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完成報告会見山田洋次監督最新作、映画『こんにちは、母さん』が9月1日(金)より全国公開となります。 監督にとって90本目となる記念すべき本作の主演に迎えたのは、共に映画界を牽引し続けてきた吉永小百合。共演には、数々の映画・ドラマに出演し、NHK大河ドラマでの公演も記憶に新しい大泉洋、『キネマの神様』に続き二度目の山田組参加となる永野芽郁ら豪華俳優陣が集結。 この度、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁に加え、新たに追加キャストとして解禁となった寺尾聰、宮藤官九郎、YOU、枝元萌、そして山田洋次監督が登壇し、完成報告会見を行いました。 『こんにちは、母さん』完成報告会見日付:3月15日(水) |
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一言挨拶煌びやかな会場には多くのメディアが駆けつける中、主演を務めた吉永を筆頭に、キャスト陣、そして監督が登壇。新たな追加キャストとして、寺尾聰、宮藤官九郎、YOU、枝元萌、そして今回会見には欠席となった田中泯、<計5名>の名前が発表された。中でも田中は『隠し剣 鬼の爪』以来、約 20 年ぶりとなる山田組への参加となることも明らかとなった。豪華な顔ぶれが一堂に会し、主演の吉永から一言ずつ挨拶した。 吉永(神崎福江 / かんざき・ふくえ役):皆さまお忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。私の役は、足袋を作る職人の夫に先立たれ、一人で足袋屋を営む女性を演じました。息子も離れていて寂しい想いをしているけれど、近所の仲間たちと炊き出しのボランティアなどして、明るく懸命に生きようとしている役どころです。映画の中で恋もしています。よろしくお願いします。 大泉(神崎昭夫 / かんざき・あきお役):今回は小百合さんの息子という役どころということで、はじめにこの役が決まった際、“吉永小百合から大泉は生まれない”というコメントを出させていただきましたが(笑)、現場に入ると母親にしか思えない温かな小百合さんがいらっしゃいました。山田監督に細かく演出していただき、昭夫というキャラクターを演じられました。昭夫は会社と恋に落ちた母親、そして自由奔放な娘に放浪される困りっぱなしな男。軽やかに見事なバランスで描かれていますが、そんな映画を作れるのは山田監督だけだと思います。素晴らしい作品です。 永野(神崎舞 / かんざき・まい役) :舞はまだ大人になりきれていないからこそ、心に葛藤を抱えながら毎日を過ごしている女の子です。私自身、この役をどうしようかと迷いながら相談しながら、素晴らしいキャストの皆さんと作り上げることができたと思います。 寺尾(荻生直文 / おぎゅう・なおふみ役):山田監督に本作のお話を伺った際、牧師さんは難しいんじゃないかと。「懺悔をすることをいっぱい持っているような男にそんな役は…」と二の足を踏んでいたのですが、山田監督に引っ張っていただき、荻生役を演じられました。本日はよろしくお願いします。 宮藤(木部富幸 / きべ・とみゆき役): YOU(琴子・アンデション / ことこ・アンデション役): 枝元(番場百惠 / ばんば゙・ももえ役): |
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完成報告監督:原作となる永井さんの戯曲「こんにちは、母さん」を見たのは、20年くらい前のことです。当時、大変話題になりましたし、とても好きな作品だったので、なんとか映画にならないかと、永井さんとも何度もお会いしていました。映画にするにあたり、主役を誰にするか、キャスティングの問題でも悩みましたね。しばらくそのままになっていたのですが、小百合さんが演じるお母さんの作品を撮っていたので、小百合さんの年齢ならおばあちゃん役を演じられていてもおかしくないということに、ふと気がつきました。僕らの世代にしたら(吉永は)ミューズですから、おばあちゃん役を相談していいのかと悩んだ挙句、小百合さんに「おばあちゃん、なんて呼ばれる役をやっていただけますか」と相談したんです。そうしたら「もちろんですよ」とお返事をいただき、そこから撮ろうと本作が走り出しました。