映画情報どっとこむ ralph ドキュメンタリー映画『空に聞く』を手がけた小森はるか監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に登場。この収録回のMCは、直前に本作をポレポレ東中野で再見してきたのだという映画ライターの月永理絵が担当。別の媒体でも小森監督にインタビューをしたことのある月永は、本作だけでなく前作『息の跡』をはじめ、小森監督のこれまでの軌跡についても話を引き出している。

恵比寿映像祭で初めて本作を鑑賞し、その後に試写で、そして今回三度目の鑑賞をしたという月永。「何度観てもいい映画だなと、いまもまだ余韻に浸っているところです」と語り出す。本作は、東日本大震災の後、約3年半にわたって「陸前高田災害FM」のパーソナリティを務めた阿部裕美さんを追ったもの。地域の人々の記憶や思いに寄り添い、いくつもの声をラジオを通じて届ける阿部さんの日々を親密な距離感で見つめている。小森監督は、震災後のボランティアをきっかけに東北に移り住み、前作『息の跡』と並行して本作を撮影。刻一刻と変化する町の風景と、そこで出会う人々の営みを記録している。

本作はドキュメンタリー作品だが、小森監督は映画美学校のフィクションコース出身。当時はドキュメンタリーに対する関心が、それほど高くなかったのだという。ところが、震災後に東北へと行ったことをきっかけに目覚めたようだ。「かつてはカメラというものに対し、“記録をするメディア”だという認識があまり強くありませんでした。でも、東北へと足を運んだ際に、カメラによって、そこにある光景を誰かの代わりに記録として残すことができるのではないかと思いました。そのときに私は、『これをやりたい』と思ったんです。なので、作品づくりのはじまりが“記録”というところに偏っていて、それを伝えるためにはどのような編集をすればより多くの人に届くのか、ということを考えました。“記録をどう扱うか”というのは、かつてフィクションの中でもやろうとしていたことなので、いま結びついてきている実感があります」と小森監督。

津波に流されてしまった種苗店を自力で立て直し、営業を再開させた佐藤貞一さんを追ったドキュメンタリー『息の跡』も、今作『空に聞く』も撮影時期は同じ。2013年の1月から2015年の4月まで、約2年半ほどの時間をかけて撮影したようだ。その後しばらく時間をおいて、インタビューのために2018年にもう一度足を運んだのだという。「『息の跡』も久しぶりに見返したのですが、『空に聞く』とはかなり違いますよね。もちろん、フォーカスしている対象が違うというのはありますが、前者には小森さん自身が登場するのに対し、後者には小森さんの言葉はほとんど入っていません。明確な意図があってのことですか?」と月永が聞くと、やはりカメラを向ける対象によって、その手法は異なるのだということを小森監督は述べている。これに月永は「佐藤さんと阿部さんという異なる人物に、同時期にカメラを向けているのが興味深いですよね。『息の跡』は佐藤さんの映画ですが、『空に聞く』は阿部さんが“聞く人”なので、いろいろな人たちの声が聞こえてくるさまが描かれている」と、両作それぞれの魅力について自身の見解を述べている。
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監督・撮影・編集:小森はるか

あらすじ
東日本大震災の後、約三年半にわたり「陸前高田災害FM」のパーソナリティを務めた阿部裕美さん。地域の人々の記憶や思いに寄り添い、いくつもの声をラジオを通じて届ける日々を、キャメラは親密な距離で記録する。そして、津波で流された町の再建は着々と進み、嵩上げされた台地に新しい町が造成されていく光景が幾重にも折り重なっていく。失われていく何かと、これから出会う何か。時間が流れ、阿部さんは「忘れたとかじゃなくて、ちょっと前を見るようになった」と言うーー。

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