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『マイスモールランド』完成披露試写会是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作『マイスモールランド』が5/6公開となります。 在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の在日クルド人の主人公サーリャ(嵐莉菜)が理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく物語を描いた本作の完成披露試写会に主演の嵐莉菜、奥平大兼、川和田恵真監督らが登壇しました。 『マイスモールランド』完成披露試写会日程:4月11日(月) |
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嵐莉菜、奥平大兼、川和田恵真監督 登壇ViVi専属モデルとして活躍中の現役高校生でありながら、映画初出演にして見事初主演を務め上げた嵐莉菜。自身も5カ国のルーツを持ち、ほぼ演技未経験ながら本作にはオーディションで選ばれた嵐は、最初「演技の先輩が多い現場で、足を引っ張ってしまうんじゃないかという不安は常にあった」と言う しかし「この役を絶対演じたいという気持ち」でやり切ったと、撮影を振りかえり、続いて映画『MOTHER マザー』で新人賞を総なめ!続々と話題のドラマにも出演し大活躍、本作が映画出演2作目となる18歳の奥平大兼も「やっぱり自分は映画で始まった身というのはすごく自分の中で意識があったので、二年ぶりに映画に戻ってきたなというのはすごく感じていて」と感慨深く語り「だからこそすごく意気込んじゃったりとかもあったんですけど、でもやっぱりクランクイン前はすごく楽しみでしたね」と明かした。 そんな2人の話を受けて、キャスティングの理由を明かした川和田監督。 奥平に関しては「オーディションに来てくれた時に、今は結構大人になったなと思うんですけど、あの時はすごく長い袖の服を引っ張っているような、もうちょっと幼かった印象で。まだ青年になり切っていない青年というか、そこがいいなと思って」「このサーリャの複雑さを受け止める演技、聞いていく役割として、奥平さんが持っている素朴さだったり、フラットさがすごく大事になるな」と、それぞれのキャスティングの決め手を語った。 現場での嵐についても語った川和田監督。「すべてサーリャのシーンですし、出ずっぱりで、初めてで大変だったと思います、でもそれを感じさせない天真爛漫な姿でいつも堂々とカメラの前に立ってくれて。シリアスなシーンも多かったり、精神的につらい時もあったと思いますけど、自分の感じたことを伝えてくれたので、私も自分の思いを伝えながら2人でサーリャを作り上げていった感覚でした」と思い返した。 最後、嵐莉菜【初】主演であり、川和田恵真【初】監督、そして、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭において日本【初】のアムネスティ国際映画賞からの《特別表彰》栄誉など<初>だらけのフレッシュなキーワードが揃ったことにちなみ「初めての体験に関して教えてください」と質問された3人。 嵐は「私が涙を流すシーンで<カット>がかかって、監督の所へ行ったたら監督も号泣していたんです!自分の演技を人が見て感情を動かせたというか、感動してくださったのが嬉しくて、その瞬間を見て、これまでやってきてよかったなと思いましたし、残りも、もっと努力し続けようと思いました」泣きながらお互いハグしあう、という感動の経験とともに、一生忘れない人生初体験でしたと告白。 キャスティングが決まった後「サーリャのキャラクター性は嵐さんに少し寄せたり、嵐さんから出てきた言葉からインスピレーションをもらった台詞などもあった」とも明かした川和田監督。「奥平さんと話していて、奥平さんの物事を見るフラットさから思いついたセリフもありますし、聡太の趣味は奥平さんの趣味でもあったり、こういうことをやってみてほしいなということを想像しながら作り上げていった」と言う。 ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のヘッドプログラマーのセバスチャン・マルクト氏が「世界共通のテーマである現代社会の矛盾を、とても美しく、映画らしい構成で物語に練りこんでいる」と称え、海外メデイア「VERDICT」に掲載されたレビューには、「川和田監督の『マイスモールランド』はあくまでフィクションとして、彼女自身がダブルとして生きる経験から、クルド人全体を描くのではなく、一人の高校生であるクルド人に焦点をあてる。彼女が生きる日本社会の中で、希望や夢を持ち、目の前の困難に立ち向かう状況を描いた特別な映画である。日本当局の非人道的な難民政策を厳しく批判する一方で、17歳の少女が自分の感情や、複数のアイデンティティによってもたらされる責任と対峙する姿を感動的に描いており、注目されるべき作品」と既に海外からも高く評価される本作。 |
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『マイスモールランド』公式HP: 公式twitter: 公式Instagram: ストーリー |
出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴
アラシ・カーフィザデー リリ・カーフィザデー リオン・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズほか
監督・脚本:川和田恵真 主題歌:ROTH BART BARON 「N e w M o r n i n g」
企画:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
配給:バンダイナムコアーツ
©︎2022「マイスモールランド」製作委員会