映画情報どっとこむ ralph ソウル市鍾路区の「シネキューブ光化門」にて映画『デッドエンドの思い出』(チェ・ヒョンヨン監督)のメディア試写会が開催され、試写会後に行われた記者懇談会には、主演を務めた少女時代のスヨン、チェ・ヒョンヨン監督をはじめ、日本からカフェの店長・西山役の田中俊介と原作者の吉本ばななも駆けつけ、ティーチインとともに、韓国メディアによる質疑応答が行われました。

『デッドエンドの思い出』韓国試写会
日程:3月25日 16:30の回上映後
会場:シネキューブ光化門
登壇:スヨン(少女時代)、田中俊介(BOYS AND MEN)、チェ・ヒョンヨン監督/吉本ばなな

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原作者の吉本ばなな先生は映画化について

吉本先生:私の小説を読んでそれを映画にし ようと思ってくれる人がいることは、私にとってなによりの励みです。私は いつも頭のなかで映画を撮るように小説を書いているので、それが誰かに伝 わったということが本当に嬉しい。今回も自分の作品を別の目で見ることが できて、すごく懐かしく、嬉しく思います。

と語った。 また

吉本さん:私がこの小説を書いたのは 17 年前のこと。そのとき私は妊娠して いて、この後私は残酷なことや怖いことが書けなくなるんじゃないかと思っ て、この 1 冊の本のなかに残酷なことや怖いことを沢山書きました。

とこの小説が誕生した経緯を明かした。

さらに

吉本先生:私は小説は読んでもそんなに癒されないけれど……。映画には本当に若い力が溢れてい て、『主人公はまだ若いんだな』という感じが私の小説に比べて強く感じられ るものになっていたので、すごく安心しました。

と映画に太鼓判を押していた。 主演のユミを演じるスヨンさんは、

スヨンさん:撮影の時からちょうど 1 年が経ちました。 私の初主演映画で代表作かも知れません(笑)。代表作と言うには個人的に演技力がまだまだ足りないと思っているので恥ずかしいですが、映画と原作小説が伝える物語と世界観は、私の個人的な情緒とかなり合う作品、という気 がします。

と振り返った。 西山役を演じる上で

田中さん:この作品ではとにかく現場でコミュニケ ーションを取ることを心掛けた。共演者の皆さんと他愛もない話しをして、 笑って、その空気を西山に乗っけることによって、温かみがスクリーンから 放たれるのではないかということを信じて取り組みました。

と振り返り、

田中さん:明るい ところに居ると思っていても、気づいたらそこは暗闇だったということは、 きっと誰にでも経験のあること。人間には誰しも弱いところがあるからこそ、 いろんな人と助け合って生きていくのかなと僕は思う。人と人との関わり合 いの中で生まれる温かい空気を韓国の皆さんにも味わってもらって、この映 画を愛して応援していただければ。

とアピール。


ヒョンヨン監督:こんなにたくさん来て下さって、本当にありがとうございます。いつもシネキューブ光化門の片隅で映画を見ていた学生だった私が今、監督として皆様の前に立つ機会ができて感慨無量です。この空間と機会が本当に光栄です。

と長編映画デビューの感想を述べた。

そして最後に

吉本先生:この映画は、観た人たちの心に欠片として残 って、1 年 2 年経ってから、また西山くんや、ユミちゃんに会いたくなるよ うな、そんな映画だと思います。長く愛してあげて欲しい。

と呼びかけ、懇談会は幕を閉じた。

映画情報どっとこむ ralph この試写会には、スヨンさんが所属する人気アイドルグループ「少女時代」 のソヒョンさん、テヨンさん、ヒョヨンさん、ティファニーさん


他、韓国スターの皆さんも多数駆け付けていました。
パク・セヨン べヌリ

イ・ジョンミン イム・スヒャン

ドン・ヒョンべ ガン・ギュンソン

ソン・ジェヒ+ジ・ソヨン エリク・ナム

映画情報どっとこむ ralph また、この日は「CGV 狎鴎亭」にて、吉本先生のファン向けの試写会も行われ、上映後には監督とスヨンが参加した ティーチインと、よしもとさんのサイン会も実施された。

ティーチインで吉本先生は、映画のヒロインのユミというキャラクターについて

吉本先生:人生に特に何事もなく、のんびりと育っ た恵まれている人が突然暗闇に突き落とされます。

と解説したうえで、

吉本先生:2年間彼氏から連絡がなくても大丈夫だと思っていられるような、そんな(現実に)存在するのかもわからない人物に、スヨンさんの演技が説得力を持たせてくれました。

と、スヨンさんの演技を絶賛していた。 また、田中俊介さんが演じた西山については

吉本先生:つかみどころのない男。きっとこれまでの西山だったらユミと付き合っていたに違いないです。

としながらも、

吉本先生:ユミが西山のことをそれまでとは違う人間として扱い、西山もユミに対して彼がこれまで付き合っ てきた女性たちとは何か違うものを感じたからこそ、二人は男と女の関係にはならず、それゆえ「癒された」と解説。さらにそれは

吉本先生:映画と原作に共通している部分で、心の奥底にある感覚だけが人を癒すこと。それが小説を通じて描 きたかったことです。

と、原作者の想いを披露した。 一方で

スヨンさん:今までの人生の中で大変なことを経験せずに生きてきたユミが、名古屋に残ってゆっくり何かに気づいていく過程を 演じたことで、自分も成長するきっかけになったような気がします。映画を撮った当時は、私にも遅い思春期が来たような気がしました。家族と仕事から離れてよその都市で映画撮影をしてる間、私もその思春期を乗り越える、癒しの時間になった作品でもあります。劇中のユミのように黙々と時間を過ごすこと自体が、成長の大きい部分を占めるというところにすごく共感できました。

とユミに込めた思いを語った。 監督は、「ゲストハウス」の登場人物についての質問に、

監督:原作のカフェという空間をどう表現するか悩んだあげく、ゲストハウス だったらどうかな、という考えが浮かびました。泊っている間だけでもそこにいる皆が家族みたいに暮らすゲストハウスなら、ユミも心地よいだろうし、そこに滞在することを選ぶんじゃないかと思ってゲストハウスを作ったら、登場人物が増えちゃいました。

と笑いを交えて答えていた。

映画情報どっとこむ ralph デッドエンドの思い出

シネマスコーレほか全国順次絶賛上映中!
http://dead-end-movie.com


物語・・・
30歳を目前にしたごく普通の日々を送っていた韓国人女性・ユミ(チェ・スヨン)。
ひとつだけ気にかかっている事があるとすれば、仕事で名古屋へ行ってしまった婚約者テギュとの未来だった。そんなユミはふと思い立ち、テギュに会いに名古屋へと向かう。久々の再会を待ちわびていたユミが、テギュのアパートで見たのは、見知らぬ女性の姿だった。突然知らされたテギュの裏切りに絶望し、あてもなく街をさまようユミ。そんな彼女がたどり着いたのは、エンドポイントという名のゲストハウスを兼ねた古民家カフェだった。エンドポイントのオーナー・西山(田中俊介)は不思議な存在感でユミに寄り添い、カフェに集うちょっぴりおせっかいな常連客たちも傷ついたユミの心をゆっくりと癒していく。そして西山の心の傷に触れた時、ユミの中で確実に何かが変わり始めた……。

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出演:チェ・スヨン(少女時代) 田中俊介(BOYS AND MEN) 他
原 作:よしもとばなな『デッドエンドの思い出』(文春文庫刊)
監督:チェ・ヒョンヨン
配給 アーク・フィルムズ
(c)2018 「Memories of a Dead End」 FILM Partners
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