10月11日より公開となる是枝裕和監督最新作『真実』が、第76回ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門オープニング作品に選出されたことを受け、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、リュディヴィーヌ・サニエ、クレモンティーヌ・グルニエ、マノン・クラヴェル、そして是枝裕和監督が記者会見とフォトコールに参加しました。 『真実』第76回ヴェネチア国際映画祭 実施日:8月28日(水) |
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【公式記者会見】 Q:最初にご挨拶。映画の制作、出演のきっかけ。 <是枝監督> <カトリーヌ・ドヌーヴ> <カトリーヌ・ドヌーヴ> Q:監督は、「家族」をテーマにした映画を作ることを得意としていらっしゃるようですが、あなたの目から見たら、このフランス人とアメリカ人の家族はどのような家族なのでしょうか?私から見るととても滑稽であると同時に、機能不全に陥っている家族です。 <是枝監督> Q:ドヌーヴさんは先ほど、ファビエンヌにご自身をかなり込めたとおっしゃいましたが、ご自身とファビエンヌというキャラクターにどれくらい観客が共感することを望んでいらっしゃいますか? <カトリーヌ・ドヌーヴ> Q:ご挨拶と出演のきっかけなど。 <マノン・クラヴェル> Q:カトリーヌ・ドヌーヴさんとジュリエット・ビノシュさんに質問です。映画の準備の話をされました。どんな経験だったかを教えてください。撮影についてお話しいただけますか?言語の壁についても言及されました。どんな経験でしたか?困難や試練があったのでしょうか?ありがとうございます。 <カトリーヌ・ドヌーヴ> <ジュリエット・ビノシュ> Q:今回のクレモンティーヌ・グルニエちゃん(子役)の立ち位置と演出について <是枝> Q:監督の映画に出演してみて <クレモンティーヌ:グルニエ> |
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【フォトコール模様】 真っ青な空が輝く晴天に恵まれた、第76回ヴェネチア国際映画祭のオープニング。レースがあしらわれた優雅なプラダのドレスで登場したカトリーヌ・ドヌーヴ。赤を基調としたグッチのジャケットスタイルでスタイリッシュに登場したジュリエット・ビノシュ。プラダのシャツスタイルで爽やかな装いのマノン・クラヴェル。ミュウミュウの白いブラウスで登場したリュディヴィーヌ・サニエ。キラキラと光沢感のあるグリーンのディオールのドレスに身を包んだクレモンティーヌ・グルニエちゃん。そして、是枝裕和監督が記者会見場に登場。会見場は報道陣で満員(250人キャパ)。面々が現れるなり、マスコミ陣からは歓声と拍手が。大盛り上がりのなか、それぞれが海外媒体の質問に応じ、会見終了後は、是枝監督がファンからのサインの要望に快く応える姿も見受けられました。 フォトコールでも、沢山のメディアが集まり、「是枝!」、「カトリーヌ!」、「ジュリエット!」と歓声が止まらず、昨年『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞し、今や世界中で注目を集める是枝監督の最新作である本作への注目度の高さが感じられました。 【レッドカーペット模様】 |
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【オープニングセレモニー&上映後の会場の様子】 オープニングセレモニーが開催されたキャパシティ約1030席の会場が満席となる中、大きな拍手に迎えられながら、レッドカーペットを終えたカトリーヌ・ドヌーヴを先頭に『真実』のキャスト陣が場内に入場。最後に是枝裕和監督が着席し、オープニングセレモニーがスタートしました。監督の最新作である『真実』はもちろんのこと、映画祭に出品された作品たちが次々とスクリーンに映し出されながら、審査員のパートでは先ほどのレッドカーペットにも登場した塚本晋也監督の紹介も。その後、同劇場で遂に、オープニング上映が開始された本作。上映中はカトリーヌ・ドヌーヴ演じる我儘で奔放で、でもチャーミングで憎めない国民的大女優ファビエンヌの毒舌に笑いが巻き起こったり、豪華キャストで描き出す母と娘の愛憎渦巻くドラマに涙したりと、観客もすっかり魅了された様子。上映終了後は、そんな作品の温かさを反映するように6分にも及ぶスタンディングオベーションが続き、是枝監督やカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュらは、満面の笑みを見せながら、割れんばかりの歓声を全身で受け止めました。