「こんな良い作品を埋もれさせたくない!!」
映画『スティルウォーター』は、第88回アカデミー賞®︎作品賞受賞『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー監督最新作。仏マルセイユを舞台に、殺人罪で捕まった娘の無実を証明するため、父親が真犯人を探し出すというサスペンス・スリラー。主演は、『オデッセイ』『ジェイソン・ボーン』のマット・デイモン。異国の地での真犯人探しに奮闘するアメリカ人の父親ビルを、泥臭くもリアルに体現し、海外メディアからは「最高の演技を披露した(NERDIST)」と絶賛された。娘アリソン役には、『リトル・ミス・サンシャイン』で映画ファンの心を掴んだアビゲイル・ブレスリン。『ゾンビランド:ダブルタップ』での好演も記憶に新しいが、本作では、留学中にガールフレンドを殺した罪で逮捕されるという難しい役柄を見事に演じた。 この度、本作の公開を記念し、1月6日(木)渋谷のユーロライブにて試写会を実施。上映後には映画ライター宇野維正によるトークショーが行われました。 |
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縦軸(ストーリー)と横軸(米・保守派と欧・リベラル派の対比)の構造が素晴らしい! 宇野維正が『スティルウォーター』の魅力をたっぷり熱弁! 昨年カンヌ国際映画祭にてプレミア上映され大絶賛の評価を得た本作について、「素晴らしい作品にも関わらず、アメリカで公開された際(昨年夏)はコロナ禍で完全にお客さんが戻り切っていないというタイミング。そんな不運な状況にあり、これは是非応援しないと!という思いです」と語る宇野。 先ずは本作の主演マット・デイモンについて、「いまマット・デイモンは何度目かの全盛期にある!ですが、世の中は気づいていないんですよ!昨年公開の『最後の決闘裁判』もアメリカで興行的には不遇で、どうしても結果が出ないと賞レースでも不利になってしまう。本当だったらもっと“やっぱりマット・デイモンすごい!”という声があがるべきタイミングだと思います」と『最後の決闘裁判』での粗野な女性の心が理解できていない騎士役や『スティルウォーター』での典型的なアメリカ人労働者役を説得力のある演技と高く評価した。 そんなマット・デイモンが本作で演じる主人公ビル・ベイカーについて「彼の地元であるオクラホマ州は最近の大統領選でもトランプ支持者が多かった州でして、本作中でもビルはトランプ支持派ということが示唆されている保守層の男性」「また、ビルの協力者となる現地の女性ヴィルジニーはフランス・マルセイユの演劇人で典型的なリベラリスト。この2人の交流やすれ違い、理解と断絶…実は本作の比重はそこにあるんですよね。娘が留学先で罪に問われ拘留されてしまい、真犯人は誰なのか?本当に冤罪なのか?刑務所から出ることが出来るのか?というサスペンスの縦軸と、アメリカの保守派とヨーロッパのリベラル派の関係性という横軸、この2つの軸を見事に映画化しているんです!」と熱弁。 また、撮影監督の高柳雅暢についても解説。「ハリウッドの第一線で活躍されている日本出身の方の筆頭ですよね。本作では、米・スティルウォーターのパートでは引きの画が多く、仏・マルセイユのパートではハンディカメラを用いてカット割りも多め。このように舞台となる場所によって撮影方法を変えている。先程話した縦軸・横軸の他にも手法的に緻密な事をしているんです」と語った。さらに、フランスのサッカークラブ「オリンピックマルセイユ」の本拠地であるヴェロドームで実際の試合中に撮影されたというシーンについても言及。様々なスタジアムで試合を観た経験のある宇野は「どこまでがエキストラでどこまでが観客なのかわからないぐらい見事に撮っている。あの空気感をこんなに捉えている作品はなかなかないですよ!リアルな撮り方で興奮しました」と絶賛。サッカー好きならではの感想も飛び出した。 |
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『スティルウォーター』2022年1月14日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開 |
監督・脚本:トム・マッカーシー『スポットライト 世紀のスクープ』
脚本:マーカス・ヒンチー、トーマス・ビデガン『預言者』『君と歩く世界』、ノエ・ドゥブレ『ディーパンの闘い』
撮影監督:高柳雅暢『荒野の誓い』『ファーナス/訣別の朝』
出演:マット・デイモン、アビゲイル・ブレスリン、カミーユ・コッタン、リル・シャウバウ、イディル・アズーリほか
2021年/アメリカ/カラー/デジタル/ビスタサイズ/英語・フランス語/原題:STILLWATER/映倫G/字幕翻訳:松浦美奈
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配給:パルコ ユニバーサル映画
© 2021 Focus Features, LLC.