どう思われますか?この会場にいる素敵な中国の俳優や監督と一緒に中国で映画を作りたいと思いますか?」の質問に対して、「是非。自分が子どもの頃から中国の映画を見て育ってきましたし、本当に出演してみたいんですけど、中国語の挨拶すら難しくて。今から勉強します!」とアピールした。
三人は、最優秀作品賞を受賞し再び壇上へ。

熊切監督は、「まさかこんなに賞をいただけるなんて全然思ってもいなかったので本当に嬉しく思います。ありがとうございます。」と驚きと喜びの混じった笑顔をはじけさせ、菊地も「3つも賞をいただけるとは思ってもおらず、本当にありがとうございます。主人とは『獲りました』『おめでとう』とメールで会話しました。主人にも感謝したいと思います。」と述べた。

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【受賞後コメント】

『658km、陽子の旅』上海国際映画祭

【Q】:熊切和嘉監督、最優秀作品賞という大きな賞をもらった感想をお願いします。
【熊切】:菊地さんといつかまた仕事したいと、20年間思っていて、それがかなったので、撮影中から夢の中にいるようでした。それが、まだ続いているような気持ちです。

【Q】室井孝介さん、今回の脚本は、作りやすいストーリーではないと思います。
難しいと思ったこともあるかと思いますがいかがですか?
【室井】:本作は、私の実体験が入っています。母親を16年前に亡くしました。事故があった日に、病院から電話が掛かってきました。
その電話に出たのですが、その時には、「とにかく病院に来てくれ」というだけで、容体を教えてくれない訳です。
なので、病院に向かいました。その時に、母の容体のことや、これからのこと、これまでのことなどを考えてわずか1時間かからない道のりが、すごく長い時間に感じられて、その時の圧倒的な時間というのを、何かドラマにできないかな、と思い、この物語になりました。

【Q】:初めての主演女優賞受賞、今のお気持ちをお聞かせください。
【菊地】:本当に光栄です。まさか自分がとると思っていなかったので、油断して気を抜いていたら名前を呼ばれたので、驚きとその事実を受け入れるのに時間がかかりました。国際映画祭に初めて呼んでいただいたこの上海で、皆さんに温かく迎えていただき、女優賞、脚本賞、作品賞をいただけるとは思ってもいなかったです。
役者をやっていて、心からよかったと思います。ここからの役者人生、また身が引き締まる思いです。
20年前に熊切監督に拾っていただいたことも、こうしてまた新しい作品で監督に感謝できる環境にこられたことは、何よりも自分の宝物です。
この作品を愛していますし、多くの方にこの作品が届くことが幸せです。審査員の方に舞台裏で「審査員みんながあなたに決めたのよ」と言われ、映画にも感動したと言っていただいた。その言葉がとても嬉しかったです。(そう話してくださったのは)インドの審査員の方で、こうやって国際映画祭に参加することで、国境関係なく、1本の映画で心を揺さぶられるということが自分の身に起こるんだということは幸せだなと思います。
またいただいた役を真摯にひとつずつやっていこうと、心に誓いました。

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【審査員講評・受賞理由】

★作品賞講評:「この映画は、ロードムービーを創造的な方法で探求し、昨今の日本で暮らす平凡な人々の平凡な日常を描くなかで、
ヒロインが自分自身を発見するプロセスを目撃させます。審査員は満場一致で本作が唯一無二の作品だと評価しました」

★脚本賞講評:「これが人生・社会・希望と絶望の旅についての深遠な物語であり、更にそれ以上に自己発見についての物語であると評価したため、
最優秀脚本賞を授与します」

★女優賞講評:「映画の中の菊地凛子の表情豊かな目と震える手は審査員たちの心を捉え、
キャラクターを内面化する彼女の演技力は“俳優”の存在を忘れさせます。彼女の演技はキャラクターに命を吹き込みました」

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映画『658km、陽子の旅』

 

7月28日(金)ユーロスペース、テアトル新宿ほか、全国順次ロードショー

公式サイト:
@yokotabi.movie/   

公式Twitter:
@yokotabi_movie

Instagram:
@yokotabi_movie

本作は、父の訃報を受け東京から青森県弘前市の実家までヒッチハイクをすることになった主人公・陽子が、
東京―福島―宮城―岩手―青森をたどる旅の中で出会う人々とのトラブルや温かい交流を通して、
後悔を抱え孤立した心を癒していく一夜の物語。
TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM (TCP)2019脚本部門の審査員特別賞を受賞した室井孝介のオリジナル脚本を原案に、熊切和嘉監督が菊地凛子を主演に迎えメガホンをとった。
熊切監督はこれまで『ノン子36歳(家事手伝い)』(08)や『夏の終り』(13)で個性的なヒロインを描いてきたが、本作でも人生にもがき苦しむ“陽子”というヒロインを繊細に描き出している。
また菊地演じる陽子は引きこもりがちの生活から、久しぶりに他人と関わることで長年の自分への後悔を露わにしてゆく難役。
竹原ピストル、オダギリジョーをはじめとする豪華キャストに支えられ、切ないまでの生きる痛みや躊躇い、
そして絞り出す勇気を熊切監督と共に渾身の演技で表現している。
就職氷河期世代の中年期、その定まらない人生というだけではない、他人との密な関係を作らず生きることができる現代、孤独と孤立に凍った心が解けていく様に、誰もが自らや知人を思い起こして心を揺さぶられるロードムービーが誕生した。
658km、陽子の旅
STORY
42歳 独身 青森県弘前市出身。
人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター陽子(菊地凛子)は、
かつて夢への挑戦を反対され20年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。
従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前へ帰ることに。
しかし、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまう。
陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。
しかし、出棺は明日正午。
北上する一夜の旅で出会う人々―懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。
そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。
冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くのか・・・。

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出演: 菊地凛子
竹原ピストル 黒沢あすか 見上愛 浜野謙太 / 仁村紗和 篠原篤 吉澤健 風吹ジュン / オダギリジョー
監督:熊切和嘉 脚本:室井孝介 浪子想 
音楽:ジム・オルーク   エンディングテーマ「Nothing As」by ジム・オルーク 石橋英子

製作:『658㎞、陽子の旅』製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、オフィス・シロウズ、プロジェクト ドーン)
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:オフィス・シロウズ 
配給・宣伝:カルチュア・パブリッシャーズ
宣伝協力:DROP.
©2022「658km、陽子の旅」製作委員会 

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