ヴェネチアの観客から本作が愛されたことがひしひしと伝わる、オープニングを飾るに相応しいワールドプレミアとなりました。 【囲み取材】 Q:お客さん笑っていましたか?特にどのシーンでしたか? Q:ヴェネチア国際映画祭は『三度目の殺人』ぶりですが、レッドカーペットは改めていかがでしたか? Q:是枝監督は最初の長編『幻の光』がヴェネチアで上映されましたね。以前、「ヴェネチアの人だと思われている」と仰っていたこともあるかと思うのですが、アルベルト・バルベーラさん(ヴェネチア国際映画祭ディレクター)からは、どんな言葉をかけられましたか?またオープニング作品に選ばれたことについてどんな想いですか? Q:記者会見すごくいい雰囲気だったと思います。カトリーヌさんも穏やかに話されていました。 Q:昨年、映画祭の会場に近いホテル・デ・バンで映画祭75周年の写真展があり、黒沢監督だけでなく、錚々たる日本の監督が宝物のように扱われていました。今回の映画祭ではその先輩たちの雰囲気を感じましたか? 『羅生門』がありますからね。日本人にとっては特別な映画祭というのは承知しております。2年前に来た時は(北野)武さんがいらして、ホテルのロビーでご挨拶した時に思ったのは、やっぱり武さんの映画祭なんですよね。存在感をすごく感じて。武さんのファンがホテルの外に集まっていて。僕らの世代は武さんがリードして、国際映画祭で黒澤、溝口、小津の次は大島、今村がいて、そこから新しい監督が出てきたということで武さんが道を照らしてくれた後を歩いているって、ヨーロッパの映画祭では感じるんですが、ヴェネチアではよりそれを強く感じますね。 Q:授賞式も控えますが、意気込みは? Q:今日、今の気持ちは今までと何が違いますか?(日本で作った作品で海外の映画祭に来ることとの違い) 難しいな…記者会見にでた時に今回作ったのは日本映画ではないものとしてみられているなと一番感じましたね。 Q:違う土俵で作ったとみられていると思うのですが、自分としては本作品手ごたえは? フランス映画だからこうしなければとか、日本映画の良さなど自分で線を引いてつくっていないので自分が普段やっていることをどうしたら同じように意思の疎通をはかりながら尊敬するスタッフとキャストと物が作れるかというのは考えましたし、やっぱり通訳のレアさんという方を見つけたのが凄く大きいのですが、その辺は相当用意周到に僕がやりたいことをやる為にスタッフィングに時間をかけました。一番摩擦が起きている所は僕は知らないふりをしてプロデューサーの福間に任せているので、僕はノーストレスでした。本当に。自国ではないところで作る事に対して何か言い訳ができるような齟齬をきたしたことはないので。つまらなければ僕のせいだなと思います。異文化のせいに出来ない状況で作れたのはよかったと思います。逃げ道がない感じで。 Q:できた映画を見ても自分が普段やっていることを出せたという手ごたえはありましたか? あります!ただ、最終的にはフランスの方がみてどのくらいこの映画が、もちろんフランスのスタッフが見てOKだしてくれてはいるんですけど日本語だと最終形をみても字幕を見てでしか判断が出来ないっていうところでどこかまだちょっと出来合上がったものにたいしての自己評価が最終的にどう落ち着くのかがつかめないところはあるんですけど。現場にかんしていうとほぼ自分の思い通りに、制作のプロセスも、出来上がった作品もですけどできたんじゃないかとそこは自信あります。 Q:今のところ一番印象に残っている、高揚した事ありますか? まだきて24時間経ってないので(笑)今日の公式上映のカトリーヌさんの衣装は素晴らしかったな。 All photographs : © Getty Images |
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『真実』 10月11日(金) TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー 公式サイト:
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原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』 撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
配給:ギャガ
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