映画情報どっとこむ ralph 『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『のぼうの城』などで知られる犬童一心監督が、世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った、映画『名付けようのない踊り』が1月28日(金)公開となります。
この度公私共に親交のある、俳優・大泉洋と田中泯の対談が実現。対談特別映像が到着しました。
映画『名付けようのない踊り』大泉洋×田中泯対談
世界的なダンサーとして活躍する田中泯が、3カ国33カ所世界を巡りながら踊る様を追いかけた映画『名付けようのない踊り』の公開を記念して、田中と公私共に親交がある俳優・大泉洋との対談が実現、その収録が都内スタジオで行われた。

■2人の出会いから、俳優としてのアプローチ方法の違いについて

そして、ミンさんの踊りから大泉洋が受けた刺激と衝撃「なぜいま田中ミンに惹かれるのか?」を近くで見てきた大泉洋だから語れる言葉で、
身振り手振りなど、踊り?を交えながら、たっぷり語ってくれています。
動画のポイントを以下に書き起こしたのでご参照ください。

■ふたりの出会いは朝ドラ「まれ」

 ふたりが初共演を果たしたのは2015年放送(能登で最初に行われた撮影は2014年)のNHK朝の連続テレビ小説「まれ」の時にさかのぼるが、「でも実は、そのちょっと前に京都の撮影所でお会いしているんですよ。その後に朝ドラ(での共演)が決まったんで。不思議なご縁もあるなと思ったんですよ」と明かすが、そんな大泉の言葉に驚いた様子で「本当に? 記憶違いなんじゃないの?」と笑ってみせた田中。
さらに朝ドラ「まれ」の撮影を振り返った大泉は「(塩田での塩作りのために)塩田に立ってるあのお姿は、本物よりも本物らしいというか。何をやってもそうなっちゃうのがすごいなと。大河ドラマ(「鎌倉殿の13人」)でも泯さんだけがタイムスリップしてきた人に見えるんですよ。なんでなんだろうなと思いますよね」と感心した様子を見せる。

■田中泯の俳優としてのアプローチ

 近年は俳優として映画・ドラマへの出演が相次ぐ田中だが、「僕はセリフを覚えるのが嫌いだし、上手に喋(しゃべ)れるわけでもない。だからまず、その人はどういう気配を放っているのか、背中はどうなっているのか、肩がどうなっているのか、そっちの方に関心がいってしまう。身体がその人になるというかね」とその役作りのアプローチを説明。
 それを聞いた大泉も「僕らだと、どうしてもセリフに頼っちゃうから。でも泯さんはそうじゃない。泯さんの踊りというのもそういうところから入っているんでしょうね」とその独特なアプローチに感心した様子だった。

■田中泯の踊りに刺激を受けてきた大泉洋(大泉洋が田中泯の踊りを実演?)

 大泉が田中の踊りを初めて見たのは、中野区にある小劇場「plan-B」での公演だったが、その光景がどうにも忘れられなかったという。「あの地下の狭いスタジオでギュウギュウになりながら観たんですが、暗闇の中から弱い光がフワッと浮かび上がると、泯さんが角材をおでこに当てて三角形にしていて。そこから動かないわけです。でもそこでおでこの角材がドーンと外れて、泯さんが崩れ落ちて、倒れてしまった。どうするのかなと思ったら、そこからまた角材を持ってジワーッと、ゆっくりと立ち上がって。また三角形になった。誰も何も言わない。とにかく静寂が流れるだけ。あれは何でしょうねぇ」とその時の様子を克明に描写する大泉。「あれだけ動かないものを見ているのに、体験としてはすごいスリリングなわけですよ。もう劇的としか言いようがない。衝撃的な体験でしたね」と語る大泉の言葉もどんどん熱を帯びてくる。
 「それで終わった後に泯さんとお話をする機会があって。『あの角材で三角形になった時はどんな気持ちだったんですか』と聞いたら、『きれいな三角形でしょ、と思っているんです』と。『では角材がバーンと外れたのはああいう演出なんですか』と聞いたら、『あれはビックリしました』って。『ハプニングなんですか?』と聞いたら『そうですよ』だって」などとそのやりとりが可笑しくてしょうがないといった様子の大泉に対して、田中も笑顔で「終わった後に、あなたが『笑っちゃいけないんですか』って言ったのがうれしかったんですよ」とクスクス笑い。さらに「僕はね、笑おうが怒ろうが、その見ている人の中に、きっかけがすべてあるはずなんです。だからあそこでゲラゲラと笑い声が出ても、まったく僕は平気なんですよ。平気というよりはむしろ望んでいるわけです。それが当たり前なんだから」とその踊りに対する思いを語った。
 その後も田中の語る独特な踊りの哲学を聞いていた大泉は「なんかこうやって話していると、役者の仕事もそうだなと思うんですよね。だから次のお仕事はもっと上手にできるんじゃないかと、泯さんと話し合うと思いますね」としみじみ。

