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生田斗真場面写真

1990年、第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林 満による「渇水」。
〈生の哀しみ〉を鮮烈に描いた名篇が、『凶悪』(13)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』シリーズ(18、21)、『死刑にいたる病』(22)など、多くの重厚な作品を世に贈り出し続ける映画監督・白石和彌の初プロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化した。監督は、根岸吉太郎、高橋伴明、相米慎二、市川準、森田芳光、阪本順治、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主演には、『土竜の唄 シリーズ』(14、16、21)、『彼らが本気で編むときは、』(17)、『湯道』(23)など数々の映画作品、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)でも話題となり、華やかな人気と、多彩な役どころを変幻自在に演じ分ける実力を併せ持つ俳優・生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現した。さらに門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子ら実力派俳優が揃い踏み脇を固める。

人と人の関係が希薄になってしまった現代社会に、真の絆とは何かを問いかけ、観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ映画『渇水』は6月2日(金)より全国公開中です。

この度、場面写真が解禁となりました!

今回解禁となった場面写真は、生田斗真演じる主人公・岩切の“渇いた目”の表情にフォーカスしたもの。
渇水
公開後SNSでは「生田斗真の目の演技がすごい」、「すべてを諦めたような表情に引き込まれる」など、役者陣の演技力に注目が高まっている『渇水』。今回解禁された写真でも、虚で伏しがちな目の表情と、そしてそこから徐々に物語の終盤にかけて潤いを戻していく様子が切り取られており、岩切が物語の中で変わっていく様子を捉えている。
渇水
先日行われた初日舞台挨拶でも、髙橋監督が「目の力にすごい射貫かれて、岩切は生田さんに演じてほしいって思っていました。最後の爆発する芝居の時に一番いい目をしてくれましたし、この映画の冒頭から段々目が死んだように疲れていく様を表現してくれて感銘を受けて、生田さんで良かったなという思いです。」と、かねてから注目していた生田の目の演技が、今作でも存分に発揮されていることを絶賛しています。

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著名人よりコメント

さらに各界の著名人よりオピニオンコメントも続々到着した!

※50音順・敬称略

世の中に「面白い映画」は数あれど「忘れられない映画」はそうそうない。あの表情、あの視線、あの言葉――簡単に忘れられるわけがないでしょ、あんなものを見てしまったら。諦めの境地にいた平平凡凡の男が無様に抗う。そこにアガる。ヒーロー映画ばりにアガる。今では「忘れたくない映画」になっています。
―岡田寛司(映画.com編集部)

誰もが自分の生活に必死だ。そして誰もが孤独に耐え続けている。
自分のことに必死なだけの僕らは、どこまでそれを想像できるか、どこまで関わるか。少しのことで結末が大きく変わるかもしれないのだ。誰もが自分の人生に重ね合わせるであろう一作。
―オカモトコウキ OKAMOTO’S(ミュージシャン)

自然界を流れる水は無料だが、蛇口から流れる水は有料。水はあらゆる生命の命を支えるが、料金を支払わなければ水道は人の手により止められる。その作業は一瞬だが、止められるのも、止めるのも地獄。
―橋本淳司(水ジャーナリスト、武蔵野大学客員教授)

人として生きるのか?水道局員として生きるのか? 水道局にこんなドラマがあったとは…。生田斗真の虚ろな目つきが停水作業の深い葛藤を見事に体現。そして、幼い姉妹の水に寄せる深い思いと無垢な姿が脳裏から離れない。これはコロナ後に誕生した令和時代の「誰も知らない」なのだ。
―笠井信輔(アナウンサー)

「渇水」という文字の持つ意味が、映像、人物の表情、ストーリー、すべてから痛いほど伝わってくる。テーマがここまで明確に表現されて100分に凝縮されているからこそ映画として傑作といえる。生田斗真と山﨑七海の物言わずともその佇まいから、真摯に人生と向き合っている人たちの、どうにもならない哀しさがものすごいエネルギーで表現されている。
―下村麻美(シネマトゥデイ編集長)

