場面写真到着第72回ベルリン国際映画祭に出品され、世界が熱視線を送る三宅唱監督の最新作『ケイコ 目を澄ませて』。 解禁したのは、ケイコと彼女のまわりに生きる登場人物たちの日常を切り取った場面写真。 |
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コメント一覧※敬称略・順不同 光と闇と運動を求める三宅唱の歩みは留まるところを知らず、この国ではもはや他の追随を許していない(が、何とかついていきたい)。 岸井ゆきのは、間違いなく天才! ボクシングは練習の積み重ね。 地味な努力を継続する才能が必要。 岸井さんが、ケイコさんが積み重ねた、その日々に泣いた。 静かな世界が、こんなに熱く、美しいなんて。 間違いなく傑作! 1作ごとに驚異的な進化をとげる三宅唱の現時点での最高傑作。いろいろと素晴らしい点は多いが、特に日記の使い方に感動した。 ケイコの一挙手一投足、その表情から目が離せない。 素晴らしかった。あっという間の99分。 岸井ゆきのは、拳だ。 氷の音、水道の音、雨の音、川の音。水が媒介するように室内から外へと拡がる音響空間に恵みを感じる。一方、この映画にはサイレントの位相がある。音が届かないケイコは「目を澄ませて」、朝の光が川面に反射し、夜の列車が光を明滅させ、橋の下にまだら模様を作るような、光と影の響き合う世界に身体を浸す。グローブとミット、拳と空気の共振れはダンスの身ぶりのよう。痛覚と愉楽が混在したその生の闘いは、岸井ゆきのと三宅唱監督の闘いでもある。 誰かの動きをじっと見つめること。 ケイコに<声>はない。けれど、彼女の<まなざし>は情熱や葛藤、憤りや哀しみを雄弁に可視化させる。まるで、かつて映画が無声として始まった歴史に倣いながら、<声>を“想像”≠“創造”させているかのようだ。 純度の高い映画を撮ろう、という澄明な意志の強さに涙が出る。岸井ゆきのの顔、あ 岸井ゆきのは食べっぷりがすごいと共通の知人から聞いたことがある。ちっちゃい体にエネルギーを溜め込み、機を見て爆発する彼女はボクサーそのものだ。まるでコヨーテのように本能のまま相手に襲い掛かるゆきの/ケイコの躍動を三宅唱が持ち前のリズム感で捉え、エモーショナルなパンチが胸に突き刺さる快作。 三宅唱監督の新作映画は、無駄なものを削ぎ、私たちの社会の中心に横たわる何か、つまりすべての人が限界を超えてでも自分を表現できる可能性を描く。岸井ゆきのが放つ圧倒的熱量に、心が動かされる。 |
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映画『ケイコ 目を澄ませて』2022年全国ロードショー予定です。 公式サイト: 公式twitter: |
岸井ゆきの
三浦誠己 松浦慎一郎 佐藤緋美
中原ナナ 足立智充 清水優 丈太郎 安光隆太郎
渡辺真起子 中村優子
中島ひろ子 仙道敦子 / 三浦友和
監督:三宅唱
原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)
脚本:三宅唱 酒井雅秋
制作プロダクション:ザフール
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2022年/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/99分
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS