映画情報どっとこむ ralph 柄本佑主演・高橋伴明監督の、在宅医療のスペシャリスト・長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」の映画化『痛くない死に方』が2月20日(土)より全国順次公開となる。
痛くない死に方_柄本佑
『痛くない死に方』は、日々仕事に追われ、家庭崩壊の危機に陥っている柄本佑演じる河田仁が、大病院でなく在宅医だからこそできる医療を模索し、人と向き合うことを実践していく成長物語。

この度、2月18日にブックマン社より発売になる、映画「痛くない死に方」読本(定価 1100円+税 B5正寸 128頁)より、監督・脚本の高橋伴明のオフィシャルインタビューの一部が届いた。

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映画「痛くない死に方」読本から監督・脚本の高橋伴明のオフィシャルインタビュー(抜粋)

Q. 高橋監督の作品は、今までも死の匂いがする作品は多々ありました。しかし、ここまでストレートに「死に方」をテーマに選ばれたのは今作が初めてですね。映画監督としての、社会的な責務のような思いがあったのでしょうか。

 責務と言うと大そうなことになると思うのですが、これは本当にひとつの提案であって。何も押し付けるつもりはないんです。観た人がどう受け止めるのかという。誰しも、「死」というものにこの先必ず、関わるわけじゃないですか。だから今作は、ひとつの提案、ひとつの役割になったらいいなと。
高橋伴明監督_痛くない死に方インタビューカット

Q. 映画の前半は「痛い在宅医」という原作があり、後半は監督の創作による物語でしたが、創作の部分の発想は、どういうところから生まれてきたのでしょうか。

 それは原作を勝手に読み取って、長尾さんが言いたいのはこういうことなんじゃないの? というところでの発想です。監督商売というのは、想像力。あとはそれに自分の気分を乗っけていく。他の人はどうか知りませんが、自分はそうやってストーリーを作っていきます。

Q. 台本に描写する中で特にこだわったところはありますか。

 それはやっぱり、「こういう死に方をしたい」という自身の思いが根底にあります。けれどもドーンと重い映画には最終的にしたくなかった。これは人に見せるための映画だということを考えたときに、〝川柳モドキ〟が浮かんだんです。 監督って、映画表現の中で思いを言いたがるものじゃないですか。それをやっていると映画は終わらないので、ここはこれを言いたいんだよということを、後半に登場する、宇崎竜童演じる本多彰の川柳で表現したらいいと。これがいちばん苦労したところでしょう。

Q. ここまで長い分数を割いてリアルに人の死に様を描いている作品はかなり珍しいと思います。特に前半の下元史朗さん演じる敏夫の最期は壮絶でした。どうしてこれほど死について、ある意味生々しく描こうと思われたのでしょうか。

 前半の死のシーンをしっかりとやっておかないと、後半部分に繋げられない。河田の成長を描く上で、前半の死に様や、身近に寄り添う人の心の痛み、その根底にある医療の負の部分をさらけ出す必要がありました。 演じる側も、あんな紙おむつ姿でひたすら苦しむ役なんて、たいていの俳優なら拒否しますよ。それを下元史朗は、俺が伝えた以上に演じてくれましたよね。 下元とはピンク映画時代から40年以上の付き合いがあって、俺は俳優として高く評価しているんです。

Q. 娘の智美役を演じた坂井真紀さんが、河田医師に怒りをぶつける姿も印象的でした。

 苦しみ、悶える父を看取った智美が、河田に「私の心が痛いんです」と怒りをぶつける。このシーンがまさに、映画の肝でした。 智美を演じた坂井さんとは今作が初めてで、役に関して俺からあれこれ伝えることはなかったけれど、「分かりやすい芝居は嫌いなんだよね」みたいなことをチラッと話したと思います。それもあって、彼女は智美の複雑な内面の部分を自分なりに探り、表現していたと思うんです。その抑えた演技の中にも、最後の怒りまで持っていく流れがあって、彼女の表情を見ていたいという興味がすごくありましたね。

Q. 後半、本多彰の妻・しぐれを演じた大谷直子さんの存在感もさすがでした。

 直子、良かったね。彼女とも今回の作品が初めてになるんです。今まで仕事をしたことはないけれど昔からの知り合いで、いつかは仕事をしてみたいと思っていました。あいつの人生もチョロっとは知っているし……ああいう、歳をとったからこその人生の機微みたいなものを演じてくれるという確信があった。それに彼女自身が、がんという病と向き合ってきたからね。〝私は死ぬまで生きてやる〟というような彼女独特の姿勢が、今回のしぐれ役にハマりました。

Q. 図らずもこの『痛くない死に方』は、2020年の夏に公開予定でしたが、コロナ禍で延期となりました。日本人の死生観が変わる過程の中での上映になると思います。これは、映画を製作していた時には予期せぬ事態でしたね。

 コロナというのは、「死を考える」というよりは「生き方を考える」ということになったんじゃないかな。今までをどう生きてきたかということをそれぞれが考えるための、ある種の啓示みたいなものなんじゃないかなと俺は思っていますけどね。

映画情報どっとこむ ralph 柄本佑主演・高橋伴明監督

『痛くない死に方』

公式サイト:
http://itakunaishinikata.com/ 

【STORY】 
在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。

そんな時、末期の肺がん患者である井上敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。
奥 田瑛二『痛くない死に方』
在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け息絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでゆく。
2年後、河田は、末期の肝臓がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。
宇崎竜童『痛くない死に方』
以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。

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出演者  
柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二
大西信満 大西礼芳 下元史朗 藤本泉 梅舟惟永 諏訪太朗 田中美奈子
真木順子 亜湖 長尾和宏 田村泰二郎 東山明美 安部智凛 石山雄大 幕雄仁
長澤智子 鈴木秀人

スタッフ
監督・脚本:高橋伴明  原作・医療監修:長尾和宏
製作:内規朗、人見剛史、小林未生和、田中幹男
プロデューサー:見留多佳城・神崎良・小林良二
アソシエイトプロデューサー:鈴木祐介、角田陸  企画協力:小宮亜里
音楽:吉川忠英 撮影・照明:今井哲郎 美術:丸尾知行 録音:西條博介
編集:鈴木歓 助監督:毛利安孝 制作担当:植野亮 装飾:藤田徹 衣裳:青木茂
ヘアーメイク:結城春香 医療協力:遠矢純一郎、井尾和雄
制作:G・カンパニー  配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「痛くない死に方」製作委員会
尺:112min  
©「痛くない死に方」製作委員会

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