イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ。
今年のベルリン国際映画祭で喝采を浴びたその最新作が『緑はよみがえる』の邦題で、2016年4月23日(土)から岩波ホールを皮切りに全国順次公開されることが決定しました。 『緑はよみがえる』は83歳になったオルミ監督が、父への想いを込めて完成させた特別な作品。 オルミ監督:父はヒロイズムに駆られて19歳で、第一次大戦に従軍しましたが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えてしまいました。戦友を思い、父が涙するのを見たのは一度きりではありません。 と語り、いまだ世界のどこかで戦争がつづく現代に、1917年の戦争を描くことで、あらためて平和を問いかけています。 |
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冬山の厳しい自然を、このうえなく美しい映像で表現したのは、監督の息子でもある撮影監督のファビオ・オルミ。娘のエリザベッタ・オルミがプロデューサーを務め、父オルミがずっと胸に抱き続けて来た父親への想いを映画に残すため、家族の力を結集しています。
出演は『海と大陸』『最後のキス』などで知られるクラウディオ・サンタマリア、『ジョルダーニ家の人々』のアレッサンドロ・スペルドゥティはじめとする実力派俳優たち。名もなき市井の人々を人間愛に満ちたまなざしで描き続けてきたオルミ監督らしく、塹壕の中の兵士一人一人の人間性を見つめています。ベネト州アジアーゴ高原の静かで厳しい自然の中に暮らすオルミ監督のまさに集大成と言える、心に響く映画芸術が誕生したと言えるでしょう。 |
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監督:エルマンノ・オルミ 1931年7月24日生まれ。53年、22歳で映画監督としてデビュー。78年ベルガモ地方の小作農民たちの暮らしを描いた『木靴の樹』で、第31回カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞。88年にはヨーゼフ・ロートの小説を原作にした『聖なる酔っぱらいの伝説』がヴェネチア国際祭で金獅子賞を受賞。近作に『ポー川のひかり』(07)、『楽園からの旅人』(11)がある。76年から、本作の舞台となるベネト州アジアーゴ高原に暮らす。 |
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ストーリー 1917年冬、イタリア・アルプス山中のアジアーゴ高原。冴え冴えと輝く月に、山が美しく照らされている。イタリア軍兵士の歌うナポリ民謡が、静まりかえった夜に響き渡り、姿をみせないオーストリア軍兵士からも、歌をせがむ声が聞こえてくる。塹壕に身をひそめ、寒さと死の恐怖におびえる兵士たちにとって唯一の楽しみは、家族、恋人から送られてくる手紙だけだ。着任したばかりの若い中尉は、想像とは違う初めての戦争に戸惑いながら、母への手紙にこう綴る。「愛する母さん、一番難しいのは、人を赦すことですが、人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか」と。やがて一時の平和は破られ、オーストリア軍の激しい砲撃が開始される・・・。 |
監督:エルマンノ・オルミ(「木靴の樹」「ポー川のひかり」)
撮影監督:ファビオ・オルミ プロデューサー:ルイジ・ムシーニ、エリザベッタ・オルミ
出演:クラウディオ・サンタマリア(「海と大陸」)、アレッサンドロ・スペルドゥティ(「ジョルダーニ家の人々」)ほか
2014 年 / イタリア / 80 分 / 1:1.85 / 5.1ch / DCP
原題 torneranno i prati
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
提供:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ/シネマクガフィン
配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