大泉さんをはじめ、これ以上言うことのない素晴らしいキャスティング・スタッフが揃い、安心して本作に挑むことができました。 一方、本作が山田組初参加且つ、吉永とも今回が初共演となった大泉。久しぶりに再会した母・福江(吉永)の変化に戸惑う息子・昭夫という役どころを演じているが、撮影は「緊張しながら撮影に挑んだものの、振り返ってみると毎日がとにかく楽しい。“こんなに楽しい現場でいいのか?”と思うほどでしたね」と充実した様子。さらに吉永についても「小百合さんと過ごした時間は素敵でした。映画で小百合さん演じる母は恋をなさるわけですが、そのお姿がとてもかわらしくて。なかなかうまくいかない切なさもあり、素晴らしかったですね」と初共演を振り返った。監督については「演出についても映画作りの話についても、たくさんお話ししてくださいましたね。全て自分の宝物になりました。全部録音しておきたかったくらい、愛おしい撮影でした」と噛み締めがら語った。 そんな大泉演じる昭夫の娘、舞に扮したのは、『キネマの神様』に続き二度目の山田組参加となった永野。「映画の撮影現場は、どこか殺伐とした瞬間はどこもあるものなのですが、山田組には全くなくて。とても穏やかな時間が流れていました。スタッフの皆さんも職人のような方々ばかりで、“良いシーンを撮るぞ”という気持ちが前面に出ていて、やっぱり山田組すごいなぁと感じました。監督も褒めていただけて嬉しかったです」と笑顔でコメント。吉永についても「いつも背中が温かくて可愛らしくて、いつか私もこんな女優さんになりたいなと思いました」と尊敬の眼差しを向けていた。 福江と仲良くする教会の牧師・荻生に扮したのは、寺尾。「山田監督は僕が映画の世界に入って初めて主演に抜擢してくださった監督。吉永さんも俳優になって間もない頃に、きょうだいの役を一度演じさせていただいたことがあって。それから20年近く経ちましたが、(吉永の)全くお変わりないお姿に驚きました。ナンバーワンの女優さんはすごいですね」と感慨深い様子で語った。さらにオファー時について、「山田監督の作品ということで二つ返事でお受けするつもりが、なかなか縁のないキャラクターというところで二の足を踏んでしまいましたが(笑)」と当時の心境を明かしつつ、「山田監督は何度も一緒にお話ししてくださったので、最終的にお引き受けさせていただきました。安心感を持って演じさせていただけたかと思います」とにこやかな笑顔を見せた。 そしてYOUと枝元は、舞台となる福江が営む足袋屋に出入りする人情味あふれる隣人という役どころで、吉永とも共演シーンが多かった間柄。YOUは「福江さん(吉永)たちと炊き出しに行く場面があるのですが、小百合さんが持っているカバンにチラシを入れて持っていくようなシーンだったんです。すると、チラシを折ってカバンを入れるという動作を小百合さんが繰り返し練習されていたのがとても可愛らしくて、何度も見ちゃいました」と語り、吉永の意外な一面に釘付けにされていた様子。 |
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質疑応答
続いては吉永と大泉に対し、「親子役を演じるにあたり準備したことは?」という質問も。 一方大泉には、「大泉さんといえば“ボヤキ”ですが、今回も飛び出しましたか?」という爆弾質問も。 最後の質問は監督へ、「本作は90本目の作品ということで、凄いことだと思いますが、何か込められた想いはありますか?」という質問。監督は「正直、あまり考えないようにしておこうと思っています。それは、(撮影した作品の)数が多いことは、決して自慢できることではないと思っているからです。たくさん作っているのは事実ですが、威張れることではないし、いつも初心者のような気持ちで作ろうと思っていました」と謙遜する様子で語っていた。 |
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映画『こんにちは、母さん』9月1日(金)より全国公開 |
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
原作:永井愛
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、YOU、枝元萌、田中泯
撮影:2022年9月30日~11月17日
上映時間:110分
©2023「こんにちは、母さん」製作委員会