『あのこは貴族』の岨手由貴子監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場。 MCはお馴染みの映画評論家・森直人。 今回はスタジオで対面での収録ではなくZoomを使用。本作の企画のはじまりや、キャスティングの妙などについて大いに語り合っています。 |
|
原作ものながら完全に岨手由貴子作品。『あのこは貴族』監督と森直人が活弁シネマ倶楽部で対談本作は、山内マリコによる同名小説を原作とした人間ドラマ。都会生まれの箱入り娘・華子と、地方から上京し自力で都会を生き抜く美紀という境遇の異なる二人が巡り合い、自分の人生を切り開こうとするさまが描かれている。結婚こそが幸せと信じていた箱入り娘・華子を門脇麦が、上京組ながら都会にしがみつく意味を見いだせない美紀を水原希子がそれぞれ演じているほか、高良健吾、石橋静河、山下リオらが脇を固めている。 彼女の新作とあれば、期待しないわけにはいかないという方も多いだろう。そんな本作は、岨手監督自らが「『あのこは貴族』を映画化したい」とプロデューサー陣に申し出たらしい。「2016年に小説が出版される際に、『ちょうど今週末に出版イベントがあるから、そこへとにかく行ってみよう』となりまして。プロデューサーのみなさんにも読んでいただきました。私は『小説すばる』で連載されていたときから読んでいて、『これは絶対に誰にも渡したくない』と思ってたんです」と、原作への思い入れの強さを明かす岨手監督。 これに森は「『グッド・ストライプス』が2015年公開なので、『あのこは貴族』を映画化するために動き出したのはその直後ということですよね。僕はこの二作の連続性が興味深いと思っています。『グッド・ストライプス』は東京在住の男女が、妊娠、結婚に向けてのパートナーシップをなんとかやっていこうというお話だとまとめることができると思うのですが、この視座からコマを進めると、『あのこは貴族』は“結婚以外の選択に向かうお話”だといえますよね。人生を歩んでいくうえでの“覚悟”のようなものが、それぞれ違うかたちで提示されているなと」と二作における自身の興味を語っている。 続けて「この二作は、同じことを異なるアングルから描いた作品だといえるのではないかと思います」と語る森。この発言に岨手監督は、「私自身も、違うものをやっているとは思っていないんです」と答え、さらに二作の共通点を深堀りするようなトークを展開。 さらにはキャスティングについても言及。 本作について、「山内さんの原作を忠実に描いている印象ながら、完全に岨手監督ならではの作品になっている」と語る森。その秘密に少しでも近づくことができる必見の収録回となっています。 |
|
◆活弁シネマ倶楽部◆
活弁シネマ倶楽部 公式HP: |
|
華子と美紀、異なる環境を生きる二人の女性がそれぞれ抱える生き辛さを共有し、支え合いながら、自らの足で人生を切り拓いていく姿を鮮やかに描いたシスターフッドムービーの新境地『あのこは貴族』2月26日(金)より全国公開中です。 公式サイト: ストーリー |
監督・脚本:岨手由貴子
出演:門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ ほか
原作:山内マリコ(「あのこは貴族」集英社文庫刊)
配給:東京テアトル/バンダイナムコアーツ
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会