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フィリピンから届いたゾンビ・ムービー

フィリピンから届いたゾンビ・ムービー『恋するボクとゾンビの呪い』が7月16日(土)に東京で公開を迎え、東京・新宿のK‘s cinemaで公開記念トークショーが行われました。
トークショーには、美術家、文筆家、非建築家、ドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤が登壇。雨天の蒸し暑さを吹き飛ばす涼やかな蝶のような衣装で、楽しいトークを繰り広げた。
ヴィヴィアン佐藤『恋するボクとゾンビの呪い』
日付:7月16日(土)
場所:東京・新宿のK‘s cinema
登壇:ヴィヴィアン佐藤

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ヴィヴィアン佐藤 登壇

主人公の男の子レミントンは、幼い頃ゲイをからかったことで、将来ゲイになると呪いをかけられ、21歳の誕生日を前に、話し方、好みなどが、少しずつ変化していく。レミントンが3回ぐらい「誰か」に襲われ、それが夢なのか現実なのかわからない、朝起きてみると徐々に異変が起きてくる、という作り になっている。そういうシーンに関して「少し見覚えがあるなと思ったら、大林宜彦監督の『転校生』や、アニメの新海誠の『君の名は。』、山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』という日本の典型的アニメにある「入れ替わり」を少し踏襲している気がするんですよ。「おれがあいつであいつがおれで」というくだりは、自分と他人が入れ替わる、それは時代が違ったり、特に異性だったりすることが多いんですね。この映画の場合も、言ってみれば異性と言える。でも誰かと入れ替わるのではない。誰かというのは、そもそも自分の中にいたんじゃないか。『転校生』や『君の名は』も、赤の他人ではなくて元々分裂した、もう一人の自分が世の中に、もしくは違う時代に居たのではないか、という仮説です。ですので、どなたも異性の自分が自分の中に共存しているのではないか。最後に父親がバクラになってしまうけれど、完全に他人に変わってしまう訳ではなく、元々持っていたかもしれない面が出てきたのかなと思いましたね。」と語る。
 
また、本作では町長や警察官を女性が務め町を収めているが、「父親は自分と違う生き方をされると戸惑うんですが、女性は他者と共存できる。例えば子供が絶対に面倒を自分が見ると言ってカブトムシを飼っても、結局は見なくなって、母親が世話をすることになる。本来自分の人生で、虫をいじったり、釣りに行ってゴカイをいじったりするとは思わなかったはず。でも仕方なくやる。母性は自分とは違うものを受け入れたり、許容したり、包み込むようなところがある。本作の町長、警察官、皆女性ですが、あっけらかんとしていて、バクラのことを理解できなくてもいい。理解できないなら、それはそれで共存して楽しもうとする。女性は割とそういうところがあると思いますね。」と語る。
 
本作の題材がB級である事にも触れて、「今、ジョン・ウォーターズの文章を書いているんですが、皆『ピンク・フラミンゴ』最高だと言うけど、今のB級映画、スカムの映画をちゃんと見てるの?と思うんです。この作品は10年前のですが、現在進行形のものを見て、色々とアンテナを張って欲しいなと思います。」と締めくくった。

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『恋するボクとゾンビの呪い』

7月16日(土)より全国順次公開中

https://koi-zon.com

STORY
フィリピンの地方の町ルクバン。この町で生まれ育った少年レミントンは、ゲイの大人をからかったため、ある呪いをかけられてしま
う。15年後、偶然出会った女の子ハンナに一目惚れし、なんとか近付きたいと頑張る彼は、21歳の誕生日を前に、自分が少しずつ
変化しているのに気づく…。

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出演:マーティン・エスクデーロ、ローレン・ヤン、カービー・ザモーラ、マリアン・リヴェラ、ロデリック・パウラーテ、ユージ
ン・ドミンゴ『ある理髪師の物語』、オデット・カーン
プロデューサー:レイモンド・リー
脚本:レイモンド・リー、ミチコ・ヤマモト『牢獄処刑人』、ジェイド・カストロ
監督:ジェイド・カストロ 『LSS:ラスト・ソング・シンドローム』
配給:スノーフレイク

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