作り手の渇望と、時代の飢渇がここまで符合した作品も珍しい。
作品観賞の域を超え、現の事象や人物として目撃してしまった。
―SYO(物書き)

人間は、ある人にはとても冷たくて、ある人にはとても優しい。
それを自覚している。それをできるだけ自覚しないように生きている。
誰もが抱えている矛盾を突きつけてくる。
―武田砂鉄(ライター)

ヒートアップした社会では水も人間も蒸発する。お釈迦様の視界からも外れた、蜘蛛の糸さえ届かない場所がある。ならば、気づいた人間から動くしかない。動く者のところに糸は垂れてくる、雨も降ってくると信じて。渇いてからでは遅い。
―松尾潔(音楽プロデューサー)

「生ける水」を止めるのも、与えるのも我々次第。
お前の敵はお前だ――この映画が突きつける自問自答。それは絶望や諦めに陥ることを拒絶する飽くなき人間信頼に基づくものだろう。
「仕方ない」なんてことは何もない。『渇水』は今年の日本映画を豊かに潤してくれる。
―森直人(映画評論家)

日常のちょっとした違和から、不幸な現実を、思うに任せない生を浮かび上がらせる――猛暑のぎらつく光の中に。こんなふうに鮮烈な日本映画の登場を待っていた。
―門間雄介(ライター/編集者)

原作の刊行から30年というが、今なお、あらゆる登場人物たちがリアリティを持ち続けていることこそ、私たちが向き合わなければならない課題であろう。身の回りで必ず起きている様々な渇きに対して、私には何ができるだろうかと、改めて思案した。
―山崎聡一郎(「こども六法」著者・ミュージカル俳優)

ずっと喉が渇く映画だった。正しい(はずの)行いが確実に誰かを追い詰めていく、閉塞感と自己嫌悪。
淡々と日々をこなしながら虚ろになっていく、そんな生田斗真の表情に脱帽した。
―山下茜(CUT編集部)

置き去りの子ども、容赦のない給水停止、狭間の大人達。水面のようにゆらめく心情描写と彼らの悲願に、心を打たれる。
―吉川ばんび(作家)

幼い姉妹と出会ったことから心の渇きと向き合い、変化してく岩切。岩切に訪れた変化とは――?最終的に彼が選んだ思いがけない行動とは――?どんな結末に辿り着くのか、劇場でお確かめください。

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『渇水』

全国公開中

STORY
日照り続きの夏、市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、来る日も来る日も水道料金が滞納する家庭を訪ね、水道を停めて回っていた。県内全域で給水制限が発令される中、岩切は二人きりで家に取り残された幼い姉妹と出会う。蒸発した父、帰らなくなった母親。困窮家庭にとって最後のライフラインである“水”を停めるのか否か。葛藤を抱えながらも岩切は規則に従い停水を執り行うが――。

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生田斗真
門脇麦 磯村勇斗
山﨑七海 柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥 吉澤健 池田成志
篠原篤 柴田理恵 森下能幸 田中要次 大鶴義丹
尾野真千子

原作:河林満「渇水」(角川文庫刊)
監督:髙橋正弥 脚本:及川章太郎 音楽:向井秀徳
企画プロデュース:白石和彌
主題歌:向井秀徳「渇水」

製作:堀内大示 藤島ジュリーK. 徳原重之 鈴木仁行 五十嵐淳之  企画:椿宜和
プロデューサー:長谷川晴彦 田坂公章 ラインプロデューサー:原田耕治
撮影:袴田竜太郎 照明:中須岳士 小迫智詩 美術:中澤正英 録音:石貝洋 スタイリスト:清藤美香 ヘア・メイク:酒井啓介(生田斗真) 渡辺順子
キャスティング:田端利江 編集:栗谷川純 カラリスト:髙山春彦 整音:劉逸筠 助監督:山下久義 制作担当:土田守洋 企画協力:佐久田修志
製作:「渇水」製作委員会 
製作プロダクション:レスパスビジョン 
制作協力:レスパスフィルム 
配給:KADOKAWA
©「渇水」製作委員会  2023/日本/カラー/ヨーロピアンビスタ/100分

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