甲斐博和の監督作『イノセント15』が、ロンドン現地時間の9月21日から10月2まで行われる第24回レインダンス映画祭Narrative Discovery部門にて、9月23日(金曜)・28日(水曜)の2日上映されました。 無垢でもあるが無知でもある15歳という年齢の少年と少女の恋を、目が離せないような独特の魅力に溢れる新鋭俳優を起用しまとめ上げられたヒューマンドラマ。彼らを取り巻く状況は厳しく、「イノセント(純粋)ではない世界」の中で、「イノセント(純粋・無垢)だった2人」が、惹かれ合い、傷つけ会いながらも少しずつ大人になっていくさまを、ヒリヒリとしたタッチで描く。 同映画祭には、甲斐監督が登壇。高校生活を南米チリで過ごしたという甲斐監督は、通訳を通さず挨拶をし、冗談を交えながらも海外の映画祭に初めて参加した喜びを語りました。 監督からの喜びのコメント |
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そして上映後の質疑応答では、 Q:主演2人の演技が素晴らしく本当に印象的だった。2人の年齢とキャスティングの流れを教えて欲しい」 甲斐監督:主人公である岩崎銀役は、役の年齢と同じ15歳の萩原利久くんで、ヒロインの佐田成美役は、18歳の小川紗良さん(注:撮影時の年齢)。2人はオーディションで選ばせて頂きましたが、萩原くんは映画初主演、小川さんは映画初出演です。 と甲斐監督が答えると、記者からは「経験が少ないとは思えない演技だ」と感嘆。 Q:どうしてこの物語を書くに至ったか? 甲斐監督:シェルターという、行き場の無い子どもたちを保護する施設で働いている中で、非常に酷い状況下で暮らしていたにもハツラツとしている子もいて、暴力で誰かの心を壊すことは難しいことを知った。そして同時に、愛情無く育てられたり、信頼できなかったり、大きなウソをつかれたりと、親の心のありようが子どもの心を傷つけることも知った。そんな中、『何にも負けなかった可憐な女の子が、恋によって心が動き、喜び、傷つき、そして大人になっていく』という物語を思いついたのが一つのきっかけです。 Q:どうしてこのタイトルにしたのか? 甲斐監督:15歳の子ども2人はある意味、純粋無垢でした。しかし世界はそう出来てはいない。この世界には、映画の中で描かれているようなひどい状況、いえ、もっと目を背けたくなるような状況がたくさんあります。そして、まだ何も知らない彼らからすると、それらはただ車窓を過ぎゆく風景のように、無関係なものでした。しかしこの映画の中では、その複雑な世界が少しずつ彼らを侵食していきます。と同時に、二人がイノセントではいられなくなっていく。そんな矛盾も含めてあえてイノセントという言葉を使い、このタイトルを決めました. と、熱っぽく語りました。 |
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『イノセント15』
とある地方都市の、小さな町。岩崎銀 (15) は、野球好きの中学三年生。学校には行かずにブラブラしているミン、ユウキとつるんでいる。そんな銀は、同級生の佐田成美(15)に突然告白される。断る銀。不思議がるミン達だが、銀は女の子に興味が無さそうである。一方、銀に振られても屈託のない素振りの成美。 しかし、家に帰ると「高校なんて行かずに風俗行けば?」と母親である佐田律子 に言われるなど、 居場所が無い。さらには律子の恋人、神林アツシにその性を売られようともしていた。そして銀も、自分の父親である岩崎大道の、知りたくなかった秘密を知る・・・。
日本国内上映は、12月17日(土)より、テアトル新宿にてレイトロードショー決定! 公式サイト: |
監督・脚本:甲斐博和
プロデューサー 前信介
出演:萩原利久 小川紗良 影山樹生弥 中村圭太郎 信國輝彦 木村知貴 久保陽香
山本剛史 /本多章一 / 宮地真緒
2016/88min/color
配給:TOCA.TOKYO
©2016「イノセント15」製作委員会