マシュー・マコノヒーと渡辺謙。
ガス・ヴァン・サント監督のもと、演技力と存在感で映画界に確固たる地位を築いた2人が生み出した、驚きと感動に満ちた泣けるミステリー『追憶の森』が、いよいよ4月29日(金)より公開となります。 そして、渡辺謙さん登壇のプレミアイベントがおこなわれました。 4月17日(日本時間)に大盛況の内に幕を閉じたブロードウェイミュージカル「王様と私」の公演終了後、渡辺さんが公の場に登場するのは、今回のイベントが<初>。 『追憶の森』 渡辺謙登壇プレミアイベント |
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満席の会場から大きな拍手で迎えられた渡辺謙さん。
渡辺さん:シリアスな映画ではあるけど、ふと立ち止まって、初夏の風の匂いなどを感じてもらえるような映画です。本日ご覧いただけることを本当に嬉しく思います。 と挨拶。 渡辺さん:オファーがきたときは、東日本大震災のときでだったんです。この映画は死生観なども反映されている作品なので、そのときは、それを背負いきれる心の余裕がなく、お断りしました。でも、一昨年にまたオファーをいただいて、そこでガス(・ヴァン・サント監督)が決まったと聞いて、その後マシューも決まって、じゃあ受けようということになったんです。 とコメント。初のタッグとなったガス・ヴァン・サント監督と謙さん。 MC:監督の印象は? 渡辺さん:彼の映画を観て、なんとなくとても繊細で、ボソボソとしゃべるような人なのではと思っていたんですが、実際は全然違くて、THE職人といった感じの人でした。現場ではロケーションマップに番号がふってあるんですけど、その順番をサイコロで決めよう!とかいう人なんですよ! と暴露。 MC:看板の文字などもチェックしていたそうですが。 渡辺さん:スタッフが、森に落ちているお菓子の空き袋とかも用意してくれていたんだけど、その中にハングルのものも交じっていたりしたので(笑)、それを教えてあげたり、森の入口にある鳥居の文字は僕が書いたものなんです。その文字を元にスタッフがつくったんですよ。 と明かしました。 |
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そして、残念ながら、仕事の都合で来日がかなわなかったマシューですが、ビデオメッセージが到着! マシュー:ケンとの共演は念願でした。ケンと一緒に頑張った作品を見てもらえるのは幸せです。ケンとの共演は楽しかった。ケンには独特の雰囲気がある。自分が何者かをよく分かっているね。だから君からは威厳を感じるんだろう、王様のようだよ。しかも非常に面白い。あんなにユーモアがあって愉快な人とは知らなかった。撮影の合間の笑い話で気持ちが和んだよ。 と撮影中のエピソードを披露。それをうけ、 渡辺さん:似てるタイプの俳優だと思っていました。きっちり準備していくというよりは、この映画に関しては、その場で生まれるものを大切にしたいと思っていたんです。マシューは、的確に拾って返してくれますし、やりやすかったです。お互いプロだと感じました。撮影は現場まで2,3キロ離れているんだけど、撮影でお互いびしょ濡れで疲れている中、そこまで歩いていかなければならなくて、夜中に2人で懐中電灯をそれぞれに渡されてトボトボと歩いていたら、靴の音だけクチャクチャと響きわたっていて(笑)俺たちなにやってんだろうって思わず2人で笑ってしまったことがありましたね。 と撮影での思い出を振り返りました。 続くマシューのビデオメッセージでは、役作りの為、二人が撮影前に意図的に会うのを避けていたというエピソードも披露、それはあまり上手くいかなかったそうで最初のテイクは使わなかったといいます。 また、東京での撮影も行った本作で、”渋谷”の印象について マシュー:ものすごい数の人がいてにぎやかだった。これは日本の特徴かな。僕に気づいて振り返ったのは300人中 1人程度だ。もし君が渋谷の交差点を歩いていたら、300人中 299人が気づいただろう。“ケン!”と歓声が上がったりしてね・・・!役名は“タクミ”だし現場が混乱したはずだ! とジョークを交えながらコメント。 謙さんは、最初のテイクが使われなかった理由について 渡辺さん:ガスと最初の打ち合わせをしたときにリハーサルをやりたいか聞かれたんだけど、現場で初めて会う状況をつくるためにスケジュールを調整してもらったんです。だけど、僕たちは野生動物のようなところがあるので、ものすごくエモーショナルになりすぎてしまって・・・あまり良いシーンにならなかったんですよね。 と説明。日本には奥さんを同伴して訪れたというマシューですが、その際に謙さんが豪華夕食をごちそうしてくれ、プレゼントも贈ったことについて マシュー:感動的なもてなしだった。日本でも君の真心を感じたよ。おかげで日本での撮影が気持ちよく始められたよ。 と振り返るマシュー。そのプレゼントの内容とは、”モダンな感じのフルーティな香りのお香”だそうで、テキサスに住んでいることを考慮して、いろんな部位が食べられる焼き肉屋に連れていったとはなす謙さん。劇中で謙さんが歌声を披露しているのも注目シーンのひとつですが、そのことについても触れたマシュー。謙さんの歌声を マシュー:いまいましいほど歌が上手なんだよ。みんなは聴いたことある?聴きたい? とマシューが煽ると、謙さんは風邪を引いているから・・・と拒否! マシューのユーモアたっぷりのコメントと笑ってスルーする謙さんの姿に、会場からは笑いが起きました。 マシュー:今度 君と共演する時はアクション映画をやるより一緒に歌って踊りたいね、ミュージカルをやろう。デュエットするんだよ。きっと楽しい共同作業になる。 とまさかの逆オファー!マシューからの長いメッセージを全て聞き終わって 渡辺さん:僕のことをユーモアがあるといっていましたけど、そっくりそのままマシューに返すよ! といい、劇中で披露する歌については 渡辺さん:作品の内容に合わせて自分で英訳して歌いました。現場で、今度「王様と私」をやるんだっていったら、えーと笑われたんだけど、あれはマジかよって感じで思っていたと思いますよ! とコメント。 |
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最後にこれから鑑賞する観客に向けて
渡辺さん:今回の熊本での震災や難民問題やテロなどが様々な問題が多発する中で安住の地はどこにあるのんだろう、どうやったらそこへ辿りつけるんだろうと、みんな悩み続けていると思います。その中で、どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、ガスが優しく描いています。この映画は、ふと立ち止まってみてもらいたい映画です。こうしなければいけないとかこうあるべきだと、今世の中でがんじがらめになっていることが多いと思うんです。だけど、一旦立ち止まって、今自分の周りには誰がいるのか、誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います。 とイベントを締めました。 |
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アーサーの涙の理由とは? “樹海”といえば自殺の名所と知られ、おどろおどろしい雰囲気を持ちますが、本作ではその“樹海”が、ガス・ヴァン・サントの視点でどこか神秘的で美しく紡がれています。初共演となるマシュー・マコノヒーと渡辺謙の演技対決も見どころの一つである本作。終盤で明かされる“謎”に、温かな涙が零れ落ちること必至です。 衝撃、そして胸に沁みる感動の結末。泣ける、ミステリー。 『追憶の森』 は4月29日(金)よりロードショー |
原題:The Sea of Trees
監督:ガス・ヴァン・サント「ミルク」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」
製作:ギル・ネッター「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
主演:マシュー・マコノヒー「ダラス・バイヤーズクラブ」「インターステラ―」、渡辺謙「インセプション」「硫黄島からの手紙」、ナオミ・ワッツ「ダイアナ」
2015年 アメリカ 110分
提供:パルコ ハピネット
配給:東宝東和
(C)2015 Grand Experiment, LLC.