日本外国特派員協会記者会見数々の名作を産んできた名匠・阪本順治が、主演・黒木華、共演・寛一郎、池松壮亮で送る最新作『せかいのおきく』、いよいよ今週末4月28日(金)全国公開となる。映画祭プログラマーから「『せかいのおきく』には他の時代劇にはない全てがある。」と評され招待された第52回ロッテルダム国際映画祭では、江戸の循環型社会を背景に描いた作品でありながら、観客や海外メディアからそのテーマ性を高く評価された。 この度行われた日本外国特派員協会・記者会見では、阪本順治監督と、美術スタッフとして阪本監督作品に30年以上前から携わり、本作の企画・プロデューサー・美術監督を務めた原田満生が登壇し、映画の制作秘話について熱く語った。 日本外国特派員協会記者会見 |
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阪本順治監督ら登壇MCからまず、本作のユニークな着想や製作経緯について問われると、原田は「きっかけは4年前に大病を患ったときに、今後について考えたこと。さらにコロナ禍に入って色々なことが重なり、環境問題に取り組んでいる学者の方と知り合う機会があった。そこで、サーキュラーバイオエコノミー(循環型経済社会)について学び、こういう問題を一般の方にも広く知ってもらいたい、自分にできることは映画を通して伝えることだと思い、“YOIHI PROJECT”を立ち上げ、阪本さんにこの映画の監督をお願いしました」と説明。阪本監督は「まさか任されることになるとは…と思いましたが、原田が資金を出し、自ら企画した映画。短編から始まり3年がかりで長編映画をやっと作ることができました」と感慨深い様子を見せた。 本作の魅力的なロケ地について質問が及ぶと、阪本監督は「長屋や江戸の建物は、京都にある東映や松竹の撮影所で既にあるセットの飾りを変え使いました。また、“おわい船”の場面は、栃木や群馬などいろんな県にまたがった巨大な貯水池“渡良瀬遊水地”で撮影しました。実際の川を使うと現代的な建物やコンクリートが入ってきてしまうので、ほぼ360℃それらが見えない池を使って川に見立てました」。 最後にMCから、黒木華や寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市など非常に豪華な俳優陣が集結した理由について問われると、阪本監督は「今回はチーム阪本ではなくて、チーム原田だった。原田満生は素晴らしい数々の映画作品の美術を手掛けていて、彼がこのテーマの映画を撮るとなった時に、彼を信頼しているキャストたちが集まってくれたのが非常に大きな力になった」と明かすと、原田は「この映画がなぜ作られるのか?、なぜ今必要なのか?、YOIHI PROJECTがやろうとしていることに皆が共感してくれたんです」と、キャストとスタッフ陣に感謝を表した。 |
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映画『せかいのおきく』4月28日(金)GW全国公開 http://sekainookiku.jp/ |
脚本・監督:阪本順治
出演:黒木華 寛一郎 池松壮亮 眞木蔵人 佐藤浩市 石橋蓮司
配給:東京テアトル/U-NEXT/リトルモア 第52回 ロッテルダム国際映画祭ビッグスクリーンコンペティション正式出品
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