監督・福間雄三×主演・窪塚俊介
この度、太宰治の没後75年を記念し、太宰治が戦争を描いた隠れた短編名作「未帰還の友に」を、監督・福間雄三×主演・窪塚俊介がタッグを組み映画化。 三鷹に居を構え、38歳という若さで玉川上水に愛人と共に入水した早逝の文豪・太宰治は、吉祥寺が近隣だったこともあり、いくつかの作品で吉祥寺を舞台にもしておりますが、本作はそんな太宰治と縁のある吉祥寺にある映画館<アップリンク吉祥寺>がメイン館となり、2023年12月15日(金)より全国順次公開することが決定しました。 これまでにも『ヴィヨンの妻』『人間失格』『斜陽』『グッド・バイ』など、数々の名作が映画化されてきた太宰治の作品は、暗い雰囲気の作品からユーモアのある明るい雰囲気の作品まで、執筆された時期によって作風が異なるのもポイントで、今でも根強い人気を誇っています。 本作の原作『未帰還の友に』は、1946年5月号の『潮流』に発表された短編です。戦争を出征したまま未だ帰って来ない教え子の身の上を案じながら、太宰を思わせる語り部の<先生>が懐かしく、にがく回想する物語です。戦争下で当たり前の生活が一変していく様を描いただけでなく、出征した教え子の恋愛心理の機微と戦争によってちりぢりになってしまった人間の儚さも描かれています。また映画オリジナルの味付けとして、当時の新宿ムーランルージュの舞台で、出征する学生たちにも絶大な人気を博した明日待子、教え子と恋に落ちる新人ダンサー・マサ子も登場します。 ■監督 福間雄三コメント原作(1946)にある「生活人の強さというのは、ノオと言える勇気ですね。…」と、太宰の言葉『かくめい』(1948)の「自分でしたことは、そのように、はっきり言わなければ、かくめいも何も、おこなわれません。…」をオーバーラップさせ、この映画化を考え始めました。本作では、いままでの映画にはない、新鮮な太宰治像が生まれてきたな、表現できたなと思っています。さらに、鶴田は、土師野君でなければできないナイーブな鶴田像ができていると感心しています。 主人公の<先生>には大林宜彦作品などで異彩を放つ窪塚俊介。 ■先生役 窪塚俊介(くぼづか しゅんすけ)コメント太宰治氏による私小説ということで、この作品の奥行きが一気に広がるのは確かだが、純粋に短編小説としてとても味わい深いものを感じました。語り部である「先生」なる人が、後に愛人とともに入水しない人物だとしても。太宰治氏の人生の中の切り取られた一時期を演じるのではなく、「未帰還の友に」に登場する「先生」として生きることを大切に過ごしました。 教え子<鶴田>に主演映画『ロボット修理人の愛(Ai)』にて、ドゥルク国際映画祭主演男優賞受賞した実力派若手俳優・土師野隆之介。 ■鶴田役 土師野隆之介(はしの りゅうのすけ)コメント平和な生活を送っている僕が、当時の若者の声を代弁することの怖さと責任を感じ、だからこそ形だけの演技であってはならない、嘘であってはならないという思いで演じました。 そして鶴田と恋に落ちる居酒屋の娘<マサ子>には舞台を中心に活躍中の清水萌茄。 その他、<井伏鱒二>を詩人・萩原朔太郎の孫で俳優としても活動している萩原朔美などが脇を固めています! |
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『未帰還の友に』2023年12月15日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国ロードショー |
窪塚俊介
土師野隆之介/八島諒 亮王 清水萌茄 蒼井染 君澤透
名倉右喬 橘レイア 水島裕子/萩原朔美
監督:福間雄三
企画:福寿祁久雄 製作:田中じゅうこう
プロデューサー:櫻井陽一
協力プロデューサー:溝上潔
原作:太宰治「未帰還の友に」(太宰治全集・筑摩書房刊)
脚本:大隅充・福間雄三
音楽:原將人・山本無二
撮影:根岸憲一(J.S.C) 照明:佐藤仁 録音:岸川達也
美術:吉見邦弘・田中太賀志
編集:小西智香 整音:吉田茂一 メイク:小堺なな
製作:幻野映画事務所
制作協力:幻野プロダクション
配給:トラヴィス
©️GEN–YA FILMS 2022