■なぜ今、田中泯に惹かれるのか?

 そんな大泉が今回のドキュメンタリー映画について「誰もが泯さんの踊りを生で見られるというわけではないからこそ、この映画は観た方がいい。こんな世界があるのかと思いますし、めくるめく(踊りの)世界が広がってるので。そういった意味では犬童(一心)監督がよくぞいろんなところについていって、撮ってくれたなと思いますね」としみじみ語ると、「田中泯さんの踊りにまだ出会ってないという方にとっては、本当に素晴らしい機会だと思う。これはぜひ見てもらえたら面白いと思います」と観客にメッセージを送った。
 その上で最後に「なぜ今、彼に惹かれるのか?」とあらためて問いかけられた大泉。「僕は突きつけられる感覚というか、それでいいのか、お前と言われてるような感覚があるんです」と前置きしつつ、「自分じゃ、なかなかムチを入れられないんですけど、そのムチを目の前で入れてもらえるというか。そういう感覚が欲しくて、田中泯を見たいと思うんじゃないですかね」と田中の魅力について言葉をかみ締めるように語った。

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対談映像

前編:

後編:

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『名付けようのない踊り』

2022年1月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、Bunkamura ル・シネマ他にて全国公開

公式サイト:
@unnameable-dance/

公式Twitter・Instagram:
@unnameabledance

名付けようのない踊り
なぜ今、彼に惹かれるのか。
田中泯が、76年の生涯をかけ探し続ける踊りとは…
見るものの五感を研ぎ澄ます、120分の旅にでる
1978年にパリデビューを果たし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現し、そのダンス歴は現在までに3000回を超える田中泯。映画『たそがれ清兵衛』(02)から始まった映像作品への出演も、ハリウッドからアジアまで広がっている。
40歳の時、田中泯は“畑仕事によって自らの身体を作り、その身体で踊る”ことを決めた。そして74歳、ポルトガルはサンタクルスの街角で踊り、「幸せだ」と語る姿は、どんな時代にあっても好きな事を極め、心のままに生きる素晴らしさを気付かせてくれる。そんな独自の存在であり続ける田中泯のダンスを、『メゾン・ド・ヒミコ』への出演をきっかけに親交を重ねてきた犬童一心監督が、ポルトガル、パリ、山梨、福島などを巡りながら撮影。また、『頭山』でアカデミー賞短編アニメーション部門に日本人で初めてノミネートされた山村浩二によるアニメーションによって、田中泯のこども時代が情感豊かに点描され、ぶれない生き方が紐解かれていく―。
どのジャンルにも属さない田中泯の〈場踊り〉を、息がかかるほど間近に感じながら、次第に多幸感に包まれる―― そんな一本の稀有な映画を、ぜひスクリーンで体験してほしい。
名付けようのない踊りポスター

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田中泯
石原淋 / 中村達也 大友良英 ライコー・フェリックス / 松岡正剛
脚本・監督:犬童一心
エグゼクティブプロデューサー:犬童一心 和田佳恵 山本正典 久保田修 西川新 吉岡俊昭 プロデューサー:江川智 犬童みのり
アニメーション:山村浩二 音楽: 上野耕路 音響監督:ZAKYUMIKO 撮影:清久素延 池内義浩 池田直矢 編集:山田佑介
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 協賛:東京造形大学 アクティオ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ 制作プロダクション:スカイドラム
製作:「名付けようのない踊り」製作委員会(スカイドラム テレビ東京 グランマーブル C&Iエンタテインメント 山梨日日新聞社 山梨放送)
2021/日本/114分/5.1ch/アメリカンビスタ/カラー/G
© 2021「名付けようのない踊り」製作委員会
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