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『映画 太陽の子』特別上映会

2021年に公開し、主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の豪華共演で、”日本の原爆研究”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの、等身大の姿を描いた青春グラフィティ『映画 太陽の子』。
『映画 太陽の子』
8月5日(金)に特別上映会が行われ、本作監督の黒崎博、プロデューサーの森・コウ、浜野高宏をトークゲストに舞台挨拶を開催すると共に、本作のテーマに沿った“若者の未来を語らう”ウクライナ支援を目的としたトークセッションも同時開催いたしました。トークセッションには、ウクライナの今のリアルを知るべく現地で取材を続けたジャーナリスト新田義貴さん、戦火を逃れて来日した在日ウクライナの若者・工藤ディマさん、ヤフー(株)ウクライナ避難民支援担当の安田健志さんをお招きし、ウクライナの今と未来を考えました。

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『映画 太陽の子』特別上映会

FOR THE FUTURE 〜未来へつなぐ〜」・10年プロジェクト『映画 太陽の子』特別上映会
映画 太陽の子上映会
日時:2022年8月5日(金)
場所:シダックス カルチャーホール
登壇:黒崎博監督、プロデューサー・森・コウ、浜野高宏、土屋勝裕

公開から一年、8月6日という忘れてはいけないこの日を前に、『映画 太陽の子』10年プロジェクトとして、同作の特別上映会が満員のシダックス カルチャーホールで実施され、黒崎博監督、森・コウプロデューサー、浜野高宏プロデューサー、飛び入り参加の土屋勝裕プロデューサーが、作品にこめた思い、キャストと作り上げた現場の思い出などを振り返る盛りだくさんのトークが展開された。
まず今回の「10年プロジェクト」について質問が向けられると、プロデューサーの土屋は「映画でもテレビでも放送したら終わりということがあるが、まだまだこの「映画 太陽の子」を届けていきたいし、新しい世代も育ってくると思うので、そういった子供たちに伝えていきたい」と、説明すると、黒崎監督も「いろんなテーマをはらんだ作品。去年と今年だけみても(時代や環境が変わっているので)見る意味が違ってくる。10年かけてその時々で見る意味が豊かになっていくと思う」と10年プロジェクトの意義を力強く語った。
そして話題は2019年撮影当時、京都撮影期間中に同じ宿を共にしたキャスト・スタッフたちの話へ。黒崎監督が振り返る「ハードスケジュールの撮影でしたが、それでも時間ひねりだしてキャストと飲みに行く機会が何回かはありました。翌朝朝3時出発なのに12時まで3人たちとご飯を食べに行ったりして、プロデューサーに怒られる、なんてこともありました。でも、そういった時間はとても貴重で、兄、弟の関係を超えて、お互いにリスペクトしあう柳楽さん三浦さん、そんな男性陣から有村さんへのリスペクト。それぞれが尊重し合っている感じがあり、とても楽しい席でした」。暑い夏の撮影中のエピソードでは「柳楽君と春馬君が炎天下の賀茂川で何回も全力疾走するシーン。1日の終わりには二人ともグロッキーになってしまうくらい、全力で走っていただきました。撮影の合間にふと二人の姿が消え、森プロデューサーに電話したら「近くの店でかき氷食べてる」っていうので「すぐいきます」と合流しました」と茶目っ気まじりに夏の日の一コマを懐かしんだ。一方で土屋プロデューサーが「衣装合わせの時の準備がすごく、この撮影チームの熱量を感じた」と話すと、黒崎監督は続けて「衣装合わせはキャストと制作陣の世界観のファーストコンタクトで作品世界に入ってきてもらう第一歩です。そこはとても大事にしていますが、助監督や衣装デザイナーの宮本さんたち美術チームが深く理解してくれていて、主演から子役にいたるまで、少しでも想像力を膨らませてもらうために大きなボードにイメージをつけて、写真や手紙など、壁一面になるくらい。それを見ながら話して、衣装を決めていきました。そういったきめの細かさ、スタッフ一人一人の熱量が助けてくれた」と語った。
同時に開催されるウクライナトークセッションへの想いを聞かれた浜野プロデューサーは「この物語は史実を元にしたドラマですが、そこには現代に通じるテーマが描かれています。戦争と平和、大事な時にどう夢を追いかけていけばよいかということはすごく考えてきました。(その映画のテーマは)いろんなところで今もテーマとしてあり、通じるところがあり、この映画は意味のあるものになっていると思います。この作品を作ってきた僕らに、何かできることがあるんじゃないか、ということでウクライナ支援のトークイベントも実施に至りました。“戦争と平和を考える”というテーマも今後も続けていけたらと思っている」と、その思いを語

