このたび塚本晋也監督によるミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」企画の第18回としてシネマ尾道の動画が公開となりました。 「街の小さな映画館」企画は 2015 年の『野火』初公開時に全国劇場行脚を行い個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本晋也監督が、お世話になっている映画館を 1 館ずつ訪れ、ミニシアターの魅力を伝える動画を撮影する企画。コロナ禍をきっかけに「未曾有の事態の中格闘していらっしゃるミニシアター。」に「エールを送らせていただきたい」との思いから始まった。劇場とのアポ取りから撮影・編集・YouTube へのアップまで塚本監督自身が単独で行い、ロゴとイラストも描きおろしています。
シネマ尾道は広島県尾道市唯一の映画館。 広島県尾道市東御所町 6-2 TEL:0848-24-8222 http://cinemaonomichi.com/ 座席数: 112 席 尾道市は小津安二郎監督の『東京物語』や大林宣彦監督の「尾道三部作」(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)などで知られる「映画の街」。 2001 年に「尾道松竹」が閉館したことで、一度は尾道市から映画館の灯が消えることになったが、尾道出身の河本清順氏が「映画の街に映画館を復興させたい」との思いで市民からの募金を集め、2008 年に旧「尾道松竹」を改装し、オープンさせました。 大林宣彦監督が20年ぶりに尾道を舞台に撮影し、遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を彷彿とさせる海辺の映画館である。『野火』の先行上映時には大林宣彦監督と塚本晋也監督の初となるトークを企画し実現させた。 公開された動画では、手づくりのディスプレイの数々、シネマ・クレール石関と水戸リードシネマから譲り受けた座席、秘密基地のような階段、尾道の海などを辿る。インタビューでは支配人の河本清順氏が地域のコミュニティスペースとしての意義、お客様同士のエピソード、この街で映画の歴史を紡いでいく決意などを語っています。
尾道の魅力的な街並みの突端、駅のすぐ近くの古い建物にシネマ尾道のかわいい文字が見えます。 駅から降りて、海にも近い劇場を眺めると晴れ晴れした気持ちになります。 伺うときは街並みやお寺など近所を散策します。そして劇場も古い映画館の味わいが残されたまま。 大林宣彦監督とお互いの映画を見せ合い対談をした思い出の場所でもあります。 今も運ばれてくる海からの風にそよがれてひっそり建っているシネマ尾道を思うと、柔らかい気持ちになります。
北村匠海 脚本・監督 俳優でありアーティストとしても活動しマルチな才能を発揮する北村匠海が、初めて短編映画の脚本・監督を務めた映画『世界征服やめた』が、2025年2月よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開となります