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現在公開中のアイススケートをスポーツから芸術の領域にまで昇華させた伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、ジョン・カリーを追った映画『氷上の王、ジョン・カリー』の公開記念イベントが 6月11日(火)新宿ピカデリーで行われました。
ゲストは、本作にも出演し、プロスケーター、衣装デザイナー、ファッショニスタ、役者など幅広く活躍する元オリンピック選手、ジョニー・ウィアーが登壇しました。 日程:2019 年 6 月 11 日(火) |
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元全米五輪代表フィギュアスケーターのジョニー・ウィアーが 11 日、都内・新宿ピカデリーで開催された映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念トークイベントに華やかな衣装で出席。
ファンタジー・オン・アイスの公演で多忙を極める中、この映画のために会場に駆けつけてくれたジョニー。 カリーから受けた影響についてジョニーは、「例えば、今、私が斬新なドレスを着て、皆さんを笑わせたり、喜ばせたりしていますが、何か爪痕を残すことは凄く大事だと思います。カリーは音楽や衣装の選択も独特な感覚を持っていましたし、どんなトラブルに見舞われても、クリエイティブな部分を残しつつ、それを実践してきた方なので、とてもリスペクトしています」と称賛する。 そのカリーの DNA を受け継いでいる選手としてジョニーは、「まず、長年の友人であるステファン・ランビエールが頭に浮かぶ」と明言。「ディテールに細かく意識を向けているところ、氷の上でバレエを再現しているところ、そして音楽に合わせた振り付けを完璧にこなしているところを見ると、明らかにジョン・カリーの遺伝子を受け継いでいるな、と思いますね」と分析する。ちなみに日本人では、「直接的ではないかもしれませんが、町田樹さんと宮原知子選手ですね」と二人の名を挙げた。 また、劇中、スポーツ界のホモフォビアについて触れ、カリーの勇気を称えていたが、ジョニー自身も勇気を持って闘ってきた。「トリノオリンピックでは、自分のセクシャリティは関係なく、国の代表として戦ったが、メダルを取ることができなかった。滑り終わったあとに、パフォーマンスについて質問があると思っていたら、「ジョニー、君はゲイだよね?」という質問ばかりで驚きました」と吐露。さらに、次のバンクーバーオリンピックでは、「カナダのテレビレポーターが、『ジョニー・ウィアーの性別テストをしよう』と言い出して問題になりましたが、今からわずか 9 年前の話。これは残念に思いましたね」と表情を曇らせる。それで そんなジョニーも、2022 年にはプロスケーターから引退することを表明したが、これについては、「この道は自分だけで歩んできたのではなく、ファンのみなさんと一緒に歩んできた。良い時も悪い時も、みなさんが支えてくれました。本当に感謝しています。この話をすると涙が出てしまうのですが…自分はフィギュアスケーターをやめたくない、という気持ちは強いです。でも、自分が退いて、今度は若い選手がその場に立つ。またその選手がいずれ自分よりも若い選手を支える。私はその流れを横で見守る立場になると思いますが、自分自身の新しい挑戦も楽しみにしています」と最後は笑顔を見せた。 ジョニー・ウィアー(プロスケーター) |
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映画『氷上の王、ジョン・カリー』
新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中 公式サイト
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監督:ジェイムス・エルスキン(『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』)
出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロ
ナレーション:フレディ・フォックス(『パレードへようこそ』『キング・アーサー』)
(2018年/イギリス/89分/英語/DCP/16:9/原題:The Ice King)
字幕翻訳:牧野琴子
字幕監修・学術協力:町田樹
配給・宣伝:アップリンク
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