藤井道人・伊藤主税 舞台挨拶@SHORT TRIAL PROJECT 2020

「ゾッキ」「MIRRORLIAR FILMS」「DIVOC-12」など、斬新な映画企画を次々と生み出している伊藤主税プロデューサーと、日本アカデミー賞にて3冠を獲得した「新聞記者」や、現在大ヒット上映中の「ヤクザと家族 The Family」などで注目を集める藤井道人監督が、アップリンク渋谷にて上映中の『SHORT TRIAL PROJECT 2020』にて舞台挨拶を実施！お互いに駆け出しの頃から10年来の付き合いとなる２人が、映画について語り合いました。

日時:4月6日(火)
会場:アップリンク渋谷
登壇:伊藤主税、藤井道人

10年前、互いに駆け出しの頃から共に戦ってきた2人の対談が始まった。

藤井「1番もがいていた時期というか、“売れないね〜”ってずっと言っていて、自分が作りたいものがやっと明確に見えてきた年が2011年だった。20分の短編映画を予算20万円で20時間で撮影した。トリプルトゥエンティ。今や『約束のネバーランド』や『ヤクザと家族 The Family』も撮影している今村圭佑が、20時間目に倒れるというほどハードだった。」
伊藤「過酷すぎてね。原宿の竹下通りでゲリラ撮影していたら、下着姿の男性が来て大変だった。その時はプロデューサーでありながら制作も全て担っていたから、僕がその人を撮影現場から離れてもらうよう誘導したりもした。」と、苦労秘話も交えて当時を振り返った。
伊藤「20分を20万円で、どうやって撮ったんだっけ？」
藤井「気合い。」
伊藤「気合いでしかなかったよね。僕も現場制作から何でもやって、藤井くんも香盤組んでくれたりしたよね。」
藤井「あの時はインディーズ映画を撮っていたので、人からお金をいただいて撮影できるということにすごく価値を感じていた。“だったら自分たちのやりたいことをやっちゃおう”と、同じ意思を持つ人たちで集まって撮影した。その時のチームと今のチームは、実はほとんど一緒。クレジットのメインスタッフは大体同じ。」
伊藤「でもあの大変な経験があったからこそ分かったことも多くて、今の作品に繋がっているよね。」

同じくふたりがタッグを組んだ映画「デイアンドナイト」や、これから撮影予定の「MIRRORLIAR FILMS」「DIVOC-12」の作品構想についても語り合った。
観客から“多くの人に届く作品を作るにはどうしたらいいですか”という質問が飛ぶと、藤井「評価されたいっていう時期は僕にもあって、そんな時は撮っていても苦しかったので、自分が信じたことが一番面白いと思って作るようにしています。」伊藤「自分の衝動を大事にするといいかも。それがどんな衝動になるかは誰と居るか、周りの力が大事。」と、多くのヒット作を世に送り出している2人の、貴重なアドバイスを聞くことが出来た。

伊藤主税プロデューサーが手がける「ゾッキ」、藤井道人監督の「ヤクザと家族 The Family」は各映画館にて、好評上映中。

ふたりの原点となった『SHORT TRIAL PROJECT』は残り2上映を残し、下記内容にて4/8(木)までアップリンク渋谷にて上映される。

参加監督には、近年藤井監督の演出部を務めてきた戸祭朝美監督や、BABEL LABELの新進気鋭・山浦未陽監督も名を連ね、藤井監督のように映画界の未来を担うクリエイターたちとの出会いが、待っているかもしれない。

4/7(水)16:30-17:50【プログラムB】（78分）
『ふたりの食卓』戸祭朝美監督、『ジョン☆』Kei監督、『あみら』新波涼太監督、『正装戦士スーツレンジャー』上田慎一郎監督
登壇者：戸祭朝美監督、幹仁、柳沢なな

4/8(木)19:00-20:25【プログラムC】（８３分）
『袖ふりあうのも』小椋久雄監督、『シマのないシマウマ』新波涼太監督、『空はどこにある』山浦未陽監督
登壇者：宮田佳典、おちゃめんたい（芳野正朝、龍健太）

公式HP：
stp2020/