『唯一、ゲオルギア』上映『月曜日に乾杯!』『皆さま、ごきげんよう』などを手掛けた名匠オタール・イオセリアーニの劇場初公開を含む全監督作21本を『オタール・イオセリアーニ映画祭』と題してデジタル・リマスター版にて、2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて一挙上映中です。 この度、イメージフォーラムにて『唯一、ゲオルギア』上映後に前田弘毅教授(東京都立大学 人文社会学部教授)を招き、トークイベントを行いました。 |
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前田弘毅教授登壇Q.まずは簡単にプロフィールをお伺いできますでしょうか。 Q.率直に、研究者の前田さんからみて、『唯一、ゲオルギア』はいかがでしたでしょうか。 Q.目をつぶりたくなるようなシーンも劇中にはあったと思いますが、本作を観るポイントをお教えいただけますでしょうか。 それから20世紀という時代ですね。改めてソ連というものがどういうものであったか、それが遠い記憶になって、授業で教えてますとなかなか伝えるのが難しいんですけれども、いわば「クレムリンの時代」、イオセリアーニ曰く「うそがシステム化」されていた社会。こういったことに関しても、改めて映像を通してみることができる。一方で、大衆文化が花開いた側面もあります。ロシア帝国時代やその後の第一次独立期など、やはり日本でほとんど知られていないジョージア史の多様な展開を美しい映像コラージュで知ることができるのは本当に貴重です。盛りだくさんで、この映像を使った講義などもしてみたいと思いました。 そして何より、ジョージア(グルジア)の映画がソ連の中にあっても、傑出した才能が集まっていて、そして芸術から辛らつな政治批評まで、文字通り息もできないような窮屈なソ連時代に、あれだけさまざまなテーマの映画が、20世紀を通じて撮影されてきていたこと。イオセリアーニはそういう意味ではまさに自分を育んだジョージアの伝統文化、特に映画製作の世界でですね、これに対するオマージュも込めている。ですから、あの極限の状況でそれを本当に芸術作品にまとめあげた彼の凄さをひしひしと感じました。 Q.本作の最初には、「これがロシア近隣国の日常だ」という言葉が出てくるかと思いますが、ちなみに現在のジョージアとロシアの関係性はどういった状況でしょうか。 |
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『オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜』
Twitter: Facebook: 上映作品一覧 <長編12本> 『エウスカディ、1982年夏』 *劇場初公開 |
監督:オタール・イオセリアーニ
特別協力:ジョージア映画祭、立教大学 現代心理学部 心理芸術人文学研究所
配給:ビターズ・エンド