り、黒崎監督も「大事なものを伝えなきゃ!という思いでこの作品を作りました。まさか2022年がこういう状態だとは思いもしない。今だから伝えることがある。まだまだ伝えることを諦めてはいけない。改めてスクリーンの中のみんなが今の僕たちにそう思わせてくれました。2022年の気分で本作をご覧いただいて、新しく何か発見したことでもあれば、この映画にとってとても大事だし幸せなことだと思います」と締め括った。

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ウクライナ若者支援

「FOR THE FUTURE 〜未来へつなぐ〜」ウクライナ若者支援特別トークセッション
ウクライナ若者支援『映画 太陽の子』
日時:2022年8月5日(金)
場所:シダックス カルチャーホール (渋谷区神南1-12-10シダックス カルチャービレッジ8F)
登壇(敬称略):映画監督・ジャーナリスト/ユーラシアビジョン代表・新田義貴、在日ウクライナの若者・工藤ディマ、
ヤフー(株)ウクライナ避難民支援担当 安田健志、進行:「映画 太陽の子」プロデューサー・浜野高宏
主催:グローカル・コンテンツ・アソシエーション
協賛:日本テーマパーク開発株式会社
制作協力:株式会社AMATELAS
ウクライナ展示協力:Kraiany 日本ウクライナ友好協会 
映像協力:Yahoo! Japan Creators Program

『映画 太陽の子』の製作チームを中心に有志が集って開催された特別トークセッション。『映画 太陽の子』は太平洋戦争下で、3人の若者が未来へ向けてそれぞれの人生を駆け抜ける様を描いた青春群像劇。“戦闘と平和”そして“若者の未来”へ馳せたその想いは、映画の枠を超えて生き続けるもの。そんな想いから、今現在、困難な状況にあるウクライナの現状を知り、未来ある若者たちに向けて私たちに何ができるのかを考え、そして行動に繋げるトークセッションを開催した。

まずはウクライナの今のリアルな実情を知るために、戦争勃発間もない頃から現地で取材を続けた映画監督・ジャーナリストでユーラシア・ビジョン代表の新田さんをお招きして、現地の様子をたっぷりと伺った。
もともと中東を中心に取材活動をされていた新田さんは、「ロシアという核保有国でしかも国連の常任理事国のロシアが軍事侵攻をする。そんな常識では考えられない歴史的事件、世界の仕組みを変えてしまう事件になるだろうと直感して日本を飛び出した」と当時の心境を振り返った。「前線に行くつもりだったが、メディアの前線での取材が禁止され、方針を変えて市民を撮ることにした。自分たちの文化や言語、土地や空気を守っていくんだ、という市民の団結は強く感じた」と語る新田さんが現地で納めた市民の映像を見ながら、現地の模様が紹介された。

厳戒令の中、土嚢(どのう)を作る若者たち、大火災で燃えさかる工場、爆撃を受けたマンション、アパートの地下シェルターで寝泊まりする子供など、戦火の過酷さがうかがえるものから、犬の散歩をする市民の何気ない日常まで「ウクライナの方は犬好きの方が多かった印象です。我々日本人となんら変わらない暮らしがあります。」と紹介。「戦争前と少しでも同じ暮らしをすることで平静を保っている所もあるのでは?」と付け加えた。その中でもひときわ客席の注目を集めたのがとある教会の映像。教会の敷地内に仮で埋められていたという近隣住民たちの遺体100体ほどが、掘り起こされる映像だった。黒い袋に包まれた生々しい遺体と思われる大量の袋たち。新田さんは「ウクライナ政府は『ここの被害は300人を超える』と言う一方で、ロシアは『ウクライナの自作自演のフェイクニュース』だと主張する。しかし医者や弁護士など裕福でネットリテラシーの高いような人が住むそのエリアで、自作自演など使用ものなら、SNSなどですぐに広まるはずで、そんなことがありえないのは一目瞭然で、自作自演とは言い難い。ただ、そんな中でも全貌を明らかにするのは難しくて、だからこそジャーナリストが一人でも多く現場に入って、警察などの権力とは別に、住民の話を聞いたり手分けをして事実を明らかにしていく必要があるのではないか」と訴えた。「現場に入って、自分の目で見たことを伝えていく。“戦争とメディア”という観点から言うと、ウクライナのテレビでは国旗がゆらゆら揺れていて。『戦争に勝つぞ!』というムードのものばかりです。ウクライナはそれなりのジャーナリズムのある国だと思いますが、戦争になるとそうなってしまうと思います。これは私たちも注意しなきゃいけない。心に刻んでおかなきゃいけないことだと思います」と締め括った。

