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保谷聖耀監督『宇宙人の画家』

この度、7月7日より開催される「第26回富川国際ファンタスティック映画祭」に日本映画としては唯一、国際コンペティション長編部門“Bucheon Choice”に選出された保谷聖耀(ほたに・せいよう)監督『宇宙人の画家』。国内では今週末7月2日(土)より新宿K’s cinema、アップリンク吉祥寺より劇場公開となります。
宇宙人の画家
つきましては、初日舞台挨拶、イベントが決定しました。
また各界のコアな識者より絶賛コメントも到着しました。

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『宇宙人の画家』初週イベント

7/2(土)【新宿K’s cinema】初日舞台挨拶
➀16:20の上映後・②18:30の上映前
登壇者:渡邊邦彦、丸山由生立、大迫茂生、平澤由理、みやたに、保谷聖耀監督

7/2(土)【アップリンク吉祥寺】初日舞台挨拶
レイトショー上映前
登壇者:丸山由生立、大迫茂生、平澤由理、みやたに、保谷聖耀監督

7/3(日)【新宿K’s cinema】トーク
16:20の上映後 
登壇者:後藤護(暗黒批評)、保谷聖耀監督

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絶賛コメントも到着

「宇宙人の画家」を絶賛したい!
まず、日本でこのようなスケールの大きい奇想天外な映画を作る監督が存在することに驚いた。内容はアニメと実写、カラーとモノクロ、場面の混合に違和感がなく、マンガのようで、それでいてそれをしのぐ迫力に圧倒された。
小野耕世(映画評論家)
 
映画とアニメーションと漫画とが相互にそれぞれの境界を侵犯し合い、虚構が現実を食い破る。テイヤール・ド・シャルダンのオメガ点と石原莞爾の世界最終戦論と中学生の妄想とセカイ系と呂布カルマのラップとが混然一体となりながら、中学校のカースト争
いは弥勒菩薩的コズミック・ヴィジョンへと次元上昇する。東亜新秩序なんてみみっちい。目指すは宇宙新秩序だ。くだらない既成概念も気に入らない奴らも、まとめて窓から全部放り投げろ!
木澤佐登志(文筆家)
 
不穏で不安な裏日本なれど不思議と一市民として暮らしたい思いに駆られてしまう。その明確な理由がまさか作中で突きつけられるとは、ひっくり返る。世界も俺も。
かつて舞台演劇に通い、コアな映画の DVD を買い漁り渇望していた「あの味」がする。
石黒正数(漫画家)
 
本当に恐ろしいのは「抑圧」でも「退屈」でもなく、「この現実の現実感の無さ」だ。
キレた虚構は白昼夢のように露光した現実を軽々と突破し塗り替えていく。
スパイ v.s.ラッパーも宇宙を進む観音像も呂布カルマの光る目も、マジでありそうで笑えない。夜中にひとりで見なきゃよかった。
石原正晴(SuiseiNoboAz )
 
たしかに光は見えた。宇宙人の画家とは光の画家。善き光、悪しき光、虚無の光、警告の光、真理の光。しかしここはどうしてもピカドンだ。あのアニメーションに日本人なら”被爆“を思い出す。悪人を滅ぼすとはいえ、達磨光現器も兵器である。あれば必ず使いたくなるのが兵器というものだ。大観音像のかすめるように飛ぶ飛行機は、3.11 の悪夢である。小動物や植物、自然へのまなざしに諸行無常を感じます。ダークな大林宣彦か、とふと思いました。
岩沢房代(ライター)
 
誰が呼んだか、「少年少女空想科学活劇映画」とは言い得て妙。映画には放電が必要だというのは稲生平太郎氏の理論の一つだが、本作はその説の正しさを証明する一作であり、いわば「光」物のサブジャンルである「光る眼」物に属していて、さらにここではダルマが光を発するのだから、これ以上何を望もうか。この映画の眩しさに不意打ちされた人々は、きっと目を輝かせることだろう。
若島正(年金生活者、詰将棋作家、チェスプロブレム作家、翻訳家、京都大学名誉教授)
 
年取って初期衝動が薄れつつある身には、眩しく輝いて見える初期衝動の塊のような映画でした。
新鮮に感じる映画表現も多く、大変刺激を受けました。
花くまゆうさく(漫画家)
 
続々と湧き出す疑問符を置いてきぼりにして、この映画は突き進む。しかしもはや、映画に「解決」など「もう、どうでもいいコト」だと思うネ。「登場人物の誰もが主役であり、脇役でありうる」というコトも含め、「21 世紀も 20 年経てば、こんな映画が出てくるんだなぁ」
と思った。
長嶌寛幸(音楽家)
 
ジャンルとしては「少年少女空想科学活劇映画」ということで、いろんな要素で映画は構築されておりました。要は、観音様の救いの光が重要なテーマで、加賀市の巨大観音像が象徴的に画面に出てきます。最後は世界の浄化となります……。監督の名に耀という文字がありますが、それですわ。テーマは。
中山市朗(作家、怪異蒐集家、オカルト研究家)
 
これは観ないといけないと思った直感は正しかった。
ただ、これは語れば語るに落ちる、観る事に意味のある蜃気楼の様な映画なので、あまり多く語る事は出来ない。なので、あえて雑な喩えで感想を言うなら「アピチャッポンが撮った『去年マリエンバートで』をセンス良い編集と映像技術で丁寧に仕上げた様な映画」あるいは「昔深夜映画で途中から観て独特なセンスが妙に心に引っ掛かっているんだけど、詳細が判らずに何だかよく解らないままになっている映画」とでもいう印象だろうか。カラーパート、モノクロパート、全ての画面、動きに「駄目な絵」がほとんどなく、さりげないながらも繊細な工夫と洗練された映像美学が通底している。ぬるい映画に飽き飽きした、アート好みの方は機会があれば是非観て下さい。
これは超お薦めです。
稲羽白菟(推理作家)
 
