映画情報どっとこむ ralph 公開中の『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』の監督である豊島圭介が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」にゲストとして登場。MCを務める映画評論家・森直人の前で、本作の企画の経緯、ドキュメンタリーのかたちとして映画化に踏み切った理由などを語っています。
豊島圭介監督×森直人『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』活弁シネマ倶楽部

映画情報どっとこむ ralph 豊島監督とMCの森はこれが初対面だが、お互いに「ようやく会えた」という思いがあるのだという。トークはそんな二人の“思い出話”からスタート。豊島監督がロサンゼルスの大学留学中に監督した『明るい場所』(1996)が都内で劇場公開された際、ライター業を始めたばかりの森が雑誌にて、同作の批評を書いたという縁があったらしい。両者ともに1971年生まれとあって、互いに感化し合うものがあったようだが、今回ようやく、悲願の対面が実現。
豊島圭介監督×森直人『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』活弁シネマ倶楽部

そんな豊島監督の最新作である『三島由紀夫vs東大全共闘…』は、作家・三島由紀夫が、1969年に東大全共闘の若者たちと交わした討論会の様子と、当時“あの場”にいた者を含めた13人の者たちの証言によって構成されている。本作について森は、「意外だった」とまず感じたのだという。「(豊島さんは)意識的に娯楽職人の道を歩まれていた印象でした。でも実際に観てみて、『明るい場所』で語ろうとしていたことに通じるものを感じた」と続けている。これに豊島は、「その発想はなかったです」と驚き、作り手と批評する立場での本作に対する捉え方の違いが、面白みとして早々に浮き彫りになっている。
豊島圭介監督『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』活弁シネマ倶楽部
本作の制作に踏み切った理由について豊島監督は、「例えばこれが、“三島由紀夫の生涯を映画に”だとか、“全共闘の歴史を映画に”ということだったら、できなかったかもしれない」と明かす。「三島の“死”に関しての解釈はそれぞれ違うし、僕が描いてみたところで、それは一つの仮説にしかならない。でもこれが、“1969年の5月13日”という一日の話であり、この一点を紐解いていけば良いのだと。この討論会の三島って、活き活きしているじゃないですか。“なぜ三島は死んだのか”、ではなく、“どう三島は生きたのか”ということにフォーカスを当てれば良いのだと、プロデューサーの刀根鉄太さんと導き出した本作の入口でした」と述べている。
森直人『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』活弁シネマ倶楽部
さらに森が本作の構成について言及すると豊島は、「取材をしていると、みなさん、活き活きと当時のことを語られるんです。そうすると、その素材を使いたくなります。それで最初は3時間バージョンのものができて、でも削らなきゃいけないなと。それだと討論会が見えにくくなってしまう。もっと討論会に寄り添うために、実際の討論会の間に“コラム”を差し込むような構成にしました」と語り、この“コラム”という表現に森も納得な様子。ここに、13人の証言者の“姿と言葉”が差し込まれているのだ。

そのほか、“50年の時を経た今、この討論会を見る意味は何か?”や、豊島監督が現役東大生時代に感じた“1969年”との空気の違い、映画監督としての“娯楽職人の道”の歩みについて、また、影響を受けたのだという蓮實重彦の存在など、同年代の二人だからこそ語り合える、かなりのボリュームのものとなっている。

映画情報どっとこむ ralph ■活弁シネマ倶楽部■

活弁シネマ倶楽部 公式HP:
https://katsuben-cinema.com/

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映画情報どっとこむ ralph 『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』公開中!

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監督:豊島圭介
出演:三島由紀夫
芥正彦(東大全共闘)木村修(東大全共闘)橋爪大三郎(東大全共闘)篠原裕(楯の会1期生)宮澤章友(楯の会1期生)原昭弘(楯の会1期生)
椎根和(平凡パンチ編集者)清水寛(新潮社カメラマン)小川邦雄(TBS記者) *肩書は当時
平野啓一郎 内田樹 小熊英二 瀬戸内寂聴

ナレーター:東出昌大
監督:豊島圭介 企画プロデュース:平野隆 プロデューサー:竹内明 刀根鉄太 音楽:遠藤浩二
製作:映画「三島由紀夫vs東大全共闘」製作委員会 
制作:ツインズジャパン 
配給:ギャガ
Ⓒ2020映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会

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