そんな新田さんとちょうど入れ替わるように、3月に日本へ来日した工藤ディマさん(ウクライナでの名前はクドリャフツェフ・ドミトロー)は日本でアニメ声優になることを夢見た22歳。もともと日本語留学のためにビザを申請中に戦争が起き、3月にビザが降り、来日した。夢は「アニメ『ワンピース』に声優として出演する」こと。「声優の仕事をして自分の抑えきれない気持ちを出せるんじゃないかと思って。その仕事をしなかったら世界は急に色を失う」と日本で声優養成所に通い、夢を追いかけている。彼の家族はまだキーウにいて、多くの友達もまだ現地に残っているという。

 トークセッションの後半では、ヤフー株式会社のウクライナ避難民支援担当の安田さんをお招きして、Yahoo! JAPANが属するZホールディングスの支援活動を紹介。ウクライナ支援と検索すると1人につき10円が届く支援や、ウクライナの方々を支援する団体への寄付が100円からできるYahoo!ネット募金、ZOZOTOWNで実施したチャリティTシャツ販売(終了)、アスクルの特別商品開発と販売を通じたウクライナ人道危機救助金など、現地で活動している団体への支援を紹介。一方で、日本国内では、団体や自治体と企業をつなぐ事務局としての働きや、ウクライナ語で国や自治体、民間のウクライナ避難民支援情報や窓口をYahoo!ニュース上で発信、Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラムとしてウクライナとロシア双方の血を引く音楽プロデューサーのドキュメンタリーを配信、LINEニュース上で侵攻状況の発信などの活動を紹介したもらった。

最後に本イベントを締め括ったのは、『映画 太陽の子』プロデューサー、森・コウ。「戦争と平和、戦争に翻弄された若者たちの生き様を描く『映画 太陽の子』の上映だけでなく、現状起っていることを伝えていけないか?そこに対して正しい理解をして、その上でなにか動けることがないか?ということで今回のイベントを開催しました。今後も活動を展開していきたい」と抱負を語った。

また、50世帯のウクライナ避難民受入れを表明した日本テーマパーク開発株式会社(https://nippon-themepark.co.jp/)が、ウクライナの方々に呼びかけるVTRを紹介し、会場には日本ウクライナ友好協会KRAIANY
https://www.kraiany.org/ja/)が提供したウクライナの戦争前と戦争後の写真が掲げられていた。同協会代表のイーゴルさんは、会の中で、「現地の支援、そして1000人を越えた避難民の支援をきめ細かく行なっていく」と話した。
この日、会場ではウクライナ支援の募金活動も行われたほか、ウクライナの人々へ支援の思いを届けるため、イベント参加者がウクライナ語で「ウクライナに幸せを!」とエールを送る特別動画も撮影された。

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『映画 太陽の子』

DVD&Blu-ray 発売中

https://taiyounoko-movie.jp/

ストーリー
静かな涙が、あふれる夏になるーー 悩んで、泣いて、笑った3人の300日!
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失なった幼馴染の朝倉世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せkな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏側にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とはーー?

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柳楽優弥 有村架純 三浦春馬 田中裕子 國村隼 イッセー尾形 山本晋也 ピーター・ストーメア 三浦誠己 宇野祥平 尾上寛之 渡辺大知 葉山奨之 奥野瑛太 土居志央梨 
監督・脚本:黒崎博 「ひよっこ」「青天を衝け」
音楽:ニコ・ミューリー 『愛を読むひと』
主題歌:「彼方で」 福山雅治  (アミューズ/ユニバーサルJ)
プロデューサー:コウ・モリ 土屋勝裕 浜野高宏 エグゼクティブプロデューサー:井上義久 山口晋 佐野昇平 森田篤 松井智 有馬一昭 東原邦明 共同プロデューサー:山岸秀樹 松平保久 淺見朋子 
撮影:相馬和典 照明:鈴木岳 録音:弦巻裕 美術:小川冨美夫 衣装:宮本茉莉 ヘアメイク:永江三千子 スクリプター:天池芳美 助監督:柿田裕左 制作担当:篠宮隆浩 キャスティング:おおずさわこ 
編集:大庭弘之 サウンドデザイン:マット・ヴォウレス カラリスト:アロン・ピーク VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
制作:KOMODO PRODUCTIONS
宣伝:KICCORIT
配給:イオンエンターテイメント
製作:「太陽の子」フィルムパートナーズ 
Presented by ELEVEN ARTS STUDIOS / NHK ©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ  
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