映画情報どっとこむ ralph 「諦めることを諦めて突き進む。過去の自分のように迷っている人たちに映画を届けたい。」
逆光
ミニシアター、映画好きのためのオンライン・コミュニティ「ミニシアタークラブ」では毎回様々なゲストをお迎えして映画、映画館にまつわる様々なお話をしていただいております。
今回のゲストは、『逆光』で主演・監督ほか、映画製作から配給宣伝まであらゆる面で奔走中の須藤蓮さんををゲストに迎え、お話をお伺いしました。
『逆光』須藤蓮監督×北條支配人(ユーロスペース)ミニシアタークラブ
ミニシアタークラブ対談
場所:ユーロスペース事務所
対談:須藤蓮監督・主演、北條誠人(ユーロスペース支配人)
対談動画は、ミニシアタークラブに入会後、閲覧可能です。
閲覧サイト

映画情報どっとこむ ralph Q:ミニシアタークラブ「この作品は、尾道から先行公開でしたね?その意図はなんだったんでしょう?」
須藤「コロナ禍で映画館の編成スケジュールが混乱している最中で、東京公開は来年(2022年)のどこかになりそうということが分かり、映画を作って上映するまでにはこんなに時間がかかるんだ、とまず実感しました。そこから考え直して、『逆光』は尾道で撮影しましたし、尾道のみなさんの顔が浮かんできて、じゃあ、尾道から公開してみようと思いました。配給のことをわかってらっしゃる方々からは、東京からスタートしてそこから地方に広げていくべきと、アドバイスをいただいたんですが、もう自分の気持ち的には尾道への想いが強くなって、尾道の映画館を盛り上げたい!というイメージができていきました。」

Q:ミニシアタークラブ「ということは、映画を作っている時は配給や宣伝のプランはなかった?」
須藤「そうですね。作っている時は配給の方やプロデューサーの方も固まってませんでした。」
北條「私も、完成した後の業務試写で初めて拝見しました。」
−ミニシアタークラブ「脚本を渡辺あやさんが担当された経緯は?」
須藤「自分が役者として苦しんでる時に、「ワンダーウォール」というドラマでご一緒させていただきました。
渡辺さんをはじめ初めて尊敬できる大人のスタッフ、作家、クリエーターと出会えたという感じがして、皆さん本当にかっこよくって。ドラマの撮影が終わった後も親しくさせていただいて、自分で書いた脚本を見ていただいたりと次第に自分から能動的に動いていった時期だと思います。」
対談中『逆光』須藤蓮監督×北條支配人(ユーロスペース)ミニシアタークラブ
Q:ミニシアタークラブ「映画監督になろう、というより尊敬できる人たちと一緒にものつくりをしたかった、ということでしょうか?」
須藤「その時期は、どこかで表現するということを諦めていたとこもありまして、俳優という職業を入り口にして色々チャレンジしようと切り替えて行きました。元々、自分の感性が確かだとは思ってないので、知り合った魅力的な人たちに声をかけて、一緒に映画を作ったら素敵だなという妄想からスタートしました(笑)」

Q:ミニシアタークラブ「70年代と尾道という題材についてはどなたからの発想でしょうか?」
須藤「これは自分からではなく脚本の渡辺あやさんからの提案です。元々別の映画を準備してたんですが、コロナでぽしゃってしまい、このまま何もしないのも嫌だなと思って渡辺さんに何か一緒に作りませんか?と自分から投げかけて、やりとりをさせていただいてました。ある時、渡辺さんから、「尾道でだったら撮れるんじゃない?」という提案をいただいて、直感的に乗りました。そして時代設定が70年代というの提案も、個人的にその当時の学生運動や文学にも興味があったのでどんどん乗っていきました。そうゆう手触りの映画も今はそんなにないので。」

Q:ミニシアタークラブ「今回俳優をやりながら監督もされていますが、現場での状況はいかがでしたか?」
須藤「撮影現場での監督としてのジャッジは、不思議と迷いはなくて、感覚的に腑に落ちたか落ちてないかで判断していきました。もちろん現場のスタッフの意見も聞きつつですが。本来、人を仕切ったりは得意ではないんですが、不思議と映画の現場だと解放された感じがして。交渉ごとも基本苦手なんですが、映画のことに関しては耐えられるというかワクワクしますね。例えば、宣伝で使うイラストについてもイラストレーターさんとの交渉やユーロスペースさんなどの劇場さんとの交渉も緊張しますがやってます!(笑)。尾道公開時も2ヶ月間、向こうに住み込んで宣伝活動などやっていたんですが面白かったです。クラウドファンディングも配給の仕組みも宣伝もどうゆうやりとりをしていくのか全然分からなかったですが
とにかく一旦、全部一通り自分でやってみようと。」

Q:「いよいよ東京公開」
須藤「正直、最初は誰にこの映画を届けたらいいのか迷っていたんですが、今は、昔の迷っていた自分のような人たちに届けたいなと思うようになってきました。
例えば役者の人で売れてなければいい作品に出られない、とかそんなことはなくてもっとワクワクしてほしいし、大きな野望はあるんだけど、どこか諦めてしまっている人とか。
以前の自分が諦めがちだったんですが、今は、自分が作りたいものがあれば作って、お金の集め方も分からないけれど、自分で配給していって、いつの間にか「諦めるのを諦めて」主体的に能動的になって覚悟を決めていくとどんどん人が集まってくれて希望に満ち溢れていくんですよ。
自分の周りの役者の友人も3人くらい、監督したり企画を始めたり、自分に起きたようなちっちゃな変化が起きてそうゆう、そうゆう変化が起きてきていいなと。
ユーロスペースには、今まで劇場にきたことのない人を特に呼び込んで変化を起こしていきたいです!」
北條「ありがとうございました。」

映画情報どっとこむ ralph

『逆光』

https://gyakkofilm.com/

2021年12月18日(土)渋谷ユーロスペース公開2022年新春アップリンク吉祥寺他全国順次公開


あらすじ
1970年代、真夏の尾道。22歳の晃は大学の先輩である吉岡を連れて帰郷する。晃は好意を抱く吉岡のために実家を提供し、夏休みを共に過ごそうと提案をしたのだった。先輩を退屈させないために晃は女の子を誘って遊びに出かけることを思いつく。幼馴染の文江に誰か暇な女子を見つけてくれと依頼して、少し変わった性格のみーこが加わり、四人でつるむようになる。
やがて吉岡は、みーこへの眼差しを熱くしていき、晃を悩ませるようになるが…。
『逆光』

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須藤蓮 中崎敏富山えり子 木越明/SO-RI 三村和敬 河本清順 松寺千恵美 吉田寮有志企画:渡辺あや 須藤蓮  監督:須藤蓮 脚本:渡辺あや 音楽:大友良英プロデューサー:上野遼平 撮影:須藤しぐま 照明:原澤遥哉 録音:五十嵐猛吏 衣装:高橋逹之真/木和田昴 美術:露木恵美子 ヘアメイク:藤原玲子 制作担当:北村眞悟   スチール:石間秀耶 
エキストラ担当:毛頭香企画協力:寺岡環 永長優樹
エグゼクティブプロデューサー:小川真司
制作・配給:FOL 制作協力:Ride Pictures 
配給協力:ブリッジヘッド

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