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沖縄本土復帰50年記念

映画「ひめゆりの塔」は繰り返しリメイクされる反戦映画の名作。
10代の少女たちで編成されたひめゆり学徒の悲劇である。だが、沖縄戦で看護学徒として動員されたのは、ひめゆりだけではない。多くは知らないが、沖縄県立第二高等女学校の4年生56名の生徒から編成された白梅学徒もその一つ。

証言をもとにドラマ部分を制作。若き女優たちが白梅学徒たちの活動を再現。ドキュメンタリーと再現ドラマにより、沖縄戦とは何であったか、多くの日本人が知らない白梅学徒という存在、戦争の悲しさを伝える。
乙女たちの沖縄戦_ドキュメンタリー乙女たちの沖縄戦
『乙女たちの沖縄戦~白梅学徒の記録〜』の公開を前に、唯一ドキュメンタリーパートとドラマパートの両方に出演した森田朋依のオフィシャルインタビューが到着しました。乙女たちの沖縄戦_ドキュメンタリー部分4_森田朋依

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森田朋依インタビュー

森田朋依_乙女たちの沖縄戦ポスター
Q:出演が決まって、本作の題材にどう取り組もうと思いましたか?

それまで私は沖縄戦についてほぼ知らなく、特に知ろうとしていなかったです。多くの方がそうだと思います。そんな方たちに沖縄戦、戦争の恐ろしさを知ってもらえる作品にしたいと思いました。

Q:役者さんなので、ドキュメンタリー部分にも出演することになったのはびっくりしたかと思いますが、インタビューには何を念頭に取り組みましたか?

戦争の話だからといって初めから全て怖いこと、間違ったことと思いこまずに、話してくださることを素直に聞こうと思いました。

Q:元白梅隊の中山きくさんと武村豊さんをインタビューして、本だけではわからなかったことも感じましたか?

本は知識としては入ってきますが、楽しかったこと、大変だったことを目の前でお話ししていただいて、沖縄戦は教科書の1ページではなく、生身の人間が体験したのだと身に染みました。時には少女のようなお顔だったのが印象的でした。

また、きくさんや豊さんが77年前のことなのに細かく覚えていることにびっくりしました。それだけ深く心に刻まれた経験なのだと思いました。

Q:お姉さんが白梅学徒だったという沖縄戦・精神保健研究所 会長の當山富士子さんをインタビューして、どのようなことを感じましたか?

富士子さんのお話を聞いて、戦後生まれでも間接的に苦しんでいる方もたくさんいることを知りました。慰霊の日前後は両親がうつ状態で、戦前優しかったという親戚のおじさんはいつもお酒を飲んで怒っている。そんな家族の姿を見てどれだけ辛かったかが伝わってきました。戦争の後の心のケアがどれだけ大事かわかりました。

Q:ドラマ部分の脚本を読んだ時の感想を教えてください。

ドキュメンタリーの取材で行った八重瀬の病院壕跡を思い出しました。約2ヶ月あそこで毎日働いた白梅学徒の方々のお話や資料で特に印象深かったシーンがピックアップされていると思いました。

30分では短いですが、その限られた時間でどうやったら伝えられるかを考えました。

Q:上原友子役でしたが、どのように役作りしましたか?

名前は違いましたが、(中山)きくさんがモデルです。しっかり者で優しいきくさんをイメージしました。

Q:中山きくさんと武村豊さんお二人から聞いたことで演じる上で念頭に置いたことはありますか?

今回上原友子を演じるに当たって念頭に置いたことは、「お国のために」と強く信じる気持ちです。きくさんに初めてお会いした時、「野戦病院に行くのは怖くなかったんですか?」と聞きました。「その時はそれが当たり前。お国のために行けるのが誇らしかった」とおっしゃっていました。豊さんも家族の反対を押し切ってまで向かいました。1番軍事教育の影響を受けていた10代の子達は純粋にそれが正しいと信じていました。だからお国のためならどんな辛いことでも我慢して頑張れたのです。その気持ちを忘れないよう演じようと思いました。

Q:松村監督からは撮影前などに何かお話はありましたか?

松村監督からは、「森田さんが沖縄で取材をして感じた通りに演じてください」と言われました。

Q:森田さんだけ元白梅隊の方にお会いしていましたが、他の出演者から何か聞かれましたか?

他の出演者に戦争体験者からお話を聞いた事がある方がいませんでした。率直に「沖縄はどうでしたか?」と聞かれたのできくさんや豊さん、富士子さんのお話で感じたことや、何も言われなかったら観光地の鍾乳洞にしか見えない病院壕跡のことをお伝えしました。

Q:ドラマ部分の撮影でのエピソードはありますか?