素晴らしい青春映画でした。思春期に感じる挫折、嫉妬、スクールカースト、いじめ、優生思想、そして失恋。世界なんて滅びてしまえば良い、あるいは愛する人以外は死んでしまって構わない。そんな自己の救済を漫画に託し世界の破壊を願ういじめられっ子の少年の心情にシンクロした瞬間、心掴まれました。中高生にはリアルであり、おじさんには甘酸っぱい青春映画。見終わって直ぐに思ったのは、『天気の子』と大林宣彦の『おかしな二人』でした。
丸山靖博(プロデューサー、株式会社ロボット コンテンツ本部長)
 
カラーとモノトーンで描かれる入れ子構造の二つの世界。呪縛的ラップによって K 市を支配する虚無ダルマ。虚無ダルマとは虚無の法。
総破壊への衝動を秘めた暗黒啓蒙。ラッパー呂布、『阿吽』の渡邊邦彦に加え、畏友横山茂雄の地のままの怪演が光る約2時間はあっというまの黙示録的パンク夢幻能。
武田崇元(秘教学研究家、霊的ボリシェヴィキ提唱者、雑誌「ムー」創刊顧問、八幡書店社主)
 
とっても面白かった。カルト映画扱いされそうな不思議な作品だけど。
映画のキーマン、マルヤマは『地球に落ちてきた男』デヴィッド・ボウイを想起させる。やはり中学生の頃、学校の前の電柱に隣町の映画館のオールナイト上映のポスターが貼ってあって、それが『地球に落ちてきた男』だった。変な話で何がなんだか分からなかったが、冒頭川の水を掬って飲むボウイと、最後、山積みになったテレビを見るボウイの姿は胸に刺さって未だに忘れられない。『宇宙人の画家』は、是非とも若い方々に観てもらいたいし、かつて『三つ目がとおる』や『少年ドラマシリーズ』に熱中した世代にも観てもらいたい。今どき珍しい、真っ直ぐな真っ当な、稀有な作品だと思う。
にいやなおゆき(アニメーション作家

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『宇宙人の画家』

2022年7月2日(土)新宿K’s cinema、アップリンク吉祥寺にてロードショー!以降全国順次公開

@alienartist/

少年の紡ぐ物語が暗黒の現実を浸蝕し、やがて真実の光を放つ
ディストピアから天上の涅槃へと跳躍する恐るべきネオSFサスペンス

ある片田舎の中学校。転校生オサムは、廊下で一人の少年ホウスケが同級生に自作の漫画を汚されているのを目撃する。漫画の題名は「虚無ダルマ」。それは、フリースタイル説法で街を支配する〈虚無ダルマ〉と米国のスパイであるジョージ・ワタナベらが、達磨光現器と呼ばれる謎めいた機械をめぐり繰り広げる暗黒の活劇漫画だった…。漫画の世界と現実が次第に混濁していくなかで、ホウスケは〈虚無ダルマ〉の組織で働く謎の青年「マルヤマ」の姿を見る。憑かれたような表情で登校したホウスケは、不思議な言葉を全校生徒に向かって叫ぶ。「宇宙人の画家の絵を見た」と。
ジョン・カーペンターを思わせるサスペンス、タルコフスキー的霊性、『ファンタスティック・プラネット』の如きディストピア世界を随所に彷彿とさせつつも、本作はそのどれにも似ていない。出演は、ラッパーの呂布カルマ、お笑い芸人のシソンヌじろう、作家の稲生平太郎、グラビアアイドルの桐山瑠衣ら、これまた独特のキャスティング。加えて仏教や太平洋戦争、満州国などにまつわる偽史的要素も盛り込み、近年の映画には無い全く特異な世界を作り上げている。〈ネオSFサスペンス〉とでも呼ぶしかない、圧倒的なスケールで描く新世代日本映画がここに誕生した!
宇宙人の画家宇宙人の画家宇宙人の画家宇宙人の画家宇宙人の画家

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出演:渡邊邦彦、丸山由生立、呂布000カルマ、桐山瑠衣、大迫茂生、シソンヌじろう、平澤由理、みやたに、稲生平太郎、近藤佑磨、杉本心、グーギンズ古田光、山本詩、阿部賢太、石澤彩、速水胡太朗、小林優太、菅原聡、高井咲綺、吉本恵莉菜
監督・編集・動画:保谷聖耀/脚本:京阪一二三/製作総指揮:小野寺生哉/制作:大坂健太、瀧源裕仁/製作:細川博史/撮影:新谷瞭、畠山康平、保谷聖耀/ドローン撮影:クーロン黒沢/照明:宮向隆/俗音:近藤崇生/特殊造形:岡田歩/仏像制作:長谷川琢士
CGI:河童和尚、保谷聖耀/ヘアメイク:角谷美由紀/音楽:yuichi NAGAO/挿入歌:呂布000カルマ
企画・製作:一般社団法人映画の会、竪町商店街振興組合/配給・宣伝:ブライトホース・フィルム

2021年 | 日本 | 97分 | DCP
© 2022,Eiga-no-kai

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