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生コメンタリー上映

 
 大ヒット上映中の劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』。2022年8月に放送されたシリーズアニメ『風都探偵』の劇場版で、主人公の左 翔太郎(CV:細谷佳正)と相棒のフィリップ(CV:内山昂輝)が仮面ライダーWとして戦うきっかけとなったエピソード・ビギンズナイトを描きます。
キーパーソンとなる翔太郎の師匠・鳴海荘吉のキャストを津田健次郎さんが務めています。
 そしてこの度、本作の大ヒットを記念して、11月23日(土・祝)に劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』の生コメンタリー上映を立川シネマシティにて開催しました。
 福山 潤さん(大嶋 凪役)、椛島洋介さん(監督)、福盛博一さん(アニメーションプロデューサー)が登壇し、制作や演技に関するディープなお話が飛び出す、和やかな雰囲気のイベントとなりました。
劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』生コメンタリー上映

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福山潤、椛島洋介監督、福盛博一P登壇

 
福山 潤さん(大嶋 凪役)、椛島洋介監督、福盛博一アニメーションプロデューサーが、客席からの拍手に迎えられて登場。福山さんは「今日は皆さんにどの面下げて出ようかと思いながら、結局おもしろ半分で“万灯雪侍の髪型地毛でできるかチャレンジ”をやって皆さんの前に立つことになりました」と挨拶し、観客の笑いを誘いました。
劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』生コメンタリー上映
オープニングトークでは、椛島監督と福盛プロデューサー、福山さんの関係性の話題に。椛島監督は福盛プロデューサーを、「お金やスケジュールを管理したり、人を集めてきたり、僕が今回は監督に集中したいから、仮面ライダー作画監督はやめておきたいですって言ったら、『いや、それは困る』と言うような人」と、アニメーションプロデューサーとしての働きぶりを交えながら紹介。福山さんは、22年前から交流がある椛島監督との関係を「お互いの若かりし頃のトゲトゲを知っている間柄」と言い表し、二人で思い出を語りました。

生コメンタリー上映が始まると、椛島監督が東映と東映ビデオのロゴ、社名が流れるオープニング映像を見て、「最近の東映さん、ザザーンって(波の音を)入れてくれないんですよ」「ここ(東映ビデオのオープニング映像)も入らなかったんで、『この筆の音は入れてください』と、お願いして入れてもらいました」とコメント。
いきなり本編外の裏話が飛び出したことに福山さんからツッコミが入ると、椛島監督は「僕、初映画監督で、東映の三角マークを背負えるんですよ」と感慨を語り、客席から拍手が起こりました。
劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』生コメンタリー上映
福山さんは津田健次郎さん(鳴海荘吉役)の演技を、「いい意味で年齢不詳感があるじゃないですか。若くも感じるし、中年感もあるし、かといって枯れているわけじゃない」と絶賛。椛島監督はリアルな年齢感の表現がハマっていたと話し、福盛プロデューサーも、塚田英明エグゼクティブプロデューサーが津田さんの素の低めな声によって、荘吉のハードボイルド感が出ていると分析していた、と振り返りました。
 挿入歌「Nobody’s Perfect」が流れるシーンでは音楽演出の話題となり、椛島監督が編集のときに試しに流してみたら絶妙に映像と合っていた、と裏話を披露。椛島監督は、自分が観たいから「もう一回流してください」とリクエストしたというエピソードも明かし、編集時の現場の興奮を伝えました。
 福山さんから監督としてのこだわりを尋ねられた椛島監督は「絵と声の感情がイコールになっていないと、共感してもらえないと思うんです」と話し、翔太郎が荘吉に反抗するシーンを例に挙げながら、声の演技に絵を釣り合わせようとしていると回答。それを受けて福山さんは、アニメーター時代の椛島監督がアフレコ現場に顔を出し、キャストの熱量をスタジオに持ち帰って絵に反映させるというやり方をしていたと、昔の思い出を振り返りました。
 場面が地球の本棚での荘吉とフィリップのシーンに移り、「このあとおやっさんが『おまえの罪を数えろ』って言うシーンがあるんですけど、あそこの(荘吉の)目の隠れ方がめっちゃカッコいいなって」と語った福盛プロデューサー。当初は荘吉の両目が見えていて、カメラアングル的に片目だけ隠すのが難しかったところを、椛島監督が帽子の切れ目を活かして現在の絵にしたことに衝撃を受けたと回想しました。
 声の演技の話から、話題はアニメと吹替、特撮のアフレコの違いへ。福山さんは「吹替だと(俳優と)呼吸を合わせるんですよ。アニメだと呼吸を作って、それを演出家の方々、作画の方々が作ったタイミングに合うように作っていく作業なんです。特撮は呼吸を合わせるんですけど息遣いは聞こえなくて、スーツアクターの方が動きの予備動作でヒントを与えてくれるんですよ」と解説。同じ声のお芝居ながら、セリフの作り方のメカニズムに違いがあることが面白いと語っていました。
 大嶋がオーシャン・ドーパントに変身するシーンでは、大嶋の吐息の演技について福山さんが自分のアイデアではないと釈明し、客席からは爆笑が。それを受けて、椛島監督が自身の発案だったと明かし、会場はさらなる笑いに包まれていました。
 福山さんが大嶋の耳のピアスを弾くクセに言及すると、椛島監督は「大嶋というキャラクターを、観てくださる皆さんの記憶に刻みたかった」とコメント。中盤の部下とのシーンでは、大嶋の威厳を出すために、脚本上ではセリフがなかったところに叱責する描写を足したと明かしました。福山さんは「自分としては(大嶋は)やられ役と思ってやっていないんですよ。倒すつもりでやっているんですけど、これは流石にズルいと思ってます!」と、仮面ライダーWがハードスプラッシャーの救援で逆転するシーンを指して笑いを誘いました。
今作でビジュアルが初登場した仮面ライダーW サイクロンスカル。椛島監督はそのデザインについて、「サイクロンジョーカーだったらジョーカー、サイクロンスカルだったらスカルの成分が、ちょっと濃くなるんだなと。だから、サイクロンジョーカーだったから我々の知っている仮面ライダーWになっているかもしれないけど、本来の変身者候補だった照井(竜)が左側に立ったときに、また違ったWになったんだろうなと想像させられる、設定の深さがめちゃくちゃ面白い」と語りました。
 生コメンタリー上映後のアフタートークでは、福山さんと椛島監督がエキストラとして参加した『劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト』の話題に。福山さんはファイズドライバーの玩具をつけて撮影現場まで移動していたと裏話を披露。撮影前に連絡を取ってお互いの居場所を確認したり、TVシリーズの『仮面ライダー555』の感想をメールで送り合ったりと、当時の思い出話に花を咲かせました。
 椛島監督は大嶋が誕生した経緯について、オーシャン・ドーパントを出したいというところから出発し、変身者を考えた結果、“冴子の男0号”になったと説明。大嶋の設定ができてから、シナリオ打ち合わせも盛り上がったと振り返った椛島監督は、「どこかで大嶋と冴子の話はやりたい」と語り、「波打ち際を二人で追いかけっこしてるとかいいですよね」と福山さんがリクエストして、会場から笑いが起こりました。
 福山さんは、今作で初めて声優と監督の関係で一緒に仕事をした椛島監督の印象を、「監督になるまでの間にいろいろな経験をしたうえで、いい塩梅で『自分のやりたいことをみんなに叶えてもらおう』という人になったのが、羨ましいなと思いました」とコメント。椛島監督も監督をするうえで、楽しい現場にしたいという気持ちがあったと語りました。福盛プロデューサーは、椛島監督を「質問に対して何かしらの答えを絶対に返す人」と言い表し、「みんなが咀嚼して、納得できるような話をするので、『それでやろう』と思える現場になったのかなと思いますね」と、本作の現場を振り返りました。
 椛島監督は、福山さんと福盛プロデューサーから話題が上がった言語化能力の高さについて、「脚本家や(エグゼクティブ)プロデューサーの塚田(英明)さんってものすごく言語化能力が高いので、そういう人たちと話しながら『どういう言葉選びをしているのかな』『どういう説明の仕方をしているのかな』と逐一聞いて、学んで、それを実践して鍛えていったところがあるんですよね」と回想。自分の頭の中でイメージしたことを言葉で共有する、監督業の苦労を明かしました。
 
