中川駿監督が活弁シネマ倶楽部に『少女は卒業しない』の中川駿監督が“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場。 文筆家の折田侑駿が番組MCを担当し、原作小説を映画化するためのポイントや本作の持つ瑞々しさの秘密、初主演を務めた河合優実をはじめとする若手俳優陣の魅力などについて、徹底的に語っています。 『少女は卒業しない』は・・直木賞作家・朝井リョウの同名連作短編小説を実写映画化したもの。廃校を目前に控えた地方高校を舞台に、“最後の卒業式”までの2日間を描いている。物語がフォーカスするのは4人の少女の恋。主演の河合、小野莉奈、小宮山莉渚、中井友望らが卒業間近の女子生徒に扮し、窪塚愛流、佐藤緋美、宇佐卓真、藤原季節たちが彼女らの恋の相手を演じている。 トークピックアップ折田が「学校を舞台にした傑作映画というのは各年代ごとにあります。2020年代はまだ始まって3年ほどですが、これは語り継がれていく作品になるだろうと感じました」と述べるところからトークはスタート。これに中川監督は「嬉しいです。あと7年……大丈夫ですかね」と苦笑気味に返答。さらに折田は「いろんな作品が出てくるんでしょうけども、本作は作劇や演出面が素晴らしいことももちろんですが、現代の社会情勢やコロナ禍という環境、“卒業式”というものがない世代の人たちがいる中で誕生した作品です。この時代を象徴するものとして残っていくんじゃないかと思うんです」と続けている。 企画の経緯について監督は、「『カランコエの花』をご覧になったプロデューサーに、『少女は卒業しない』の原作をご紹介いただいたんです。『カランコエの花』に通じるものがあると。たしかに、世界観や少女たちの繊細な心情描写は理解できるところがあるというか、前作で培った経験が活かせる作品だと思いました。それに朝井リョウさんの作品といえば、『桐島、部活やめるってよ』の映画を何度も何度も拝見していますし、強く感銘を受けています。なので、朝井さんの原作ということにテンションが上りましたし、僕なりの映画が作れるんじゃないかと思い、お引き受けしたのが始まりです」と語る。たしかに、群像劇であることや心の機微を丹念に捉えているところなど、『カランコエの花』と通じる部分が多い。同じく朝井作品を映画化した『桐島、部活やめるってよ』とはまったく手触りの異なる作品だ。 本作は原作の7つの短編のうち、4つの物語をベースにして作られている。これについて中川監督は、「すべてのお話を一本の映画にまとめるのはどうしても無理でした。なので、原作からもらったアイデアを僕なりに生み直す、ゼロから作るのだと。読者の方それぞれに感想があると思いますが、そこは主観的に、僕が原作を読んで感じたことを洗練させたかたちで映画化するというか。僕の感性で作り直すことを意識しました」と述べている。 “俳優ウォッチャー”を自称する折田はキャスティングにも言及。主演の河合を中心とした並びに驚いたといい、この俳優陣の顔ぶれもまた、本作が2020年代を代表する映画になると思う理由の一つなのだという。これに監督は、「プロデュースチームに感謝です。僕が脚本を書くにあたって各キャラクターのイメージを共有したところ、プロデュースチームから提案されたメンバーなんです。みなさんの実力は知っていましたし、素晴らしい役者さんだと感じていました。役のイメージにもピッタリです。ただ一点、特筆すべきところでいうと、河合さんだけ僕の出したイメージと違っていたんです」と予想外の言葉を口にしている。その理由や、実際にタッグを組んでみて知った河合の俳優としての凄みなど、ぜひ活弁シネマ倶楽部の動画本編をご覧いただきたい。 そのほかこのトークでは、学校を舞台とした作品の魅力などについても言及。2020年代を代表し、やがて語り継がれていくであろう新たな学園モノの傑作の核心に触れられる、そんな貴重な収録回となっている。 |
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『少女は卒業しない』2月23日(木・祝)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国公開! 誰もが経験のある「卒業」と「恋の別れ」。後悔と希望を胸に迎える卒業式に、恋する喜びと切なさを心に刻む少女たち。二度と戻れない“あの頃”の感情を呼び起こす、新たな青春恋愛映画 イントロ STORY |
河合優実
小野莉奈 小宮山莉渚 中井友望
窪塚愛流 佐藤緋美 宇佐卓真 / 藤原季節
監督・脚本:中川駿
原作:朝井リョウ『少女は卒業しない』(集英社文庫刊)
主題歌:みゆな「夢でも」(A.S.A.B)
製作プロダクション:ダブ 製作:映画「少女は卒業しない」製作委員会(クロックワークス、U-NEXT、ダブ) 配給:クロックワークス
© 朝井リョウ/集英社・2023 映画「少女は卒業しない」製作委員会