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160作品の中から藤元明緒監督「金賞」受賞

来日したベトナム人女性労働者たちの過酷な現実と闘う姿を描いた劇映画『海辺の彼女たち』。
2021年5月1日よりポレポレ東中野にて公開後、3ヶ月のロングラン上映を達成。
現在まで延べ全国60館にて順次上映が続く話題作となっています。
監督は、在日外国人労働者や移民に目を向け作品を作り国際的な評価を得ている藤元明緒。
12月3日(金)に「第26回新藤兼人賞授賞式」が行われ、見事「金賞」に輝いた藤元明緒監督が登壇しました。
海辺の彼女たち _新藤兼人賞_藤元明緒監督
日本インディペンデント映画の先駆者、新藤兼人の名を冠した「新藤兼人賞」。今年第26回を迎える同賞は、 日本映画の独立プロ53社によって組織される日本映画製作者協会に所属するプロデューサーが「この監督と組んで仕事をしてみたい」「今後この監督に映画を作らせてみたい」という観点を含む日本で唯一の新人監督賞だ。昨年同様、コロナ禍のなかでの映画制作・興行となった2021年。2020年12月~2021年11月公開の劇場用長編映画は160作品。そのなかで、最終選考監督に選出されたのは8名(9作品)。審査員同士で激論を重ねたなかで全員が納得して選出されたのが、金賞・藤元明緒監督『海辺の彼女たち』だったという。授賞式冒頭、審査員の総評より、「まるでドキュメンタリーかのような人間ドラマに過剰に入らせない、事実を突きつけられる感じの映画」でありながらも、「気づいたらドラマの中で彼女たちを応援する感覚に落ちている。無名の役者たちを起用しているにも関わらず登場人物たちを愛おしく思えるのはまさしく演出」と絶賛された。

「国内の観客の多国籍化にも目を向けながら、よりユニバーサルな映画づくりを目指したい」

壇上でトロフィーを受け取った藤元監督は、「大先輩である新藤兼人監督の名を冠した名誉ある賞をいただけて光栄です」と感謝を述べつつ、「僕が映画を作りたいと上京して10年が経つ。何度もやめようかと思ったこともあったが、この受賞によって、もっと頑張れそうな気がしている。振り返るとこれまで『僕の帰る場所』『海辺の彼女たち』と2作品作ってきて、ミャンマー、ベトナムとの合作であったり、日本で暮らしている海外にルーツがある人の物語であったり、多国籍なフィールドで活動してきた。そういうのをブランディングとして狙っているのかと聞かれることがあるのだが、本当にたまたま。身近で起きたこと、偶然の出会い、そうしたものを映画に昇華していっている。映画というのはつくづく縁の上で成り立っているものだと感じている。今後も、半径5メートル以内、自分たちのルーツというものをしっかり持って、映画を作っていきたい」と語る。
海辺の彼女たち _新藤兼人賞_藤元明緒監督
また、『海辺の彼女たち』の観客は、ベトナムを始めとして海外にルーツを持つ人も多くいたことから、「国内の観客の多国籍化も目を向けていきたいと思っている。この先、日本も海外からの定住者がますます増えてくるだろう。日本人による日本人のための日本映画というだけでなく、物語としても、売り方としても、より開かれた、ユニバーサルな形を目指して、活動していきたいと思う」と抱負を述べた。最後には「映画は本当に素敵な仕事。そのことを次の世代にも胸を張って伝えていけるような人になりたい」と今後の意気込みを語った。

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映画『海辺の彼女たち』

公式サイト:
http://umikano.com/

【今後の上映情報】

◆群馬・シネマテーク高崎 12/18〜12/31  
近日公開:岡山・シネマクレール、愛媛:シネマルナティック、山口・萩ツインシネマ、東京・下高井戸シネマ、東京・シアターギルド

★映画『海辺の彼女たち』は自主上映受付を開始しました。
詳細は、「藤元組」ホームページにて。
@jisyujyouei

公式サイト:
http://umikano.com/
海辺の彼女たち海辺の彼女たち
STORY
ベトナムから来た3人の女性たち、アン、ニュー、フォン。彼女たちは日本で技能実習生として3ヶ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが……。より良い生活を求めて来日したベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描く。
海辺の彼女たち

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脚本•監督•編集:藤元明緒
出演: ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー 他
撮影監督:岸建太朗 音響:弥栄裕樹 録音:keefar フォーカス:小菅雄貴 助監督・制作:島田雄史 演出補:香月綾 DIT:田中健太 カラリスト:星子駿光 アソシエイトプロデューサー:キタガワユウキ プロデューサー:渡邉一孝、ジョシュ・レビィ、ヌエン・ル・ハン
協賛:坂和総合法律事務所、株式会社ビヨンドスタンダード、⻑崎⼤学多⽂化社会学部 協⼒:外ヶ浜町、平舘観光協会、⽇越ともいき⽀援会、⽇本ミャンマーメディア⽂化協会 後援:国際機関⽇本アセアンセンター
共同制作会社:ever rolling films 企画•製作•配給:株式会社E.x.N
2020年/⽇本=ベトナム/88 分/カラー/5.1ch/1:1.85/ベトナム語・⽇本語/ドラマ/DCP 
©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
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