ドラマパートは大雪が降った次の日からの撮影だったのですが、私達は半袖のもんぺに上履き姿…。足の感覚はなくなり、凍えそうでした。そんな中ロケ地の方々が温かい汁物や甘酒を差し入れてくれたのが嬉しかったです。

Q:完成した映画をご覧になった感想はいかがでしたか?

「恐ろしい沖縄戦」というだけでなく、沖縄のあたたかさ、明るさも出ていると思いました。去年末までの私みたいに沖縄戦についてないも知らない方々でも観やすいと思います。

Q:本作の見どころはどこだと思いますか?

きくさんや豊さんのお話の後のドラマパートです。思い描いていた学生生活とはまったく異なってしまった彼女達の青春時代を観てください。

Q:読者にメッセージをお願いします。

沖縄戦の事をほとんど知らなかった聞き手の”森田朋依”と一緒に少しずつ白梅学徒の事を知っていく映画になっています。戦争ものだからといって身構える必要はありません。戦争は恐ろしいものですが、そんな中彼女達は希望を持ちながら生きていたのです。感じ方は人それぞれですが、知る事が大事です。どうか彼女達の体験を知ってください!

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『乙女たちの沖縄戦~白梅学徒の記録〜』

8月2日(火)より東京都写真美術館ホールにて公開

公式サイト:
http://otometachinookinawasen.com

公式ツイッター:
@otomeokinawasen
乙女たちの沖縄戦
ドキュメンタリーパートは『ドキュメンタリー沖縄戦〜知られざる悲しみの記憶〜』、原発事故の悲劇を描いた劇映画『朝日のあたる家』(山本太郎出演)の太田隆文が監督。ドラマパートは『サクラ花 -桜花最期の特攻-』、『祈り〜幻に長崎を想う刻(とき)』(高島礼子・黒谷友香主演)など戦争悲劇を描き続ける松村克哉が監督。ドキュメンタリーパート90分、ドラマパート30分の構成になっている。

米軍統治下に置かれていた沖縄が日本本土に復帰して50年を迎えたことを記念して、8月2日(火)から東京都写真美術館ホール、名古屋シネマテーク、長野・千石劇場、8月5日(金)から京都みなみ会館、8月6日(土)から横浜シネマ ジャック&ベティ、大阪・シアターセブン、沖縄・桜坂劇場、8月12日(金)から大分・別府ブルーバード劇場にて上映される。
東京都写真美術館ホールでの公開時には、2020年に公開した太田隆文監督の『ドキュメンタリー沖縄戦』の同時上映を、名古屋シネマテークでは日替わり上映を行う。


たった18日間の看護教育を受けただけで八重瀬岳にある第一野戦病院に配属。負傷した日本兵が次々に運び込まれて、ベッドも足りなくなる。多くの兵士は床や通路に寝かされた。負傷兵は治療するよりも腕や足をノコギリで切り落とすしかないことが多かった。そんな手術の手伝いをしたのが10代の女子、白梅学徒たちである。

兵士の傷口に湧いたウジを取る。ズボンに溜まった何日分もの糞尿の処理。つい先日まで青春を謳歌していた10代の女子たち。やがて病院壕にも米軍が迫り、歩けない兵士たちを医師たちが薬で毒殺。学徒たちも米軍の攻撃にさらされて命を散らしていく。今も健在で取材が可能な白梅学徒はごく僅か。90代の中山きくさんと、武村豊さんが当時の状況をリアルに語る。

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ドラマパート

出演
實川結 森田朋依 實川加賀美 永井ゆみ 城之内正明 響一真 加藤亮佑 冴羽一 海老沢貴志
藤 真由美 布施 博 

監督:松村克弥 脚本:太田隆文
撮影:はやしまこと(j.s.c) 照明:濱本修二 録音:小畑智寛 美術:安藤篤 装飾:畠山和久 
編集:松村克弥 ヘアメイク:小川千尋 キャスティング: 小森清一 衣装・着付:鈴木典子

ドキュメンタリーパート

証言者
中山きく 武村豊 當山富士子 大宣味ハル子 我喜屋敏子 大城千代子 翁長健治 山内平三郎
聞き手/森田朋依

構成・監督:太田隆文
撮影・録音:有国浩 編集:太田隆文 コーディネーター:宇山祐明

プロデューサー:  亀和夫 城之内景子
製作: Kムーブ 制作協力: サクラプロジェクト 青空映画舎 配給:渋谷プロダクション
2022/STEREO/JAPAN/DCP/118min/ ©Kムーブ

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