また、本作に寄せられた追加、柳川監督が以前、NHK連続テレビ小説でタッグを組んだ脚本家脚本家・中園ミホをはじめとしジャーナリスト・堀潤、三上智恵監督、そして大林信彦監督などそうそうたる著名人からもメッセージが届きました
大林宣彦(映画作家)
「虚(ウソ)・実(ホント)の狭間に真実(マコト)を焙(あぶ)り出す」のが戯映画の作法だが、「狂気」の歴史を見据えつつ、そこに明日(あした)の穏やかな日日を手繰り寄せようと願うなら、権力よりも弱者の極みたる個人の「正気」を信じ、称え、伝えゆくしかない。柳川監督の「哲理(フィロソフィ)」に寄り添い結束したチーム総員が、奇蹟を生んだ。「平和」なるこの世の大嘘が、心のマコトとして信じ得る。さあ皆、映画と一体化して、「人間」を誇り、「勇気」を持とう!
中園ミホ(脚本家)
この男がいなかったら、沖縄はどうなっていたのか!?
一人の外交官のまっすぐな情熱が歴史を動かしていることを初めて知りました。
支える妻の凛とした美しさにも心を打たれました。これぞ昭和の夫婦愛!
堀 潤(ジャーナリスト)
生前、大田昌秀元沖縄県知事は私の取材にこう語った。「日本本土の国益の名において、沖縄は絶えずモノ扱いされ、政治的取引に利用され続けてきました」。そしてこの映画は伝える。米国のみならず日本政府とも闘った外交官が本土にいたことを。
木内みどり(俳優)
立派な外交官がいたのですね。
辺野古ゲート前で排除されてもされても坐りこみ続けている沖縄県民の方々。県民を守らず米軍を守って立ちはだかる機動隊員。こんなことがいつまで続くのと悲しい。
この国のトップは嘘つきで恥知らずが多く、毎日のニュースが辛い。そんな中で、権力や圧力に抗った外交官・千葉一夫さんを知りました。
「諦めたら負けだ」との彼の言葉に勇気づけられます。
それにしても、俳優・井浦 新さんの見事なこと!
映画にしてくれた西脇順一郎プロデューサーと柳川 強監督に拍手を贈りたいです。
増田ユリヤ(ジャーナリスト)
「理想を追い求めずに何が外交か」。異色の外交官千葉とその妻の「沖縄を取り戻す」という情熱と信念を貫いた人生を前に、「正義とは何か」と改めて自らに問いかける。誰もが、自国の歴史の中を生きているのだ。
伊勢崎賢治(「主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿」著者/東京外国語大学 教授)
沖縄返還のために主人公・千葉一夫が奔走した50年前と今。核兵器持ち込み。アメリカのベトナムなどの交戦国への自由出撃。これらは今だにアメリカの「政治的配慮」に委ねられたままである。
アメリカの「地位協定」の世界標準では、自由出撃は、その概念すら存在しない。アメリカが何を持ち込むか、何をするかは、全て、受け入れ国の「許可制」である。なぜか? それが「主権」だからである。
三上智恵(映画監督)
「いつになったらアメリカと対等に物が言える国になるのかー」千葉一夫はそう呻きながら、得意の英語と鋼の信念で沖縄の返還交渉に体当たりで臨む。今、冷徹な態度で政府に突き放され続けている沖縄から見れば、彼のような外交官の存在を知るだけで胸が熱くなる。しかし戦後、優に千人を超える日本の外交官たちがみな千葉一夫のように「アメリカと対等」を揺るがぬ信念として国を牽引してくれていたら、千葉はヒーローとして描かれることはなかったのだ。千葉の発掘は、千葉のような外交官の不在がこの国に長らく続いていることを照射している。
中島琢磨(「沖縄返還と日米安保体制」著者/ 龍谷大学法学部教授)
千葉は沖縄返還交渉の詳細な記録を残していた。
これらの公文書からは、外務省が米国と厳しいやり取りを重ねていた様子がよくわかる。昨今の公文書改ざん問題もあり、
千葉の歴史に対する責任感の強さに頭の下がる思いである
河合弘之(脱原発弁護団全国連絡会共同代表・映画監督)
強大な力に対して、正義感をもって戦いを挑む者の苦しさ、切なさ、そして少しの達成感に共感を覚える。それは原発、原子力ムラに厳しい戦いを挑んでいる私のそれと同じだ。
大石静(脚本家)
「沖縄返還に奔走する外交官・千葉を演じた井浦新が美しい。 大きな力に押しつぶされながらも、信念と理想を貫き通す外交官・千葉の姿にシビれる。こういう男はもういない。映画の中だけでも出会っておいた方がいいと思う」
|