 

観客からの質問コーナー

実写で演じた俳優のクセを反映した作画の話題から、キャラクターデザイン・総作画監督
の蛯名秀和さんの話に。椛島監督は「蛯名さんは本当に(実写の)役者さんの細かい仕草を観察されて描かれている」と話し、福盛プロデューサーも「蛯名さんが今回原画を担当したシーンがあるんですけど、そことか『実写をコマ送りして研究した』と言っていたんで、そういう研究の仕方をして今の映像ができている、というのはありますね」と、制作の裏側を明かしました。
 最後の挨拶で、福盛プロデューサーは「今回がアニメの初プロデューサーだったんですけど、大好きな作品のプロデュースができて、本当に光栄に思っています」と語り、観客へさらなる応援を呼びかけました。椛島監督は「福山くんとはかなり長い付き合いで。でも、こうやって一緒に皆さんの前でお仕事をするのは初めてで、今日は僕自身がすごく楽しみにしていたイベントでした」と振り返り、改めて感謝の言葉を伝えました。
 福山さんは、今回のイベントについて、「当てはまる言葉がなかなか見つからないような、ありがたい体験をさせていただきました」とコメント。作品を楽しむヒントや違った角度で作品が観られる要素を付け足せていたらうれしいと話し、「今度は皆さまが語る番だと思いますので、大いに自分の作品についての愛を共有していただいて、まだまだこの熱を冷まさないように盛り上げていただけたら幸いです」と結んで、あたたかい拍手に包まれながらイベントは幕を閉じました。

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劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』

 
11月8日(金)より期間限定上映
 
詳細:
@fuuto-movie
 
物語・・・
翔太郎とフィリップにより風都は守られたはずだった。
しかし街の裏側では未だ怪現象が多発している。
そんな二人の前に姿を現した 謎の美女・ときめ。
そして新たなる邪悪な影。
今、仮面ライダーWの新たな戦いが幕を開ける。
劇場版風都探偵
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<原作>
石ノ森章太郎
「仮面ライダーW」石森プロ・東映
「風都探偵」脚本 三条陸 作画 佐藤まさき 監修 塚田英明 クリーチャーデザイン 寺田克也
石森プロ・東映(小学館発行「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
<CAST>
左 翔太郎 細谷佳正
フィリップ 内山昂輝
ときめ 関根明良
鳴海亜樹子 小松未可子
照井 竜 古川 慎
万灯雪侍 小野大輔
鳴海荘吉 津田健次郎
<STAFF>
監督 椛島洋介
副監督 種村綾隆
脚本監修 三条 陸
脚本 樋口達人
キャラクターデザイン・総作画監督 蛯名秀和
総作画監督 小松原 聖
ドーパントアニメーター 式地幸喜 冨永一仁
メインアニメーター 木村和貴 小畑 賢 横屋健太 柴田 駿
音楽 中川幸太郎 鳴瀬シュウヘイ
エグゼクティブプロデューサー 塚田英明
スーパーバイザー 小野寺 章
アニメーション制作 スタジオKAI
配給 東映ビデオ
製作 「風都探偵」製作委員会
©2024「風都探偵」製作委員会
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