今から25年前、阪神・淡路大震災によって瓦礫の山と化した神戸に、“被災者の心のケア”のパイオニアとなった、ひとりの若き精神科医がいた。多くの被災者の“心”に寄り添う壮絶な日々と、彼を懸命に支えた家族との絆を描く感動のヒューマンドラマ「心の傷を癒すということ」。
2020年1月にNHKで放送され、大きな反響を呼んだドラマが劇場版として本日1月29日(金)より公開となりました。 その公開初日を記念し、主演の柄本佑とテレビ版総合演出の安達もじりが、それぞれ東京と大阪からオンライン舞台挨拶に参加、本日初日を迎える全国 12 館に生中継されました。東京-大阪ZOOMで全国へ舞台挨拶。便利な時代です。 |
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柄本佑と安達もじりが、東京と大阪をZOOMで結びオンライン舞台挨拶。全国 12 館に生中継。
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本作のテーマである「寄り添うこと」について。「寄り添うって何?というのはずっと思ってましたね」と柄本がいうと安達も「私もいまだに答えは見つかってないです」と、その難しさに話が及んだ。安達が「和隆という人は、谷村美月さん演じるご夫婦に、冷静になるとアドバイスも何もしてないんです。でも話を聞くことで彼女たちが一歩を踏み出していくその凄さ。これは撮ってからそういうことをすごく感じて。谷村さんも和隆のいる保健室にやってくるところの芝居が難しかったとおっしゃってました」と振り返ると、柄本も「めちゃくちゃ難しかったです!(芝居の)姿勢とかはあの場面ではこうやろうというのは決まってましたけど、いざ喋ってくれるまでのあの長い時間、谷村さんのどこで目を見ててあげて、外してあげて、どこで頷いてあげればいいんだろうということは非常に悩んだし、大変でしたね。どの人に寄り添うシーンもそうでしたけど、とにかくこちらからの発信を消していく、そこにいて圧を与えずにそばにいる。そばにいてくれたから喋る、そういう存在でいられたらと。 劇中の湯浅のモデルの一人である先生からお聞きした話で、「傷は癒すんじゃないんだよね、癒えるんだよね」と安先生とよくおっしゃっていたそうなんですが、傷というのは癒えていくけれども、癒えるまでの時間というのは人それぞれ。だから 10 分で喋ってくれる人もいれば、1 年・2 年かかる人もいる。そこにただいてあげることが大切なのかなと。ただ、つい発信したくなるというか・・・」と“寄り添う”ことの難しさについては、いまだ考えるところも 多いようだ。「(ただそこにいる、という)安先生の生き様はすごいんだなと改めて感じます。このコロナ禍という想像をしなかった段階で撮影をしていましたが、今改めていろんな苦しんでいる方がたくさんいる状況において、あの安先生の生き様は身にしみます」と安達。最後に観客へのメッセージとして柄本は「去年全 4 話という形で NHK でオンエアされたものが再編集され、劇場版として生まれ変わりました。安先生のご家族へのプレゼントのような気持ちで撮影に臨ませていただいて、それがまた今度は映画館で上映されるということで、安家の皆さんへのプレゼントがもう一つ増えた気がします。僕が大好きな映画館の大きなスクリーンで新たにプレゼントが増えたことが何よりも嬉しいです。たくさんの方に見ていただきたいですし、劇場は感染予防を徹底してますので、安心してぜひ見にきていただけたらと思います」と語った。 安達は「息の長い作品でありたいと思って作ってきましてこうして映画にしていただきました。しんどいと思った時とかこの作品に触れていただいて、いつでも寄り添っていられる作品になったと思っています」とメッセージを送り、オンライン舞台挨拶を締め括った。 |
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『心の傷を癒(いや)すということ《劇場版》』2021年1月29日(金)新宿武蔵野館 他 全国ロードショー
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出演: 柄本佑
尾野真千子、濱田岳、森山直太朗、浅香航大、清水くるみ、上川周作
濱田マリ、谷村美月、趙珉和、内場勝則、平岩紙 /キムラ緑子、石橋凌、近藤正臣
主題歌:森山直太朗「カク云ウボクモ」(UNIVERSAL MUSIC)
作詞・作曲:森山直太朗 編曲:世武裕子
原案:安克昌「心の傷を癒すということ 神戸…365日」 (作品社)
脚本:桑原亮子 (NHK・FMシアター「冬の曳航」で文化芸術祭優秀賞・ギャラクシー奨励賞受賞。)
音楽:世武裕子(映画『日日是好日』『生きてるだけで、愛。』・連続テレビ小説『べっぴんさん』など)
配給:ギャガ
配給協力:大手広告(ギャガ西日本事務所)
©映画「心の傷を癒すということ」製作委員会